税務とシステムの接点

2020年8月 5日 (水)

サイゼイリアの1円値上げと消費税の関係

東洋経済のサイト に、サイゼリアの堀埜一成社長へのインタビュー記事
「サイゼリア、社長も驚く「1円値上げ」の成果」
https://toyokeizai.net/articles/-/366926
が掲載されています。

20200805

「コロナ対応策の1つとして同社が打ち出したのが、これまで頑なに299円(税込み、以下同)を維持してきた看板商品「ミラノ風ドリア」を7月から300円へ1円値上げしたこと。全商品を50円単位の価格に設定したのだ。」

顧客に買い得感を与えるマーケティング手法として端数価格と呼ばれるものがあります。
商品の価格を桁上がりが起こる直前の端数に設定するもので、980円とか、4,980円といった値札は、皆さんもよく目にしているでしょう。
サイゼリアも、従来、この端数価格を用いていたのですが、コロナ対応でおつりのやり取りを減らすために端数価格を取りやめ50円単位の価格に設定し直しました。

この価格改定の成果として、コインの受け渡しや精算時間が減るだけではなく、客単価も上がったという話が紹介されています。
詳細についてはリンク先の記事をお読みいただきたいのですが、最後に次のような発言があります。

「他社にもおすすめしたいぐらいだ。ただ、当社はずっと税込みの価格表示にしてきたからすぐに改定できたが、税抜きの価格設定をしているところは、税込み価格を50円単位にそろえるのは難しいだろう。」

堀社長も指摘されているように、多くの小売業では、消費税分割高に見える税込価格表示ではなく税抜価格表示が選択されています。
また、複数税率制度(店内飲食は10%、テイクアウトは8%)に対応するために税抜価格表示にせざるを得なかった業態もあります。
今回のサイゼリアの事例は、今後の価格設定を考える際に参考になるものでしょう。

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2020年7月22日 (水)

有料化されたレジ袋に消費税はかかるのか? ー消費税の割戻計算と積上計算ー

2020年7月1日からスーパー等の小売店におけるレジ袋が有料化されました。
根拠法令は「小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」(長っ!)

精算の都度、レジ袋の要否を聞かれるのも面倒ですが、それ以上に厄介なのが消費税の会計処理です。
昨年10月から消費税率が10%に引き上げられるとともに飲食料品については8%の軽減税率が導入されました。レジ袋は軽減税率の対象外であるため標準税率10%が適用されます。
今まで、軽減税率対象である飲食料品しか扱っていなかった小売店でも、有料で販売したレジ袋については標準税率10%で区分して処理しなければなりません。

具体的な事例をコンビニエンストアのレシートで見てみましょう。
(ちなみに、セブンイレブンは、昨年9月から税込価格ではなく税抜価格ベースで消費税額を計算するように変更が行われています。詳細は2019年9月20日の当ブログに記載)
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税抜価格93円の麦茶(飲食料品のため軽減税率8%)と有料レジ袋を3円(標準税率10%)を総額103円で購入しました。
個々に消費税額を計算してみます。

麦茶93円×8%=7.44(小数点以下切捨)→消費税額7円
レジ袋3円×10%=0.3円(小数点以下切捨)→消費税額0円

レシートで確認してみましょう。
(内消費税等8%  ¥7円)
とのみ記載されており、レジ袋分の消費税額は記載されていません。
では、小売店は、レジ袋分の10%の消費税を納付しなくてよいのでしょうか?

その答えは、
「小売店が採用する消費税の計算方法によって異なる」
が正解になります。

売上等に係る消費税額の算出方法には2つの方法が認められています。
割戻計算(原則)
課税期間の税込売上総額を税率で割戻した金額(標準税率の場合100/110を乗じる)を課税標準とし、その消費税率分を税額とする。
積上計算(特例)
取引ごとに本体価格と消費税額等を区分して計算し、計算した消費税額等を積上げた合計額を用いる。

つまり、割戻計算を採用している会社の場合には、1枚3円で販売したレジ袋の年間総売上額をもとに消費税額を算出します。
一方、積上計算を採用している場合には端数処理を取引ごとに行えますから、端数処理を切捨で行っている場合、レジ袋を10円以上購入する顧客がいなければ、レジ袋に係る消費税額は0円(!)になります

この割戻計算と積上計算の選択は消費税導入当初からあるものです。
従来から取引量の多い小売業では積上計算を採用するケースが多かったのですが、今回のレジ袋有料化で、積上計算の有利さが顕著になるでしょう。

ただし、積上計算は消費税法上の特例であるため、以下の要件を満たす必要がある点に注意してください。
・決算上受領すべき金額ごとに端数処理を行う
・本体価格と消費税等を区分して領収する

また、インボイス方式が導入される2023年10月から、売上税額について積上計算を適用する場合には、仕入税額についても積上計算を適用することが強制される点についてもご留意ください。
(消費税の端数処理の詳細については拙書「消費税軽減税率導入とシステム対応」の141ページ以降もご参照ください)

 

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2020年4月 8日 (水)

飲食店は10日間の軽減売上割合の特例適用を検討しよう 

昨日、4月7日にコロナウイルスに対する緊急事態宣言が発令されました。
読者の皆様も各々の職場で対応に翻弄される日々を送られていると思います。

特に、飲食店の方々は、売上減に対応するために、テイクアウトメニューを増やしたり自主的な休業を始めているところも多く見かけます。

ここで、ひとつ飲食店の方々にお伝えしておきたい消費税の特例制度があります。
令和元年10月の軽減税率制度導入時に、複数税率による売上税額計算が困難な中小事業者向けに3種類の特例が設けられました。
詳細は下記の図をご参照ください。

202004082

この中で注目していただきたいのは、特例②の軽減売上割合を使って、1年間の標準税率と軽減税率の割合を決める方法です。
軽減売上割合とは
「通常の事業を行う連続する10営業日の課税資産の税込売上総額に占める軽減税率対象品分の割合」 です。

連続する10日間の軽減税率商品(8%)と標準税率商品(10%)の割合を集計し、その割合を1年間全体の売上に乗ずることで税額を計算することが認められているのです。
つまり、テイクアウト(軽減税率8%)の売上割合が高い10日間の軽減売上割合を用いることで消費税額の削減が可能になります。

なお、この特例の対象となるのは、売上を税率ごとに区分して合計するのが困難な中小事業者(基準期間における課税売上高が5千万円以下)に限定されている点に注意してください。

ここでいう「困難」の程度については、「消費税の軽減税率制度に関する取扱通達」21に次のように規定されています。
困難な事業があるときの意義)
21 改正法附則第38条第1項《31年軽減対象資産の譲渡等を行う中小事業者の課税標準の計算等に関する経過措置》に規定する「困難な事情があるとき」とは、例えば、事業者が同項に規定する適用対象期間中に国内において行った課税資産の譲渡等につき、税率の異なるごとの管理が行えないことなどにより、当該適用対象期間中の当該課税資産の譲渡等の税込価額を税率の異なるごとに区分して合計することが困難である場合をいい、そのような場合には、その困難の度合いを問わず、同項に規定する経過措置を適用することができることに留意する。
(注)1 改正法附則第38条第2項に規定する「困難な事情があるとき」において同様である。

また、「通常の事業を行う連続する10営業日」の意義について、同取扱通達22に次のように規定されていますので、テイクアウトだけで営業するような「特別な営業」期間は計算対象から除かれる点に注意してください。

(通常の事業を行う連続する10営業日の意義)
22 改正法附則第38条第1項《31年軽減対象資産の譲渡等を行う中小事業者の課税標準の計算等に関する経過措置》を適用する場合の「通常の事業を行う連続する10営業日」は、同項に規定する適用対象期間における通常の事業を行う連続する10営業日であればいつかを問わないのであるが、例えば、通常飲食料品と飲食料品以外の資産の譲渡等を行う事業者が、特別な営業により、ある10日間について飲食料品の譲渡のみを行うといった営業日は同項に規定する「通常の事業」を行う営業日に含まれないことに留意する。
 なお、これら「通常の事業」でない営業日を含む連続する10営業日に基づき同項の規定を適用することはできないのであるが、このような「通常の事業」でない営業日を除いた前後の連続する期間の合計10営業日については、「通常の事業を行う連続する10営業日」として取り扱う。

 

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2019年10月31日 (木)

消費税率改正後の月次決算における留意点 -本当のヤマはこれからだ!

2019年10月1日から消費税率が10%に改正されるとともに新しい軽減税率制度が導入されました。
消費者向けの小売業では税率改正時の10月1日がひとつのヤマでしたが、一般の事業会社においては税率改正から最初の月次決算をむかえるこれからが勝負所です。

201910311

そこで、2019年10月度の月次決算における留意点ついて簡単にまとめておきます。

・旧税率と新税率の分類
事業者間取引においては一定の締日ごとの請求が多いため、税率改正直後の請求時には旧税率と新税率が混在します。両者が適切に区分されているか確認しましょう。
特に不動産関連取引の場合、賃料(翌月分)、管理費や光熱費(当月、前月分)など同一の請求書に計算期間が異なる項目が含まれます。さらに、資産の貸付にかかる経過措置の適用対象か否かも契約ごとに判断する必要があります。

・値引・返品の扱い
値引及び返品は、税率改正時の経過措置によって2019年10月1日より前に行った売上によるものについては旧税率(8%)が適用されます。
ただし、業態によって販売時期を特定できないケースもあるため、合理的な方法(10月中の返品は9月までの販売分とみなす等)を継続的に適用することも許容されています。

・販売奨励金の処理
軽減税率の対象となる飲食料品の販売にともなう販売奨励金やリベートは、対価の返還等に該当し軽減税率が適用されます。ただし、その内容が役務の提供への対価である場合には標準税率(10%)が適用されます。
販売奨励金やリベートには様々な性質のものが混在しますので、どの税率を適用するのか取引先と調整しておきましょう(軽減税率QA(個別事例編)Q42参照)

・旅費交通費の精算
旅客運賃については、10月1日より前の購入分については旧税率(8%)が適用される経過措置があるため、10月分の精算分には複数の税率のものが混在する可能性があります。旅費交通費の精算書は、経理部門以外の一般部門の方々が作成するため、間違いやすい論点については事前に社内にアナウンスしておきましょう。

・データ取込の見直し
近年のクラウド系会計ソフト(freeeやMFクラウド等)では、取り込んだ預金の入出金データをもとに仕訳を自動生成します。10月1日以降、1つの入出金の中に複数の税率の取引が混在する場合には、自動仕訳のロジックを見直さなければいけません。

経理部門やシステム部門の皆さんは、これまでも十分な準備を行ってこられたと思いますが、実際に月次処理を行うと想定外のケースが生じるはずです。
まずは、10月の月次処理で問題点を洗い出し、11月以降の処理に持ち越さないようにしましょう。

 

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2019年10月 1日 (火)

消費税軽減税率導入 コンビニ各社のレシートから学ぶキャッシュレス還元分の経理処理

本日、2019年10月1日から消費税率が10%に改正されました。
あわせて軽減税率制度も導入され飲食料品と新聞については軽減税率8%が適用されます。
コンビニエンスストア各社がどのような対応をしているのか見ていきましょう。

最初はセブンイレブンです。
20191001
セブンイレブンでは、単体の価格を税抜表示(先日のブログでも取り上げました)。軽減税率対象品との区別には「*」を印字しています。
また、キャッシュレス還元2%分について「即時充当」方式を採用し支払額から直接控除しています。
https://www.sej.co.jp/var/rev0/0002/2290/11996125654.pdf


続いてファミリーマートです。
20191001_20191001165601
ファミリーマートでは、単体の価格を税込表示。軽減税率対象品との区別には「」を印字しています。
(ちなみに商品名の「黒白7本短冊付」は不祝儀袋ですので標準税率の10%が適用されています)
こちらもセブンイレブン同様、キャッシュレス還元2%分の4円は即時充当方式で代金から直接控除しています。
https://www.family.co.jp/services/other/info1910.html

最後にローソン。
201910014_li
ローソンでは、単体の価格を税込表示。軽減税率対象品との区別には「」を印字しています。
このレシートだとわかりづらいのですが、ローソンも上記2社同様「即時充当」方式を採用しキャッシュレス還元2%分を支払代金から控除しています。
https://www.lawson.co.jp/service/others/taxes/

このように、大手コンビニはキャッシュレス還元のポイントを「即時充当」方式で支払額から直接控除しています。
では、このようなレシートにもとづいて、どのような経理処理をすればよいのでしょうか。

購入に伴って発生したポイントは、本来「雑収入」として認識するのが理論的ですが、実務上は出納額と合わせるために購入時の値引として処理ケースが一般的です。
標準税率(10%)と軽減税率(8%)のように税率の異なる商品を同時に購入した場合、この値引額をどのように処理するかが問題になります。

消費税法の軽減税率に関する個別通達15では、次のように定めています。
軽減税率 個別通達15
「(略)一括して対価の額の値引きが行われており、当該資産の譲渡等に係る適用税率ごとの値引額又は値引額控除後の対価の額が明らかでないときは、割引券等による値引額を当該資産の譲渡等に係る価額の比率により按分し、適用税率ごとの値引額及び値引額控除後の対価の額を区分することとなることに留意する」

値引額を値引前の価額の比率で按分することを求めています。

さらに、上記通達の後段に次のような記述があります。
「なお、当該資産の譲渡等に際して顧客へ交付する領収書等の書類により適用税率ごとの値引額又は値引額控除後の対価の額が確認できるときは、当該資産の譲渡等に係る値引額又は値引額控除後の対価の額が、適用税率ごとに合理的に区分されているものに該当する。」

つまり、レシート等の記載で税率ごとの値引額が確認できれば、必ずしも按分計算によらず、標準税率分から優先的に充当するといった方法でも合理的に区分されているものとみなされます。
ただし、コンビニ3社のレシートとも値引額を税率ごとに区分して表示していません。

したがいまして、当ブログ上で公にできる結論としては
「軽減税率 個別通達15にしたがって値引分は税率ごとに按分して処理する」
という記述になってしまうのですが、実務上は難しいのではないでしょうか。

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2019年9月25日 (水)

9月30日までeLTAXによる電子納税は使用できません

経理業務に携わっている方々は10月1日からの消費税改正対応でご多忙の日々を過ごされていると思われますが、同じ10月1日に新しい地方税共通納税システムもスタートします。
それに合わせて昨日(24日)から地方税のポータルサイトであるeL TAXも新しいアドレスになりました。

地方税が10月1日から新システムになることは私も存じ上げていたのですが、この改正にあわせて9月21日から9月30日まで以下の電子納税サービスを使用できないことに昨日、初めて気づきました。

「電子納税サービスが利用できない期間について」
https://www.eltax.lta.go.jp/news/00362

20190925_0 

・納付情報の発行依頼
・納付情報の受け取り
・eLTAXを通じた電子納税

電子納税に慣れているクライアントの方は、既に納付書を処分しているかもしれませんのでご注意ください。

本筋から外れますが、システムと会計の接点を取り上げる当ブログとしてはそれ以外に気になる論点があります。

eL TAX上で電子申告用に無償で提供されているソフト「PC desk」も昨日最新版にアップデートされました。
電子申告用のデータはXML形式でそのまま見ることができないため、サードベンダーの電子申告ソフトにはPDFに変換する機能が付いています。従来、PC deskには、このPDF変換機能が付いていなかったのですが、今回のアップデートで同機能が加えられています。

大変便利になって助かるのですが、ひとつ気持ちの悪い部分があります。
それは、申告書に記載する税理士署名欄の電話番号です。
地方税の申告書の税理士署名欄は右下に縦書きになっており、ここに税理士名と電話番号を記載するのですが、 電話番号も単純に縦書きに変換しているのでハイフンが横になってしまうのです。

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同じN〇〇グループが提供している「電子申告の達人」では、縦に横書き(下図のイメージ)にしているので、こちらの方がよかったのではないでしょうか。
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【追記】
電話番号などというつまらない話ではなく、システム移行に関する真面目な話を追記しておきます。

24日以降は古いPc Deskソフトは使えないため、新ソフトにアップデートする必要があります。
その際に、古いソフトで「データ取り出し」処理をしてから新ソフトをインストールしないと面倒な手続きが必要になるのでご注意ください。

今時、こんなオペレーションを要求するソフトは珍しいので、まずは PC desk データ移行マニュアル  を一読されてからバージョンアップすることをお勧めします。

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2019年9月20日 (金)

セブンイレブンの消費税計算の変更内容と根拠条文

セブンイレブンが消費税の計算方法を変えたことが話題になっています。

https://www.sej.co.jp/company/important/201909062030_copy.html

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この変更について、9月18日付の日経新聞朝刊の記事では
単品ごとに消費税を加算する計算方法から、購入する全商品の合計に加算する方法に変えたのが理由」
と書かれていますが、この記載内容は間違っています。

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セブンイレブンが行った計算方法の変更は、 税込価格の合計額に8/108を乗じる」方法(消費税法施行規則 附則(平成15年9月30日財務省令第92号)第2条第3項による経過措置)から税抜価格の合計額に8/100を乗じる」方法(消費税法施行規則 附則(平成15年9月30日財務省令第92号)第2条第4項又は第5項による経過措置)への変更です。

消費税の端数処理は請求書又は領収書の単位で1度だけ行い、「単品ごとに消費税を加算する計算方法」は現行法においても認められていませんので、セブンイレブンもそのような計算方法は採用していません。

と申しましても、この消費税の端数処理の根拠条文である消費税法施行規則 第22条第1項は、総額表示導入時の平成16年3月31日をもって廃止されており、前述した消費税法施行規則の附則の経過措置によって延命している状態ですので混乱が生じるのも致し方ない状態であります。

この端数処理の当初条文から現在までの改正過程につきましては拙書「消費税軽減税率導入とシステム対応」の141ページから154ページまでに法令原文もあわせて解説しておりますので、そちらもご参照ください。

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2019年8月 1日 (木)

消費税軽減税率制度Q&Aの追加項目のまとめ

昨日、国税庁から 「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」の改正版が公表されました。

「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」(令和元年7月改訂)

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このQ&Aは平成28年4月の公表から数度の改訂が行われており、今回、追加又は改訂された問いの内容を簡単にまとめておきます。

基本的には従来からの考え方を踏襲したものですが、問68(遊園地の売店)で、「飲食設備」は「遊園地といった施設全体を指すものではない」と明文化されたのは、関連業界の方々の実務の助けになるでしょう。

問 14 【改訂】(みりん、料理酒、調味料の販売)
料理酒などの発酵調味料も軽減税率対象であることを追加

問22【追加】(炭酸ガスの販売)
添加物として販売されている炭酸ガスは軽減税率対象。

問26【追加】 (キャラクターを印刷したお菓子の缶詰等)
キャラクターを印刷した缶詰等も基本的には食品の販売に付帯して通常必要なものとして軽減税率の対象となる。

問27【改訂】(桐の箱の容器)
容器等に商品の名称などを直接印刷等したとしても、その飲食料品を販売するためにのみ使用していることが明らかでないものは軽減税率の対象外であることを追記。

問28【追加】(割り箸を付帯した弁当、ストローを付帯した飲料等)
食器具等も含めて軽減税率の対象。

問30【追加】(飲用後に回収される空びん)
飲用後の空びん回収時の「びん代」は軽減税率の対象外。

問41【追加】(制作物供給契約による飲食料品の譲渡等の取扱い)
飲食料品の製作物供給契約による製造においては、その取引が「(飲食料品の)製造販売」(軽減税率8%)か「賃加工」(標準税率10%)かを契約内容等により個別に判断する。

問42【改訂】(販売奨励金)
「飲食料品の譲渡」に伴う「販売奨励金」や「リベート」は、その目的や性質によって「対価の返還等」(軽減税率8%)か「役務の提供」(標準税率10%)かを判断する必要がある旨を追加。

問43【追加】(自動販売機の手数料)
「役務の提供」の対価に該当し標準税率。

問51【改訂】(屋台等での飲食料品の提供)
フードイベントについて屋台と同じ考え方を適用することを追加。

問54【追加】(従業員専用のバックヤードで飲食する場合)
従業員専用のバックヤードのように顧客により飲食に用いられないことが明らかな設備については飲食設備に該当しない。

問60【追加】(セット商品のうち一部を店内飲食する場合)
ハンバーガーとドリンクのセット商品のうち、ドリンクだけを店内飲食すると意思表示されたとしても、全体として「食事の提供」に該当し標準税率が適用される(ただし、単品で販売する場合は個々に判断する)。

問67【追加】(合意等の範囲)
「合意等」には、契約書等で明らかにされているもののみならず「黙示の合意」も含む。

問68【追加】(遊園地の売店)
遊園地という施設全体で「飲食設備」に該当するわけではない。ただし、園内に点在する売店の管理が及ぶテーブルや椅子などは「飲食設備」に該当する。

問88【追加】(食品と非売品のおもちゃの一括譲渡)
食品と非売品のおもちゃを一括譲渡する場合、非売品のおもちゃの対価を0円として按分計算することも許容される。

問89【追加】(販促品付きペットボトル飲料)
おもちゃが非売品で、おもちゃがつかなくても価格が変わらない場合、おもちゃの価格を0円として一体資産の飲食料品の譲渡に該当する。

問90【追加】(特定の飲食料品を購入した際にレジで配布される販促品)
販促品が非売品であり、販促品なしでも価格が変わらない場合、販促品の売価を0円として一体資産の要件を判断可能。


問94【追加】(食品と食品以外の資産の仕入れに共通して要した付随費用)
一体資産における食品の占める割合の計算では、①付随費用を考慮しない方法、②付随費用を各商品に按分する方法のいずれかの方法で行う。

問95【追加】(一体資産に含まれる食品に係る部分の割合の売価による判定)
一体資産における食品の割合算出にあたって、売価や原価情報の入手に制限がある場合、セット商品の売価から実際に販売されている売価を控除する方法で計算することも許容される。

問100【追加】(ホテルに対して販売する新聞)
ホテルに対して定期購読契約に基づき一定数を納品するほか、当日の宿泊客数に応じて追加部数を納品する場合、前者は軽減税率対象となるが後者は標準税率になる。

問117【追加】(年間契約の区分記載請求書)
月額料金を定めた保守サービス等で、1年間の保守料金を税率改正前に前受する場合、請求書等に旧税率と新税率の対価の額を区分して記載する必要がある。


同時に
「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」についても改正版が公表されています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-01.pdf

以下の問が追加されています。

問40【追加】(売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日の記載)
課税期間の範囲内で一定の期間の記載も可。

問51【追加】(適格請求書等の写しの範囲)
書類そのものを複写したものに限らず、記載内容が確認できればよい。

問66【追加】(見積額が記載された適格請求書の保存等)
見積額が記載された適格請求書の交付が受けられない場合でも、電気、ガス、水道水の供給のように継続して行われる取引については、その後、金額確定時の適格請求書を保存することを条件として見積額で仕入税額控除可能。

問78【追加】(売上税額の積上げ計算における適格請求書の交付の範囲)
スーパーのレシートのように適格請求書を交付しようとしたものの顧客が受け取らなかった場合でも、積上げ計算の対象にできる。

【ご案内】
おかげさまで、みずほセミナーの軽減税率セミナーが3度目の追加開催となりました。
2019年8月7日(水)
総点検!『軽減税率・インボイス方式』をめぐる消費税システム対応」
https://www.mizuhosemi.com/section/accounting/19-10845.html
多くの方のご参加をお待ちしております。

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2019年7月31日 (水)

弥報Magazineに「誰もがはじめての軽減税率制度」を寄稿しました

弥生会計のユーザー向け広報誌 弥報Magazine 2019年7月号に「基本から知っていこう!誰もがはじめての軽減税率制度」を寄稿しました。
20190731

2019年10月の軽減税率制度導入まで、残された時間は後2ヵ月。
昨年の弥報Magazine 11月号でも軽減税率制度の記事を寄稿しましたが、2ページと限られた文量でしたので軽減税率の留意点のみをご紹介しました。

今回は、誌面も増えましたので
基本をおさらい 「軽減税率 基本のき」
疑問点を解決  「こんなこと、困っています」
確認しておきたい 「経過措置について」
と読者の皆さんの理解度に合わせた構成になっています。

特に、 「軽減税率対策補助金」「キャッシュレス・消費者還元事業」といった支援制度については、事業者側から申請や登録といったアクションを起こす必要があります。申請期限にも注意して、有効に御利用ください。

会員向け広報誌のため一般の方は入手が難しいかもしれませんが、弥生さんの広報誌は30万部(!)も発行されているそうですので、どこかで見かけられたご一読いただければ幸いです。

【ご案内】
おかげさまで、みずほセミナーの軽減税率セミナーが3度目の追加開催となりました。
2019年8月7日(水)
総点検!『軽減税率・インボイス方式』をめぐる消費税システム対応」
多くの方のご参加をお待ちしております。

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2019年7月 4日 (木)

キャッシュレス・消費者還元事業の消費者向けリーフレットの公表

消費税率引上げに対応する消費活性策として、2019年10月から導入が予定されている「キャッシュレス・消費者還元事業」の消費者向けリーフレットが、経済産業省のポータルサイトで公表されました。
201907040

https://cashless.go.jp/assets/doc/consumer_leaf_introduction.pdf


今回公表されたのは制度の概要を説明するパンフレットですので、詳細については既に公表されている事業者向けの登録要領等を参照する必要があります。

ちなみに、経済産業者が管轄するこのHP、当初は消費者向けの詳細を「5月ごろ公開予定」と表示していたのですが、現時点においても「近日公開予定」のままになっています。

(2019年5月時点の表示)
201907041

(2019年7月4日時点の表示)
201907042

制度開始まであと3ヵ月しかありませんが、大丈夫なんでしょうか?

【ご案内】
2019年8月7日(水)に、 みずほセミナーで下記講座を開催します。
「消費税『軽減税率・インボイス方式』の導入とシステム対応」
多くの方のご参加をお待ちしております。

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