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2007年1月

2007年1月31日 (水)

臨時計算書類の作成基準

先日、日本公認会計士協会 会計制度委員会 から、「臨時計算書類の作成基準」(以降基準と記す)が公表されました。
http://db.jicpa.or.jp/visitor/search_detail.php?id=841

この臨時計算書類は、昨年改正された会社法において、新しく導入された制度です。期中の任意の日(臨時決算日)において臨時計算書類を作成した場合、その事業年度の臨時決算日までの損益を配当可能額に反映することができます(会社法第461条)。

従来の会計慣行にはない、新しい制度ですので、実務の参考となる会計基準が公表されました。基本的には年度決算と同様の会計処理を行い、一部の会計処理については中間決算程度の簡便性が認められるという内容です。

結論から記せば、会計システム上、特段注意することはありません。敢えて、注意点を挙げておくならば、以下のようなところでしょう。

1.臨時計算書においても、主要な注記事項は必要になる(基準4.(2))
    当たり前とも言えますが、会社法上では、B/SとP/Lの作成しか定められていない

2.減価償却に定率法を採用している場合には、事業年度に係る減価償却費の額を期間按分する方法により計上することができる。(基準5.(2))
これも、当然ではありますが、臨時決算日は任意の日に決められますので、月末以外の日になると厄介です(通常はないと思いますが)。

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2007年1月30日 (火)

日本版SOX法と内部統制 第14回 補足 その2

先日の、日経BizPlus連載「これならわかる日本版SOX法と内部統制」の第14回分への補足の補足です。
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/zaimu/rensai/iwatani.cfm

ひとつ、ご質問をいただきましたので、ご回答を兼ねて補足しておきます。第14回の本文中で、以下のような注意事項を書きました。

「それは、法(特に金融商品取引法)の求める領域と、自社の判断によって行う領域の境界を意識しながら作業することです。」

この部分について、「意識しながら、どう作業しろということを言っているのか」というご質問をいただきました。ご指摘の通り、この部分は婉曲な表現になっていますので、作者の真意が伝わりづらいと思います。
真意をはっきり、表現するならば、
「領域の境界を意識して、特に、金融商品取引法の求める領域については、しっかり対応しろ」
という意味です。

「業務の有効性及び効率性」も「法令の遵守」も重要なのは、当然ですが、その重要性を説く人々が、皆さんの業務の責任をとってくれるわけではないからです。

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2007年1月29日 (月)

これならわかる日本版SOX法と内部統制 第14回 補足

本日、日経BizPlusに連載している「これならわかる日本版SOX法と内部統制」の第14回分が掲載されました。

http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/zaimu/rensai/iwatani.cfm

今回は、前回の「文書化の手順 全社的内部統制編」に続き「文書化の手順 業務プロセス内部統制編」と題し、内部統制整備業務の中心となる業務プロセス内部統制の文書化作業について解説しています。

なお、日経BizPlusにおける、当連載は、今回の第14回分をもって最終回です。したがって、残り1回の連載で、業務プロセス内部統制の文書化を解説しなければならず、かなり無理のある文章になっております。概略すぎて申し訳ありません。(連載内容を事前に、もっと計画しておけと思われる方もいらっしゃると思いますが、既に当初の連載予定回数をかなり超過していた次第です)。

業務プロセス内部統制の文書化で、もっとも、厄介なのはリスク・コントロール・マトリックス(RCM)の作成です。業務記述書やフローチャートは、他の業務(システム開発や上場準備等)で作成したことがあったとしても、RCMは、内部統制業務以外で作成することがないからです。 文中の記述とも重複しますが、RCM作成のポイントは、プロセス中のリスクとコントロールが、統制目標にどのような影響を与えるかです。

実施基準案の「Ⅱ.3.(7)評価手続等の記録及び保存 ①内部統制の記録 ニ」に記載されている。

各業務プロセスにおいて重要な虚偽表示が発生するリスクとそれを低減する内部統制の内容(実在性、網羅性、権利と義務の帰属、評価の妥当性、期間配分の適切性、表示の妥当性との関係を含む。また、ITを利用した内部統制の内容を含む。)

この箇所を具現化するためには、RCMの様式が必然的に求められるし、これがなければ、「内部統制の記録」として求められる要件を満たすことができないということを、再度、ご確認ください。

なお、連載の中で触れられなかった論点や、今後の実施基準の動向等につきましては、当ブログにおいて「これならわかる日本版SOX法と内部統制 番外編」として、随時解説していきたいと思いますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

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2007年1月25日 (木)

棚卸資産の評価方法の変更

日本経済新聞によると、新日鉱ホールディングスは今期(2007年3月期)から、棚卸資産の評価方法を低価法に変更するようです。
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/gyoseki.cfm?id=d2d2300p23&date=20070123

ちなみに、法人税法上、棚卸資産の評価方法を変更するには、事業年度開始の日の前日までに、申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません(法人税法施行令30条)から、評価方法の変更をご検討されている方々はご注意ください。

新日鉱HDの場合、現時点で評価方法の変更を公表しているということは税務上は従来の評価方法で評価することになるのでしょう。

ただし、現行法人税法の低価法は、再調達原価を基礎にしており(法人税法施行令28条1項2号)、新しい会計基準の正味売却価額を基礎とする考え方とは違いがありますから、いずれにしろ税務との調整は必要で、実務上の手間は代わらないのかもしれません。
(平成19年の税制大綱によれば、今回の税制改正で、この部分の差異は解消される見込みです。)

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2007年1月24日 (水)

2000年問題とSOX法の関係

本日、みずほ総合研究所主催の「日本版SOX法とIT・情報部門の対応」セミナーを無事に終了することができました。ご多忙のところご聴講いただいた皆様、誠にありがとうございました。
本日の講義の中で紹介した2000年問題の対策本部の報告書は、以下のリンクから入手可能です。
http://www.kantei.go.jp/jp/pc2000/contents.html

また、日経BizPlus で連載しているSOX法講座 第6回でも、解説しておりますので、ご参照ください。
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/zaimu/rensai/iwatani.cfm?i=20060927zd000zd

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2007年1月23日 (火)

財務会計丸分かり 実践編第4回 質問事項

日経SYSTEMS誌(日経BP社)に連載している、「財務会計丸分かり」実践編 第4回 「決算処理」(2007年1月号掲載)にいただいた質問事項について、ご回答します。

今回のテーマは「決算処理」ということもあり、ご質問者固有の問題に関する質問が多く、当ブログで紹介するのに適当なものは少なかったのですが、その中からひとつ、ご回答しておきます。

ご質問の主旨は「月次決算は多くの会社で実施されていますが、その実施を強制する法律はありません。」という記載に対して、ならば、本当に月次決算を止めても良いのかというものです。

回答としては、「止めるか否かは会社の判断による(ただし、上場会社を除く)」というものになります。
本文中で記載したように、月次決算は法律で定められたものではなく、管理会計領域の問題ですから、それを行なうか否かは経営者の判断で決めることができます。管理上は行なう方が望ましいのは当然ですが、実施するのがMUSTというわけではありません。

一方、上場会社においては、止められない理由があります。それは、法律の定めではありませんが、各取引所の定める上場審査基準において「経営管理組織が適切に整備、運用されている状況にあること」が求められているからです。
この経営管理組織の中には、各種予算制度の運用も含まれており、その運用実態は上場時の審査事項になっていますので、月次決算を省略するわけにはいかないのです。

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2007年1月22日 (月)

これならわかる日本版SOX法と内部統制 第13回 補足その3

1月17日のブログで、「日本版SOX法と内部統制 第13回の補足 その2」として、IT全般統制の整備に役立つ参考資料をご紹介しました。
その回の補足ということで、上記題名になっていますが、内容的には先日、ご紹介した経産省の「システム管理基準 追補版」の続きになります。

「システム管理基準 追補版」の付録2に
「システム管理基準の管理項目と統制目標の対応(例)」

という資料が入っており、これが、IT全般統制の整備にあたって参考になるため、追加して、ご紹介する次第です。
我々、システムに携わっている人間にとっては、一連の内部統制関係のガイダンス(COSO、COBIT,公認会計士協会の委員会報告 etc)よりも、経産省の「システム管理基準」の方がなじみが深いでしょうから、システム管理基準と財務情報との関連を整理した、当資料のほうが使い勝手が良いと思います。

作成にあたられた委員の方々には、改めて感謝です。

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2007年1月19日 (金)

システム管理基準 追補版 財務報告に係るIT統制ガイダンスの公表

今週の日経コンピュータに、経済産業省が金融商品取引法における内部統制法制に対応するIT関連の内部統制のガイドラインを公表する記事が載っています。記事中では今月下旬公表となっていましたが、本日付で既に公表されていました。

正式な名称は
「システム管理基準 追補版 (財務報告に係るIT統制ガイダンス)(案)」
ということです。

現段階では、公開草案であり、パブリックコメントを2月19日まで受付た後に、最終版となるようです。
「システム管理基準」の元締めとしては、だまっていられないのも、もっともであります。

150ページにも及ぶ大作ですので、私もこれから読み込ませてもらってから、コメントさせていただきます。本日は、ご報告まで。

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2007年1月18日 (木)

消費税の期限切れにご注意。

昨今、不二家をめぐる賞味期限切れ牛乳の使用が波紋を広げていますが、消費税法の中にも、我々システムに携わるものが注意しておくべき”期限”があります。

それは、消費税法施行規則 附則(平成15年9月30日財務省令 第92号)の第2条において設けられている平成16年4月からの総額表示への以降に伴う経過措置です。

この附則の中には3つの経過措置が定められていますが、その中の附則第2条第4項で定められた経過措置の適用期限が平成19年3月31日で切れるのです。

この第4項で定められた経過措置は、本来総額表示が求められる対消費者取引においても、システム等の改変が間に合わない場合には、「税抜価格」を基礎とした従来の端数処理を認めるというものです。

今回、公表された税制大綱において、特段の記載はありませんでしたから、この附則は延長されずに、当初の適用期日をもって廃止になると思われます。
大手小売業は、既に対応が済んでいますので、問題がないと思われますが、この経過措置を適用して、従来のシステムを使用している会社があれば、平成19年4月1日以降は、税込価格ベースの決済処理が必要になりますので、ご注意ください。

(条文ばかりの不親切な説明ですいません。消費税の経過措置の詳細について確認したい方は、拙書「ビジネスプロセスと会計の接点 増補改訂版」の66ページをご参照ください)

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2007年1月17日 (水)

これならわかる日本版SOX法と内部統制 第13回 補足その2

本日は、先日に引き続き、日経BizPlusに連載している「これならわかる日本版SOX法と内部統制」第13回、「文書化の手順 全社的内部統制編」の補足 その2です。

当ブログの読者の多くは、システム関係の方々と思いますので、連載の中では触れることができなかった、IT全般統制の整備に参考になる資料についてご紹介しておきます。

まず、IT全般統制がどのようなものかを理解するためには、日本公認会計士協会のIT委員会報告 第3号
「財務諸表監査における情報技術(IT)を利用したシステムに関する重要な虚偽表示リスクの評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続きについて」
http://db.jicpa.or.jp/visitor/search_detail.php?id=24

と、このIT委員会報告 第3号へのQ&Aとして作成されたIT委員会研究報告 第31号を読まれるのが一番よいのではないでしょうか。
「IT委員会報告第3号  Q&A」
http://db.jicpa.or.jp/visitor/search_detail.php?id=15

さらに、具体的なチェックリストが必要ならば COBIT for SOX 2nd Editionの邦訳版が参考になります。(土田先生をはじめ、新日本監査法人の諸先生がたの迅速な対応には、いつも感謝しております。)
「サーベインズ・オクスリー法(企業改革法)遵守のためのIT 統制目標」
http://www.itgi.jp/pdfdata/IT_Control_Objectives_for_Sarbanes-Oxley_2nd_Japanese.pdf

この中の参考資料C には、全般統制を確認するためにチェックリストが含まれています。

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2007年1月15日 (月)

これならわかる日本版SOX法と内部統制 第13回 補足

本日、日経BizPlusに連載している「これならわかる日本版SOX法と内部統制」の第13回分が掲載されましたので、簡単に補足しておきます。
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/zaimu/rensai/iwatani.cfm

今回は、「文書化の手順 全社的内部統制編」と題し、内部統制整備業務の中心となるドキュメンテーション化作業について解説しています。

本来は、連載第9回の「対応業務の全体像」に続く内容なのですが、連載の途中で実施基準案が公表されたため、記載順序等が変わってしまいました。突然、全社的統制の話が出てきたと感じられたかたは、再度 連載第9回をお読みください。

今回は、実務に携われている方々のために、全社的統制を整備する際の参考資料をご紹介しております。ただし、これら参考資料は日本版SOX法対応以外の目的を意図して作成されたものですので、記載内容の全てがSOX法に対応するものではありません。ご利用に当たって、ご注意ください。

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2007年1月11日 (木)

NTTデータ源泉徴収票を電子化

日経新聞によると、NTTデータでは今年の1月配布分から源泉徴収票を電子化するそうです。
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=AS1D2809P%2006012007
迅速な対応に頭が下がります。

なお、この電子化は、昨年(平成18年度)の税制改正で創設された「給与の源泉徴収票等の電子交付制度」を適用するもので、先日解説した本年(平成19年度)の改正とは関係ありません。
ただし、本年(平成19年度)の改正で、その他の源泉徴収関係書類(扶養控除等申告書など)の電子化範囲が広がるようなので、本年度の改正を織り込んでシステム化の対象を検討するのが効率的でしょう。

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2007年1月 9日 (火)

日本版SOX法セミナー追加開催のお知らせ

1月24日にみずほ総合研究所主催で開催予定のセミナー、
「日本版SOX法とIT・情報システム部門の対応」
が、おかげ様で満席となりました。

つきましては、再度、みずほ総合研究所主催で、2月9日に追加開催が決定しましたので、ご報告いたします。
http://www.mizuhosemi.com/html/shousai/18-1387.html

当セミナーはシステム・ITに携わる方々を対象に、日本版SOX法による影響と、具体的な対応策について解説するものです。先日、公開された実施基準案についても言及していきますので、お時間のあるかたは是非、ご参加ください。

なお、関西在住の方々には、同主旨のセミナーを3月16日に北浜フォーラムにて開催予定ですので、こちらをご利用ください。
http://www.mizuhosemi.com/html/shousai/18-2116.html

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2007年1月 5日 (金)

2007年 こと始め

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

年も変わり2007年になりましたが、2007年1月から適用される改正事項をはどのようなものがあるでしょうか。

日本では、3月決算の企業が多いため、日本の会計基準の適用は、通常 4月1日から開始されるケースがほとんどです。
一方、税法関係の改正は、所得税関係は暦年(1-12月)、法人税関係は年度(4-3月)で行われるのが一般的です(注 株式・土地等 譲渡所得に関係するものは除きます)。

したがって、1月から適用されるものについては所得税関係の改正に注意しなければならないのですが、我々の扱う企業会計システムと所得税が関連する部分は給与システム関係に限定できます。

ということで、とりあえずは定率減税の廃止による源泉所得税額の改正に注意しておけばよいでしょう。
(その他、見落としている論点がありましたらご指摘ください)。

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