著作関連のお知らせ

2017年3月13日 (月)

消費税率の再々延期はあるのか? 新刊「消費税軽減税率導入とシステム対応」の御紹介

飲食料品を中心に消費税の軽減税率が平成31年10月1日から開始されます。

民主党政権化における「社会保障と税の一体改革法」に盛り込まれた消費税率10%への改正は、当初、平成27年10月からの実施が予定されていましたが、その後の安倍政権化において実施時期が2度延期され、最終的には平成31年10月からの実施となりました。

与党内において喧々囂々の議論がかわされた軽減税率制度も、昨年の通常国会における改正消費税法に盛り込まれ税率改正と同時に導入されます。

昨年末に新聞紙上を賑わせていた軽減税率の話題も、最近では目にすることが減りましたが、軽減税率導入まで残された期間は1年半となりました。

そこで、そろそろ税率改正対応を始めなければとお考えの経理部門及びIT部門の方々向けの新刊を、本日、中央経済社から刊行します。

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消費税軽減税率導入とシステム対応

(自分でご案内する前に武田雄治先生に紹介されてしまい、お恥ずかしい限りです)

本書は、単に軽減税率の解説をするだけではなく消費税法改正の歴史から紐解くことで、ITシステムへの修正経緯を理解できるように編集しています。

また、軽減税率導入に合わせて既存システムの見直しを検討されるケースも多いため、近年のトピックであるリバースチャージ電子帳簿保存法の改正(スマホ保存)についての章も設けて解説しています。

お近くの書店でご覧になられた際には、一度、お手にとっていただければ幸いです。
(明日になれば、書店の棚を占領していた確定申告の書籍も一掃されますので)

「既に2度延期されているんだから、3度目の延期もあるんじゃない?」

そう思われている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、当書籍、消費税法が改正された昨年4月時点でゲラまでできあがっていましたが、直後の再延期表明によってお蔵入りし、1年を経て、やっと日の目を見た原稿であります。
さらに延期となるならば、作者である私の精神の方が持ちません

したがいまして、様子をみるなどと言わずに、この機会にご購入いただくことを切にお願いする次第です。

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2017年2月28日 (火)

「マンガでやさしくわかるアサーション」のご紹介と9刷の御礼

拙書 「マンガでやさしくわかる決算書」 が、2015年1月の刊行から丁度2年で9度目の増刷となりました。

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この場をお借りして、読者ならびに日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の皆様にあらためて御礼申し上げます。

ビジネス書籍の不調が伝えられますが、ビジネスコミックのジャンルは年々成長を続けています。
類書が増えつづけるなか、本書が売上を継続できているのもJMAMさんの「マンガでやさしくわかる」シリーズが、市場で一定の評価を得ているおかげです。

そこで、今回は、JMAMさんの 「マンガでやさしくわかる」 シリーズに、どのような書籍があるかご紹介しておきましょう。

以前、JMAMの編集者に、同シリーズは基本的に他社と競合しない領域を狙って刊行しているというお話を伺いました(私の「決算書」というのは例外的なケースのようです)。

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ビジネス心理学系が好調なようで、山崎啓支氏の 「マンガでやさしくわかるNLP」 や岩井俊憲氏の 「マンガでやさしくわかるアドラー心理学」 などがヒット作になっています。

その中で、当ブログを読まれているIT、会計クラスタの皆さんにご紹介したいのが下記の一冊です。

「マンガでやさしくわかるアサーション」

「内部統制までマンガになってるの?」

「やっぱり、網羅性の確認が一番、難しいよね」

と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、この「アサーション」はJ-SOXの内部統制監査や会計監査で用いられている「アサーション(監査要点)」ではなく、コミュニケーションスキルの名称です。

かく言う私も、このマンガを見るまで「アサーション」という単語が監査以外の領域で使用されていることを知りませんでした。
(世の中全体としては監査用語としてアサーションよりも、HR用語としてのアサーションの方が一般的なのでしょう)

さらに、先月には古島昇氏の 「マンガでやさしくわかる傾聴」 も刊行されています。

ビジネスコミック領域の細分化が、このペースで進んでいけば「マンガでやさしくわかる減価償却」や「マンガでやさしくわかる税効果会計」 。
さらには「マンガでやさしくわかる税率差異注記」の刊行が実現する日も近いでしょう!!

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2016年12月20日 (火)

「会計の基本」11刷りの御礼

このたび、拙書 『この一冊ですべてわかる 会計の基本』が、刊行から6年で11刷りの増刷となりました。

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これも、一重に読者並びに営業部門を中心とした日本実業出版の皆様のご協力のおかげです。この場をお借りしてあらためて御礼申し上げます。

本書は会計の基本書でありますが、増刷のたびに最新の会計制度にあわせて改訂を行っています。

先日、11月28日に改正消費税法(正式名称は「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律(名称中強調部分は筆者補筆) が交付されていますので「消費税」の章で、

「なお、消費税率は2019年10月から10%に引き上げられます。」

の一文を追加しておきましたが、大丈夫なのでしょうか?
さすがに今回は予定通りの改正を願っております。

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2016年10月19日 (水)

「12歳でもわかる! 決算書の読み方」7度目の重版と6年の風雪

拙書 「12歳でもわかる! 決算書の読み方」 が7度目の増刷となりました。

この場をお借りして、読者ならびにフォレスト出版の皆様にあらためて御礼申し上げます。

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2010年の刊行から既に6年を経ており、前回2013年5月の増刷から3年半も経っていますので連絡をいただいた作者本人も驚いています。

本書は、発売当初Amazonランキングで総合1位を獲得しました。

当時、ネットでは個人ブログの影響力が大きく、小飼弾氏「404 blog not found」 磯崎哲也氏 「Isologues」 、藤沢数希氏 「金融日記」 等のブログで紹介いただいたのがブレイクのきっかけになりました。

当時の著名ブロガーの方々も、現在はメルマガを中心に活動されており、この6年間でネット上のインパクトは、個人ブログからSNSを経て「はてぶ」などのまとめサイトへと次々と移っています。
その中で、書店の片隅で風雪に堪えながら(?)6年の月日を乗り越えてきたと思うと感慨深いものがあります。

増刷のタイミングで書店で目にされる機会も増えると思いますので、紙文化の存続を助けるためにも、ご一読いただければ幸いです。

(ちなみに、この6年間で書店の数は15,314店から13,488店と11%も減少しています。2000年の21,495店からは37%(!)減)
(参考 http://www.1book.co.jp/001166.html

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2016年10月 3日 (月)

会計人コース『会計人のターニングポイント』を執筆しました

本日、10月3日に発売される 『会計人コース』 11月号(中央経済社)の巻頭企画 『会計人のターニングポイント』 を執筆いたしました。

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「会計人コース」は税理士、会計士試験受験生を対象とした書店売りの月刊誌で、このページは税理士、公認会計士をはじめとする会計人が、今までの業務を振り返り自らのターニングポイントを語るというものです(会計人版「私の履歴書」とも言えましょう)。

日経新聞の「私の履歴書」は毎月の作者によって書き振りが異なり、読みながら
「もっと、暴露しないとつまらないだろ!」
と、よく文句をつけていたのですが、いざ自分が手記を書くとなると、なかなか大胆は話は書けないものです。
(しかし、半年ほど前に執筆していた将棋の中原誠名人が、林葉直子氏との事件について言及しないのはイライラさせられました)、

先月の9月号では同じ企画を税理士の山本守之先生が執筆されていたのですが、その中に次のような記述がありました。

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「上智大学名誉教授の渡部昇一氏は、その著書『歴史の鉄則』(PHP研究所)のなかで、「税理士くらい後ろ向きの商売はない。税理士を雇う目的は、突き詰めれば、いかに税金を逃れながら、税務署に文句を言われずにすませるか」ということだとし、「税理士になりたい人は国税庁に入って定年後になるのがいい。これ以外では、結局大した仕事ができない」と言い切っている。
ちなみに、渡部氏は消費税の導入を決めたときの政府税調の特別委員である。
おそらく、渡部氏は「税理士は税務調査で事務職員に顔をきかせる職業と考えているのであろう。世の中を甘く見過ぎている。」
(「会計人コース」中央経済社、2016年9月号)

山本先生もよほど腹に据えかねていたのでしょうが、私のような小心者には、こんな肝の据わった話はとても書けません。

しかしながら、自らの業務を振り返ってみると奇奇怪怪な出来事も多々ありまして、今回の執筆を通して、あらためて運と縁のありがたさを実感した次第です。

また、今月号には
「電卓 あなたはどっち派? カシオVSシャープ」
という記事があり、編集部が両社の担当者にインタビューするという企画が載っています。私個人としてはカシオ派であり、その理由についても過去のエントリーで説明しておりますが、開発担当者の方々のお話はさらに細部に至り興味深い内容になっており、電卓マニア(?)の方々にはたまらない記事になっています。

私の会計人生活もまだまだ先は長く、今後も多くのターニングポイント(特にダウンサイドの)が待ち受けていると思われますので、読者の皆様のより一層のご声援をお願いいたします。

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2016年7月21日 (木)

「マンガでやさしくわかる決算書」8度目の重版出来

日本能率協会マネジメントセンターから昨年1月に刊行した 「マンガでやさしくわかる決算書」 が、発売から1年半で8度目の増刷となりました。

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この場をお借りして、読者ならびに日本能率協会マネジメントセンターの皆様にあらためて御礼申し上げます。

テレビドラマ化された 「重版出来!」 で、高田純次演じる興都館の社長のひとことを胸に刻んで、今後も精進を続ける所存であります(しかし、これが難しい)。

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「目標は常に 重版出来です」

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2016年5月23日 (月)

旬刊経理情報に『消費税「軽減税率」導入への対応ポイント』を寄稿しました

『旬刊 経理情報』 の最新号(2015年6月1日号)に、『消費税「軽減税率」導入への対応ポイント』を寄稿しました。

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今国会で成立した改正消費税法により、平成29年4月1日から消費税率を10%に改正するとともに、軽減税率の導入が予定されています。

この改正に伴い「消費税の軽減税率制度に関する取扱通達」 、「消費税の軽減税率制度に関するQ&A (制度概要編) (個別事例編) 」が公表されましたので、これら通達とQ&Aの概要と、軽減税率導入によるシステム対応上の留意点についてまとめました。

その一方で、伊勢志摩サミット終了後の来週、消費税増税は延期される可能性が高いため、この記事の寿命(?)は1週間しかないかもしれません。
編集者から執筆依頼のあった時点で、既に増税延期は噂されていたため、延期の可能性も考慮しながら執筆するのに難儀しました。

記事の寿命が1週間とわかっていても、だれかが通達とQ&Aを解説しなければならないのです。
この桜の花にも似た潔よさ(?)をご理解いただければ幸いです。

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P.S 上記の目次にあるように、今号のもうひとつの特別企画として、太陽グラントソントン税理士法人の泉綾佳氏が「中国の値増税移行に伴う実務対応」を寄稿しています。このあたりの論点を手軽な分量でまとめていただけると実務家としては大変、助かります。
近年、中堅企業においても中国企業との取引は一般的なものになっていますので、こちらの記事もおすすめです。

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2016年5月 2日 (月)

新刊発売1カ月後の販売状況と増刷の御礼

3月末に刊行した新刊 『矢印を目でなぞるだけ! 一瞬でわかる決算書の読み方』 の発売開始から1ヶ月が経ちました。
発売1ヶ月間の販売状況を紀伊国屋全店のジャンル別ベストセラーで見てみますと、「経営」ジャンルの第10位につけています。

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順調な滑り出しでありますが、本書は「雑誌」扱いのため発売当初の露出は「書籍」よりもかなり有利です。その後、一気に露出が下がるためスタート時点でどれだけ売れるかが勝負になります。

ちなみに、「経営」ジャンルの売上ベスト1が中室牧子氏の大ヒット作 『「学力」の経済学』なのですが、これって「経営」ジャンルじゃなくて「経済」ジャンルじゃないんですか?
(これがなければ1桁台だったのに! しかし、この時期の会計監査小六法よりも売れていたのは誇るべきことかもしれません)

また、 「マンガでやさしくわかる決算書」 が、昨年1月の刊行から1年半で7刷となりました。

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読者の皆様には、この場をお借りして、あらためて御礼申し上げます。
この好調な売上状況を見ていると、今後もビジネス書のコミック化は益々加速するのでしょう。

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2016年3月23日 (水)

どうして「一瞬」で決算書が読めるのかを作者自身が説明します 

本日3月23日に私の新刊 『一瞬でわかる決算書の読み方』 が発売されます。

この作品は出版20冊目の記念作でもありますが、さらに発売前の先週末時点で増刷が決定しました!
読者の皆様(今回の場合は発注していただいた書店の皆様)にあらためて御礼申し上げます。

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私は、以前に 「12歳でもわかる!決算書の読み方」  
その後 「2時間で丸わかり 会計の基本を学ぶ」  
という書籍を出版しておりますので、

おいおい「12歳」とか「2時間」の次は「一瞬」かよ!

と鼻白む読者(および友人)の顔が思い浮かびます。
さらに、景品表示法 第4条の(不当な表示の禁止)への抵触を懸念される方もいらっしゃるでしょう。

そこで、本日は、なぜこの書籍は「一瞬」で決算書が読めてしまうのか、少々お時間をいただいて説明させていただきます。

【理由 その1】 判型が違う!

今回の作品は正確には「書籍」ではなくMOOKと呼ばれる「雑誌」の一種です。さらにMOOKの判型として主流のB5よりも大きいA4判で作られています。
この判型だから、B/S、P/L、C/Fの財務3表の図表を1枚のページで解説できるのです。
本書の後半では各業界のライバル2社の決算書を比較しているのですが、2社分の財務3表、つまり6枚の図表でも1ページに収められます。
これは、通常の単行本のA5判やB6判では実現できなかった手法です。

つまり、1ページで財務3表をまとめて比較できるから、一瞬で決算書が読めるのです!

【理由 その2】 決算書を図表化する優位性

今回、宝島社さんから執筆依頼をいただいた際に、私はてっきり「別冊 宝島」シリーズで、
「決算書で読み解くプロレス団体の隆盛」とか
「山口組分裂から学ぶ組織再編手法」
といった書籍企画かと興奮していたのですが、当然、そんなもののワケがなくビジネスマン向けの真面目なムックの執筆依頼でありました。

初めての打ち合わせで見せていただいた既刊誌の判型をみたときに、
「この大きさならば財務3表の図表を1ページに収められるなあ」
と気付いたのですが、そこに、大きな問題がありました。

今までの書籍でB/SとC/Fを図表化する手法は考案していたのですが、P/Lだけは図表化していなかったのです。

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そこで、宝島の編集者の方に
「この週末にP/Lを図表化する手法を見つけられたら執筆します」
とお答えし、週末にあーだ、こーだ考えていたところ、窮鼠猫を噛むのたとえどおり、P/Lを図表化する方法が見つかりました!

その名も「P/L時計分析法」!

この時計分析法は本邦初公開の最新のメソドロジーであります!

ということで、執筆依頼をお受けして、無事に原稿もできあがったのですが初校を読んだ編集者から

「B/SとP/Lには分析法の名称があるのに、どうして、キャッシュフロー計算書には名前がないんですか?」  というツッコミが・・・・

そうなんです、キャッシュフロー計算書の図表化は、一般的なウォーターフォール(滝)チャートで済んでしまうため、特に名称を付けていませんでした。
そこで、再度、窮鼠猫を噛む状態で考えた結果、単なる図表化を新たな方法論へ昇華させました!
それが「C/F三段跳分析法」です!

遂に、財務3表に対するメソドロジーがそろったのです。
  「B/S似顔絵分析法」
  「P/L時計分析法」
  「C/F三段跳分析法」

つまり、B/S、P/L、C/Fを図表化するから一瞬で決算書が読めるのです!

【理由 その3】 部分ではなく全体を把握できる 

前作、「12歳でもわかる」も単にインパクトだけでタイトルをつけたわけではなく、その裏付けとして貸借対照表を似顔絵に置き換えるB/S似顔絵分析法という方法論があってのことです。

今までB/S似顔絵分析法について自虐的に「バカバカしい手法」と表現することがありました。しかし、今回の作品の製作過程で気付いたことは、この似顔絵分析法は幼稚な手法に見えますが、ハードカバーの財務分析の専門書で紹介されている個々の財務指標を読み解く手法よりも圧倒的に優れている という点です。

B/Sの静態的分析においては、流動資産、固定資産、流動負債、固定負債、純資産の相対的な関係を把握することが肝要であり、それを 2数間の関係しか表わせない財務指標で理解するのは無理なのです。

具体的な事例を挙げてみましょう。
・有名な財務指標に流動比率があります、これは短期的な支払い義務(流動負債)と支払原資(流動資産)の関係を表わすもので、100%以上が望ましく、数値が大きいほど安全性は高まります。
ちなみに、小宮一慶氏は、ベストセラーの『「1秒!」で財務諸表を読む方法』のなかで、「1秒」で財務諸表を判断するならば、まず流動比率をみるべきとおっしゃっています。

流動比率=流動資産÷流動負債

一方、固定長期適合率という財務指標があります。これは、固定資産分の資金を長期的債務である固定負債と自己資本でまかなえているか否かを判断する指標で100%以下が望ましく、数値が小さいほど理想的です。

固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本)

簡単な事例を見てみます。
次のA社とB社は、どちらの方が安全性が高いでしょうか?

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流動比率は数値が大きいほど安全なので流動比率でみればA社が優れています。
固定長期適合率は数値が小さいほど安全なので固定長期適合率でもA社が優れています。
両指標ともA社が勝っているのですから、A社の安全性が高いのでしょうか。

次に両者のB/S似顔絵を作ってみましょう。

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この似顔絵を見ればわかるように、自己資本の占める割合の大きさ、負債の少なさといった視点から総合的にはB社の方が安全性が高いことがわかります。

また、数字に強い人ならば、流動比率が100%以上(望ましい状態)ならば、固定長期適合率も必ず100%以下(望ましい状態)になることは中学校の数学で証明できますし、感覚的に両数値が補完的な関係にあることを見抜けたかもしれません。

しかし、この似顔絵を見れば、流動比率も長期固定適合率も左目と右眉の関係を表わしているに過ぎず、顔の上側の割合を流動比率、顔の下側の割合を長期固定適合率と呼んでいることが誰でも理解できます。

このように、B/Sの安全性分析に用いる指標は互いに関連性があるのですが、似顔絵分析法を使えば、全体的な関係が一目でわかるのです。

もしも、小宮一慶氏がおっしゃるように「1秒」で流動比率が計算できるのなら、左目と右眉の位置関係をつかむのは、まさに「一瞬」で可能なはずです。

つまり、部分ではなく全体をイメージできるから、一瞬で決算書が読めるのです!

【理由 その4】 決算書を読む手順が組み込まれている 

私が、ここで 「方法論(メソドロジー)」 という単語を使っている理由は、本書における分析法は作図過程で決算書を読む手順も示している点で、単なる図表化と異なるためです。

決算書の読み方には順序があります。各分析法は図表化にあわせて、その順序が自然にわかるように設計されています。

B/S似顔絵分析ならば、 右目⇒左目⇒右眉⇒左眉
P/L時計分析では  短針⇒長針⇒秒針
C/F三段跳分析では HOP⇒STEP⇒JUMP

この順序は 、抽象化の対象物である似顔絵や時計を日常的に利用するときの順序と合致させているため初心者でも忘れることがありません。

B/Sを百分比で表わす手法自体は、従来から様々な書籍で用いられています(私が認識している範囲では、山根節氏の「ビジネスアカウンティング」が初出かと思います)。
しかし、B/S似顔絵分析法では、作図過程においてB/Sを読む順序が組み込まれているため、主要な論点を見落とすことがありません
「ここを見ろ」「ここが重要」といった論点を列挙する手法とは次元の異なるアプローチであることを理解いただければと思います。

(書いてから気付きましたが、最後の理由は、「わかりやすさ」の理由にはなっても、「一瞬」で読める理由にはなっていませんでした。)

かなり長い前口上(ポジション・トーク)になってしまいましたが、発売初日ということでご容赦ください。
後は、皆さんに書店で実物を確認していただくだけです!

【ご注意】
今回の書籍は雑誌扱いのため書籍の会計コーナーには置いてありません。
ビジネス関係の雑誌コーナーをお探しください。

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2016年3月 3日 (木)

「会計の基本」10刷りの御礼と書評「JTのM&A」

昨日のブログでは、芳林堂の自主廃業、ジュンク堂 千日前店の閉店と出版業界の景気の悪い話を紹介してしまいましたが、今日は景気のいい話です。

このたび、拙書 『この一冊ですべてわかる 会計の基本』 が、刊行から5年半で10刷り となりました!

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これも、一重に読者並びに営業部門を中心とした日本実業出版の皆様のご協力のおかげです。この場をお借りして御礼申し上げます。

本書は会計の基本書でありますが、増刷のたびに最新の会計制度にあわせて改訂を行っています。
「この一冊ですべてわかる」という副題の通り財務会計から税務まで広範囲を対象としているため改訂にも手間がかかるのですが、その中で最も面倒なのが章末ごとに記載したブックガイドの見直しです。

刊行当時に掲載した推薦図書から、この5年間で半分以上の書籍が入れ替えられています。これは、掲載から外した書籍の質の問題ではなく入手困難になる書籍が多いためです。
近年の出版環境では書籍の寿命は年々短くなっており、そもそも、出版社自体が倒産してしまうケースも増えています。その結果、代わりの書籍を探してこなければならないのです。

一方、新刊でお薦めの書籍についても順次追加しており、今回の改訂時に追加したのが新貝康司氏の 『JTのM&A』 です。
ということで、ここからは簡単ですが『JTのM&A』をご紹介していきましょう。

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本書は、JT代表取締役副社長の新貝康司氏が、RJRインターナショナル、ギャラハーといった海外たばこ事業買収の経験をまとめたものです。
題名は「M&A」になっていますが、本書で一番、参考になるのはJTにおける「ガバナンス」の考え方です。

実務において、「ガバナンス」のレベルをどう設定するかは、大変、難しい問題です。
上場企業の場合、「ガバナンス」の最低レベルが内部統制監査をクリアするところにあるのは明解ですが、そこを超えて「ガバナンス」の上限を語りだすと突然、神学的な理想論まで飛躍しがちです。
本書におけるJTのガバナンスの考え方は、そのような極論に対して現実的なレベルを示す基準となるでしょう。

企業買収の一連の流れを学ぶためにも有益ですし、日々、内部統制業務に携わっている方々にとっては仕事のモチベーションを上げる一冊としてもお薦めです。
拙書では「第12章 組織再編」の推薦図書に加えましたが、むしろ「第5章 内部統制」の方が適切だったかもしれません。

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