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2020年7月

2020年7月22日 (水)

有料化されたレジ袋に消費税はかかるのか? ー消費税の割戻計算と積上計算ー

2020年7月1日からスーパー等の小売店におけるレジ袋が有料化されました。
根拠法令は「小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」(長っ!)

精算の都度、レジ袋の要否を聞かれるのも面倒ですが、それ以上に厄介なのが消費税の会計処理です。
昨年10月から消費税率が10%に引き上げられるとともに飲食料品については8%の軽減税率が導入されました。レジ袋は軽減税率の対象外であるため標準税率10%が適用されます。
今まで、軽減税率対象である飲食料品しか扱っていなかった小売店でも、有料で販売したレジ袋については標準税率10%で区分して処理しなければなりません。

具体的な事例をコンビニエンストアのレシートで見てみましょう。
(ちなみに、セブンイレブンは、昨年9月から税込価格ではなく税抜価格ベースで消費税額を計算するように変更が行われています。詳細は2019年9月20日の当ブログに記載)
202007221

税抜価格93円の麦茶(飲食料品のため軽減税率8%)と有料レジ袋を3円(標準税率10%)を総額103円で購入しました。
個々に消費税額を計算してみます。

麦茶93円×8%=7.44(小数点以下切捨)→消費税額7円
レジ袋3円×10%=0.3円(小数点以下切捨)→消費税額0円

レシートで確認してみましょう。
(内消費税等8%  ¥7円)
とのみ記載されており、レジ袋分の消費税額は記載されていません。
では、小売店は、レジ袋分の10%の消費税を納付しなくてよいのでしょうか?

その答えは、
「小売店が採用する消費税の計算方法によって異なる」
が正解になります。

売上等に係る消費税額の算出方法には2つの方法が認められています。
割戻計算(原則)
課税期間の税込売上総額を税率で割戻した金額(標準税率の場合100/110を乗じる)を課税標準とし、その消費税率分を税額とする。
積上計算(特例)
取引ごとに本体価格と消費税額等を区分して計算し、計算した消費税額等を積上げた合計額を用いる。

つまり、割戻計算を採用している会社の場合には、1枚3円で販売したレジ袋の年間総売上額をもとに消費税額を算出します。
一方、積上計算を採用している場合には端数処理を取引ごとに行えますから、端数処理を切捨で行っている場合、レジ袋を10円以上購入する顧客がいなければ、レジ袋に係る消費税額は0円(!)になります

この割戻計算と積上計算の選択は消費税導入当初からあるものです。
従来から取引量の多い小売業では積上計算を採用するケースが多かったのですが、今回のレジ袋有料化で、積上計算の有利さが顕著になるでしょう。

ただし、積上計算は消費税法上の特例であるため、以下の要件を満たす必要がある点に注意してください。
・決算上受領すべき金額ごとに端数処理を行う
・本体価格と消費税等を区分して領収する

また、インボイス方式が導入される2023年10月から、売上税額について積上計算を適用する場合には、仕入税額についても積上計算を適用することが強制される点についてもご留意ください。
(消費税の端数処理の詳細については拙書「消費税軽減税率導入とシステム対応」の141ページ以降もご参照ください)

 

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2020年7月14日 (火)

家賃支援給付金の申請開始 兄弟会社との契約は対象外か?

コロナ対策のうち、第2次補正予算の目玉施策である家賃支援給付金制度の申請が本日7月14日から開始されました。

家賃支援給付金申請サイト

家賃支援給付金制度の概要については、こちらのパンフレットをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/pdf/yachin-kyufu.pdf

202007141

支給対象となる事業者はコロナ対策の第1弾として実施された持続化給付金に準じています。賃貸契約のうち、次のような契約は対象になりません。
 
1転貸(又貸し)を目的とした取引
2自己取引…賃貸人と賃借人が実質的に同一人物の取引
3親族間取引…賃貸人と賃借人が配偶者又は一親等以内の取引

特に、法人間取引では、2自己取引の範囲が問題になるのですが、7月7日に公表された申請要領では次のような説明に留まっていました。

賃貸人(かしぬし)が賃借人(かりぬし)の代表取締役である場合や、賃貸人(かしぬし)が賃借人(かりぬし)の議決権の過半数を有している場合など、会社法に規定する親会社等・子会社等の関係にある場合を指します。詳しくは給付規程をご覧ください。

実務上、多くある兄弟会社(同一の親会社を持つ子会社、いわゆるグループ会社)の取引が含まれるか否かが、この説明ではわからなかったのですが、申請開始とともに公表された給付規程(中小法人等向け)では次のように規定しています。

(基準額)
第5条 第3項
第1項の規定により基準額を算定する場合において、賃貸人その他の申請者に対して土地又は建物を使用及び収益させる義務を負う者(以下「賃貸人等」という。)と、申請者との関係が次の各号のいずれかである場合には、当該土地又は建物に係る賃料等は含めないこととする。
一 賃貸人等が、申請者の代表取締役又は申請者と同じ者を代表取締役とする会社であるもの
二 賃貸人等が申請者の親会社等(会社法(平成17年法律第86号)第2条第4号の2に規定する親会社等(自然人を含む。次号において同じ。)をいう。)又は子会社等(会社法第2条第3号の2に規定する子会社等をいう。)であるもの
三 賃貸人等が、申請者の代表取締役若しくは親会社等である自然人の配偶者若しくは一親等内の血族若しくは姻族又は当該配偶者若しくは一親等内の血族若しくは姻族を代表取締役若しくは親会社等とする法人であるもの
四 前各号に規定する関係に類するものその他給付金の趣旨・目的に照らして適当でないと長官が判断するもの

現状の条文では、対象外となる関係者として兄弟会社について直接の言及はありませんが、第4号の「類するもの」に兄弟会社が含まれるか否かの判断が難しいため、コールセンターに確認してみました(申請初日に電話がつながった!素晴らしい!)。

コールセンターの回答によれば、第1号(代表取締役が同じ会社)または第3号(血族等の会社)に該当しなければ兄弟会社(グループ会社)間の契約も給付対象になる とのことでした。

ただし、申請初日でコールセンターも混乱しているようでしたので、順次更新される
FAQ(よくあるご質問)
審査におけるガイドライン
についても確認しながら申請するのがよいでしょう。

【ご案内】
先日、日本経営合理化協会で開催したコロナ対策向け緊急オンラインセミナーのダウンロード版も販売開始しておりますので、こちらもご利用ください。
決算書が苦手な社長のための「有事の資金繰り」

 

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