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2006年12月

2006年12月28日 (木)

リース取引に関する税制の扱い

昨日、企業会計基準委員会から「リース取引に関する会計基準(案)」と「リース取引に関する会計基準の適用指針(案)」が公表されました。

そこで、あらためて来年度の税制改正大綱におけるリース関係の改正を確認しておきましょう。
税制改正大綱では「九 その他  3 リース取引について、次のとおり整備を行う。」と記載されており(大綱の51ページから)、その内容は以下のようにまとめられます。

(1) 所有権移転外ファイナンスリース取引は売買取引とみなす。
(2) 所有権移転外ファイナンスリース取引の賃借人はリース期間定額法で償却する。
(3) 所有権移転外ファイナンスリース取引の賃貸人の収益認識は、リース利益額のうち利息相当分(リース利益額の20%相当)を利息法、それ以外の部分は均等額で収益計上できる。
(4) 平成20年4月1日以前分の所有権移転外ファイナンスリース取引については同日以後に終了する事業年度からリース期間定額法で償却可能。
(5) 所有権移転外ファイナンスリース取引の賃借人が賃借料として経理した場合においてもこれを償却費として取り扱うことその他所要の規定の整備を行う。

結論として、賃借人側については、会計上と税務上の調整が不要になるように改正が行われるようです。
もう一点、気になる消費税の扱いについては、経済産業省の税制改正説明資料のなかに以下のように記載されています。

消費税については法人税同様の売買に準じた取扱い、固定資産税については現状どおりリース会社が納税する等実務に影響が生じないよう、所要の措置を講ずる。

システム開発担当者としては、新しい会計基準に対応しなければならない一方で、税務上の扱いは従来通りという、いわゆる「泣き分かれ」が生じて、データの2重管理が必要になるのが一番厄介ですから、とりあえず一安心というところでしょうか。

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2006年12月27日 (水)

リース取引に関する会計基準(案)の公表

企業会計基準委員会から「リース取引に関する会計基準(案)」と「リース取引に関する会計基準の適用指針(案)」が公表されました。

http://www.asb.or.jp/html/documents/exposure_draft/Lease_55_2/Lease_55_2.php

今年の7月に試案が出されてから、業界及び税務当局との調整が続いていたようですが、来年度の税制大綱にもリース会計基準の変更に伴う対応は、既に織り込まれていますので、今回の基準案のままほぼ確定すると思われます。

なお、ファイナンス・リース取引のうち、通常の賃貸借取引に準じた会計処理ができる重要性の基準は300万円以下(適用指針34参照)になっていますので、現在、所有権移転外ファイナンス・リースを注記している企業は、注記している金額がそのままB/Sに載ってくる感じでしょうか。

また、新基準の適用期日は平成20年4月1日以降で、早期適用も可能です。

このリース会計基準の変更は、固定資産管理システムを中心に会計システムに影響を与えますので、今後、当BLOGでも注視していきたいと思います。

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2006年12月26日 (火)

これならわかる日本版SOX法と内部統制 第12回 補足の補足

先日(12月25日)掲載した、「これならわかる日本版SOX法と内部統制 第12回 補足」の内容について、メールにてご質問をいただきましたので、この場をお借りして回答しておきます。

質問のポイントを私なりにまとめてみますと、
「今回の実施基準(公開草案)で定義している「重要な欠陥」のどこが不十分で、ならばどうすればよいのか」
といったところでしょうか。

まず、不十分と感じた部分ですが、例えば、公開草案の「Ⅱ.3.財務報告に係る内部統制の評価の方法 (4)内部統制の有効性の判断 ①全社的な有効性の判断 ハ. 全社的な内部統制に不備がある場合」に重要な欠陥となる全社的な内部統制の不備の例示があります。
簡略化して記せば以下のようなものです。
a 経営者がリスクの評価と対応をしていない
b 取締役会等が内部統制の整備運用を監督・監視・検証していない
c 内部統制の有効性を評価する責任部署が明確でない
d ITのアクセス制限に不備がある
e 内部統制の整備状況に関する記録を欠いている
f 報告された不備が改善されていない

上記5つのうち、a,b,cに該当する会社はほとんどないと思われますし、反対にdを完全に行っている会社もありえないと思います。例示による基準のハードルが、高すぎるものと低すぎるものの両極端しか提示されていないため、実務の参考になりづらいと感じた次第です。

次に、「ならばどうすればいいか」ということになりますが、この回答はかなり難しいです(当然、委員の方々も様々なご検討をされた結果ですので)。
また、法令や基準というものは、特定の事象を例示等によって具体的に定義したほうが利用者には使いやすいのですが、そうすると「それ以外ならば、その事象に該当しない」と考えて脱法的な行動をとる人々が現れるため、条文上では抽象的に定義せざるを得ません。
ひとつのヒントとして、米国における内部統制監査の基準であるPCAOB のAuditing Standard No2では、重要な欠陥を直接定義するのではなく、「重要な欠陥の存在を示す事例」”strong indicator”を例示するというアプローチをとっています。

十分なご回答になりませんでしたが、本日は、こんなところでご了承ください。

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2006年12月25日 (月)

これならわかる日本版SOX法と内部統制 第12回 補足

本日、日経BizPlusに連載している「これならわかる日本版SOX法と内部統制」の第12回分が掲載されましたので、簡単に補足しておきます。
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/zaimu/rensai/iwatani.cfm

今回は、「内部統制の有効性 『重要な欠陥』とは何か」と題し、内部統制の有効性を判断する際のメルクマールとなる「重要な欠陥」について解説しています。

本稿で、読者の方々にお伝えしたかったことが2点あります。

ひとつ目は、内部統制の“有効性”は「重要な欠陥」の有無によって判断されるということです。つまり、単なる「不備」の有無によって判断されるわけではありません。
私がSOX法対策の現場で感じるのは、「不備」の有無に対する過剰な反応です。会社の有する全てのリスク及びそれに対応するコントロールに完全性を求めるのは非現実的です。「不備」の有無を把握することは大切ですが、それら「不備」に対して改善を施す際には、重要性を考慮してプライオリティをつけなければ時間的にも予算的にも間にあいません。
制度自体も内部統制に完全性を求めているのではないことをご理解ください。

2つ目のポイントは、「ならば、『重要な欠陥』とはどのようなものか」ということです。
「重要な欠陥」がメルクマールとなるならば、それを理解していなければ適切な対応はできません。
そこで、本稿においては、日本版実施基準の公開草案にもとづいて「重要な欠陥」について説明しています。
ただし、私の感覚では、今回の公開草案における「重要な欠陥」の定義だけでは、監査上の判断をするには、まだ不十分に思われます。今後、確定する実施基準の動向にも注意してください。

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2006年12月22日 (金)

役員給与関係の質疑応答事例

国税庁から、今春に改正された役員給与及び特殊支配同族会社の扱いについて、質疑応答事例が公表されました。
http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/houzin.htm#a01

いずれの論点も、システム開発に影響を与えるものではありません。しかし、会計実務に携わっている方々にとっては気になっていた論点と思いますので、ご紹介しておきます。

特に、役員の「定期同額給与」についての扱いは以下の通りです。
http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/5394/02.pdf

定期同額でなくても事情によっては役員給与に認められるというポジティブな面よりも、定期同額でないものは、(やはり)「原則的に」役員給与ではないということを認識させられる内容になっています。

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2006年12月21日 (木)

米国上場日本企業の内部統制上の欠陥

12月15日の日経新聞に、日立など米上場日本企業6社の内部統制報告書に「重大な欠陥」が開示されているとの記事が載りました。

紙面には、日立、アドバンテスト、トレンドマイクロ、三菱UFJ、クボタ、NECの6社の内部統制の不備の内容が記載されており、その中身は、いずれも米国会計基準に対応する知識及び人材の不足が指摘されています。

これは、PCAOBのAuditing Standard No2、paragraph 140に例示されている重要な欠陥の存在を示す事例の

Identification by the auditor of a material misstatement in financial statements  in the current period that was not initially identified by the company's internal control over financial reporting.
(財務諸表における重要な間違いを、監査人に発見される前に、会社の内部統制によって発見できなかった場合,

このあたりに、合致してしまうということでしょうか。
米国基準で財務諸表を作成する会社にとっては、結構、厳しいハードルですね。

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2006年12月19日 (火)

消費税の端数処理

本日、日経ビジネススクール主催の「SE・IT部門のための実務に役立つ企業会計制度の理解と重要ポイント」を無事に終了することができました。
師走のご多忙時期にも関わらず、参加いただいた方々にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。

本日の講習のなかで、消費税の端数処理についてご説明しましたが、十分な時間がとれなかったため、理解するのが難しかったかもしれません。
手前味噌で恐縮ですが、拙書「ビジネスプロセスと会計の接点」(中央経済社)のp56-76において、現在、適用対象になっている消費税の根拠条文を記載するとともに、現在適用されている経過措置の概要について説明しておりますので、ご利用いただければ幸いです。

また、本日のセミナー内容について疑問点等ございましたら、当ブログまたはメールにてご質問いただければ回答しますのでご利用ください。

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2006年12月18日 (月)

改正減価償却制度の計算例

先日、平成19年度の与党税制大綱が公表されました。今回の改正の中心テーマは、減価償却制度の見直しになります。
12月14日のブログで、内容についてご説明しましたが、実際にどのような計算になるのかイメージがわかない方が多かったと思います。

下記の経済産業省のページに、計算例も含めた詳細な資料があります。

http://www.meti.go.jp/press/20061214004/zeiseikaisei-set.pdf

(ただし、改めて見直してみても、システム的に厄介なことには変わりはありませんが。)

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2006年12月15日 (金)

与党税制大綱公表 Part2

先日、平成19年度の与党税制大綱が公表されましたが、

http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2006/pdf/seisaku-030a.pdf
このあたりの論点も、システム化の対象になりそうです。

五 円滑・適正な納税のための環境整備 (p30)
2 税務手続の電子化促進措置
(3)源泉徴収菅家書類の電子提出
給与等、退職手当等又は公的年金等(以下「給与等」という。)の支払を受ける者は、税務署長の承認を受けた給与等の支払をするものに対し、次に掲げる源泉徴収関係書類について、書面による提出に代えて電磁的方法による提出を行うことができることとする。この場合において、当該給与等の支払を受ける者は、源泉徴収関係書類を提出したものとみなす。
① 給与所得者の扶養控除等申告書
② 従たる給与についての扶養控除等申告書
③ 給与所得者の配偶者特別控除申告書
④ 給与所得者の保険料控除申告書
⑤ 退職所得の受給に関する申告書
⑥ 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
(注)上記の改正は、税務署長の承認を受けた給与等の支払をする者に対し、平成19年7月1日以後に提出する源泉徴収関係書類について適用する。

これが、実現できると企業の年末調整業務は、一気に合理化できそうですね。
後は、税務署の承認条件がどのようなものになるかがポイントです(実際は、結構ハードルが高いかもしれません)。

また、この場合、④保険料控除申告書に添付する保険料控除の証明書は、会社が集めないといけないのでしょうか。
来年から所得税の電子申告を行う場合は、当該証明書の添付は省略できることになるようですが、このケースにも添付省略を認められなければ、結局、紙のやりとりが残ってしまうため合理化の効果は限定されます。

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2006年12月14日 (木)

与党税制大綱公表

本日、平成19年度の与党税制大綱が公表されました。

http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2006/pdf/seisaku-030a.pdf

税務的には様々な論点がありますが、システム開発との関連という視点でみてみると、やはり減価償却制度の改正が気になります。大綱から関連箇所を引用しておきます。

<減価償却制度>
1 残存価額の廃止
平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産について、残存価額を廃止する。
この場合の定率法の償却率は、定額法の償却率(1/耐用年数)を2.5倍した数とする。

この、250%定率法と呼ばれる定額法の償却率の一定倍を定率法の償却率にする方法は、米国の税法でも採用されているものです。とりあえず、この値に償却率テーブルを修正する必要があります。

2償却可能限度額の廃止
  償却可能限度額を廃止する。
(1)平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については、耐用年数経過時点に1円(備忘価額)まで償却できることとする。
定率法を採用している場合には、定率法により計算した減価償却費が一定の金額を下回るときに、償却方法を定率法から定額法に切り替えて減価償却費を計算することとする。これにより、定率法を採用している場合にも、耐用年数経過時点に1円(備忘価額)まで償却できることとする。
この一定の金額とは、耐用年数から経過年数を控除した期間内に、そのときの帳簿価額を均等償却すると仮定して計算した金額とするが、納税者の事務負担を考慮し、取得価額に一定の割合を乗じて計算できるように、モデルケース(初年度は期首に取得し、その後に減価償却費の過不足額がないケース)を用いて、耐用年数ごとに一定の割合を定めておくこととする。

確かに、定率法は、耐用年数の後半で一気に償却費が減少するので、何がしかの手当てが必要だと思いますが、このロジックを組み込むのは厄介ですね。

(2)平成19年3月31日以前に取得をした減価償却資産については、償却可能限度額(取得価額の95%)まで償却した事業年度等の翌事業年度以後5年間で均等償却ができることとする。

結局、既存設備の償却残は5年間の均等償却になりました。税収へのインパクトを考えると致し方ないでしょうか。しかし、システム的には、取得日によって異なる償却ロジックを持たさざるを得なくなりました。

3 法定耐用年数の見直し
次の3設備について、法廷耐用年数を短縮する。
(1) フラットパネルディスプレイ製造設備 5年(現行10年)
(2) フラットパネル用フィルム材料製造設備 5年(現行10年)
(3) 半導体フォトレジスト製造設備 5年(現行8年)
     (中略)

まあ、これは耐用年数を短縮すればよろしいでしょうか。しかし、改めて見直してみると、こんな新鋭設備が10年持つわけないですよねえ、5年でも長いのでは。

4 固定資産税の償却資産については、資産課税としての性格を踏まえ、現行の評価方法を維持する。

償却資産税については、従来どおりということで。

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2006年12月12日 (火)

財務会計丸分かり 実践編第3回 質問事項

日経SYSTEMS誌(日経BP社)に連載している、「財務会計丸分かり」実践編 第3回 「会計帳簿の仕組」(2006年12月号掲載)への質問事項についてご回答します。

連載を続けてきてわかったことは、読者からの反応は、内容の難しさに比例しているということです。やはり、わからないところが気になる方々が多いということでしょうか。
一方、見方を変えれば、私の表現が未熟ということでもありますので、この場を利用してできるだけ補足していきたいと思います。

今回の会計帳簿は、なじみが薄い領域ですので、理解しづらかった方々が多かったようです。多くのご質問は、「そもそも、会計帳簿とはこういうものではないだろう」といった主旨のものです。
いわゆる「簿記」によって段階的に転記を行っていく帳簿組織の感覚と、今回の説明方法にギャップを感じられたようです。ご質問のとおり、本来の帳簿組織とは「簿記の世界」における概念であることは間違いありません。
今回の連載は、読者対象であるSEの方々の理解を助けるためのものですから、今回の説明に違和感をもたれた方々については、従来からの考え方を変更していただく必要はございません。

また、本文中のSQL文では、記載したような帳票はできないという指摘を多く(特に身近な方々より)いただきました。これも、ご指摘のとおりでございます。本文中のSQL文は貸借の区分を考慮していないため、貸借が合計されてしまいます。
図中の注釈に付した「借方・貸方を考慮した上で金額を合計すると」という一文でご容赦ください。貸借区分を考慮したSQL文を記載すると、今度はSQL文の意味がわからなくなってしまうため、敢えて省略した記載にした次第です。

その他にも、ご疑問等ございましたら、お気軽にご質問ください。
また、申し遅れましたが、当ブログに氏名、その他、ご質問者の素性に関わる情報を記載することはありません。また、質問内容自体の記載も望まれない場合にはその旨を記載して、メールをご利用いただければお約束は遵守いたします。

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2006年12月11日 (月)

これならわかる日本版SOX法と内部統制 第11回 補足

本日、日経BizPlusに連載している「これならわかる日本版SOX法と内部統制」の第11回分が掲載されましたので、簡単に補足しておきます。
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/zaimu/rensai/iwatani.cfm

今回のテーマは、「内部統制の評価範囲をどのう決めるか」です。先日、実施基準の公開草案が公表されましたので、公開草案で例示されている範囲の決定方法にしたがって説明しています。
現在、既にSOX法に対応されている会社では、米国でのアプローチに準じて勘定科目ごとのカバー率によって評価範囲を決定している場合が多いと思います。したがって、公開草案によって例示されている方法とは、対象範囲が異なってしまいますが、通常、公開草案によるアプローチの方が範囲が狭くなるので、公開草案のまま最終決定されても、実務上の対応は可能でしょうか。
ただし、公開草案の手順で単純に売上高を基準に重要な事業拠点を選択すると、手数料収入を主要売上としている事業(商社や不動産流通等の仲介業務)の重要性が、通常の販売業務に比して過小に評価されてしまう恐れがあるので、注意が必要です。

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2006年12月 7日 (木)

償却可能限度額の認知度

先日のブログを書きながら思ったのですが、現在の税法上の有形固定資産の償却可能限度額が95%ということを知っている人はどのくらいらっしゃるのでしょうか。

そもそも、減価償却がわからなければならないし、会計の本で減価償却を勉強しても、通常は残存価額(10%)の話しかでてきませんから、ここまで理解している方は限られていると思います。となると、減税策とはいうものの、それが新たな投資活動に結びつくのか疑問ではあります。

一方、「我が社における影響額はどれだけあるのか。」などと上司に聞かれたならば、別途プログラムを作らない限り、現状の資産管理システムから影響額を把握するのは難しいと思いますので、先回りして作っておいた方がよいのでしょうか。

(ちなみに、償却可能限度額の詳細については、拙書「ビジネスプロセスと会計の接点 増補改訂版」の164ページをご参照ください)

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2006年12月 4日 (月)

政府税調案と与党税調案の比較

12月2日付けの日経新聞によれば、自民税調の本年度税制改正案の内容が固まってきたようです。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20061202AT3S0102401122006.html

来年度の税制改正は固定資産の全額損金算入が論点になっていますが、システムへの影響という視点から、この自民税調案と12月1日に出た政府税調案を比較してみます。

政府税調案の、答申要旨から関連箇所を引用すると
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/top.htm

「償却可能限度額は撤廃すべき。(略)新規取得資産について法廷耐用年数内に取得価額全額を償却できるように制度を見直し、残存価額(10%)を廃止する。償却率についても国際的に遜色のない水準に設定すべき。法廷耐用年数・設備区分については、使用実態を十分把握した上で簡素化などの見直しをする必要がある。」

これだけですと、既存設備の扱いがはっきりしませんが、11月26日の日経新聞の記事等も参考にすると、既存設備についても、償却可能限度額を一気に外す考えのようです。

一方、自民税調案の関連箇所を12月2日の日経新聞から引用すると
「ほぼすべての投資資産を全額損金の対象とする。累計で95%の損金計上がすでに終わっている既存設備については、5年間の経過措置を設け、その間に残りの5%分を損金にすることを認める。新規投資分については税法上の償却期間で投資額の全額が損金にできるようにする」
このような記載になっており既存設備分については、5年間の経過期間中に分割して損金算入させるようです。

両案とも共通しているのは、新規分については全額損金算入可能にする点です。これによって、減価償却システムの償却率テーブル(耐用年数省令 別表9)の見直しは確定です。

既存設備分の扱いが、各税調によって異なるようですが、自民税調の案が通ってしまうと、結構厄介なロジックを追加しなければなりませんので、システム開発に携わるものとしては、政府税調案で進めてほしいものです。

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