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2019年10月

2019年10月31日 (木)

「収益認識に関する会計基準」改正案の公表 

昨日、10月30日付で企業会計基準委員会から企業会計基準第29号『収益認識に関する会計基準』の改正案が公表されました。

https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2019/2019-1030-1.html

2018年3月30日に公表された企業会計基準第29号『収益認識に関する会計基準』では、表示及び注記事項についての詳細は定められておらず適用開始時までの検討課題とされていました。
そこで、今回公表された公開草案では、収益の表示方法及び注記事項についての詳細が追加されています。

注記事項は、基本的にIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」において求められている項目とし、重要性が乏しい場合には注記を省略できる旨を規定することで業務負荷の軽減が図られています。

公開草案へのコメント募集期日は2020年1月10日です。

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消費税率改正後の月次決算における留意点 -本当のヤマはこれからだ!

2019年10月1日から消費税率が10%に改正されるとともに新しい軽減税率制度が導入されました。
消費者向けの小売業では税率改正時の10月1日がひとつのヤマでしたが、一般の事業会社においては税率改正から最初の月次決算をむかえるこれからが勝負所です。

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そこで、2019年10月度の月次決算における留意点ついて簡単にまとめておきます。

・旧税率と新税率の分類
事業者間取引においては一定の締日ごとの請求が多いため、税率改正直後の請求時には旧税率と新税率が混在します。両者が適切に区分されているか確認しましょう。
特に不動産関連取引の場合、賃料(翌月分)、管理費や光熱費(当月、前月分)など同一の請求書に計算期間が異なる項目が含まれます。さらに、資産の貸付にかかる経過措置の適用対象か否かも契約ごとに判断する必要があります。

・値引・返品の扱い
値引及び返品は、税率改正時の経過措置によって2019年10月1日より前に行った売上によるものについては旧税率(8%)が適用されます。
ただし、業態によって販売時期を特定できないケースもあるため、合理的な方法(10月中の返品は9月までの販売分とみなす等)を継続的に適用することも許容されています。

・販売奨励金の処理
軽減税率の対象となる飲食料品の販売にともなう販売奨励金やリベートは、対価の返還等に該当し軽減税率が適用されます。ただし、その内容が役務の提供への対価である場合には標準税率(10%)が適用されます。
販売奨励金やリベートには様々な性質のものが混在しますので、どの税率を適用するのか取引先と調整しておきましょう(軽減税率QA(個別事例編)Q42参照)

・旅費交通費の精算
旅客運賃については、10月1日より前の購入分については旧税率(8%)が適用される経過措置があるため、10月分の精算分には複数の税率のものが混在する可能性があります。旅費交通費の精算書は、経理部門以外の一般部門の方々が作成するため、間違いやすい論点については事前に社内にアナウンスしておきましょう。

・データ取込の見直し
近年のクラウド系会計ソフト(freeeやMFクラウド等)では、取り込んだ預金の入出金データをもとに仕訳を自動生成します。10月1日以降、1つの入出金の中に複数の税率の取引が混在する場合には、自動仕訳のロジックを見直さなければいけません。

経理部門やシステム部門の皆さんは、これまでも十分な準備を行ってこられたと思いますが、実際に月次処理を行うと想定外のケースが生じるはずです。
まずは、10月の月次処理で問題点を洗い出し、11月以降の処理に持ち越さないようにしましょう。

 

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2019年10月 7日 (月)

『勘定科目統一の実務』の書評を寄稿しました

『旬刊 経理情報』2019年10月10日号の書評欄に、KPMG あずさ監査法人アカウンティングアドバイザリーサービスが執筆した「勘定科目統一の実務」の書評を寄稿しました。

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文章の中身とはまったく関係ない話ですが、最初に渡した原稿がレイアウトピッタリの文量でして、編集者からの修正も1か所(「様々」を「さまざま」に開く)のみで脱稿したのは、我ながらプロの仕事と感心しました。

経理関係の専門書ではありますが、お手許にございましたら御一読いただければ幸いです。

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2019年10月 1日 (火)

消費税軽減税率導入 コンビニ各社のレシートから学ぶキャッシュレス還元分の経理処理

本日、2019年10月1日から消費税率が10%に改正されました。
あわせて軽減税率制度も導入され飲食料品と新聞については軽減税率8%が適用されます。
コンビニエンスストア各社がどのような対応をしているのか見ていきましょう。

最初はセブンイレブンです。
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セブンイレブンでは、単体の価格を税抜表示(先日のブログでも取り上げました)。軽減税率対象品との区別には「*」を印字しています。
また、キャッシュレス還元2%分について「即時充当」方式を採用し支払額から直接控除しています。
https://www.sej.co.jp/var/rev0/0002/2290/11996125654.pdf


続いてファミリーマートです。
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ファミリーマートでは、単体の価格を税込表示。軽減税率対象品との区別には「」を印字しています。
(ちなみに商品名の「黒白7本短冊付」は不祝儀袋ですので標準税率の10%が適用されています)
こちらもセブンイレブン同様、キャッシュレス還元2%分の4円は即時充当方式で代金から直接控除しています。
https://www.family.co.jp/services/other/info1910.html

最後にローソン。
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ローソンでは、単体の価格を税込表示。軽減税率対象品との区別には「」を印字しています。
このレシートだとわかりづらいのですが、ローソンも上記2社同様「即時充当」方式を採用しキャッシュレス還元2%分を支払代金から控除しています。
https://www.lawson.co.jp/service/others/taxes/

このように、大手コンビニはキャッシュレス還元のポイントを「即時充当」方式で支払額から直接控除しています。
では、このようなレシートにもとづいて、どのような経理処理をすればよいのでしょうか。

購入に伴って発生したポイントは、本来「雑収入」として認識するのが理論的ですが、実務上は出納額と合わせるために購入時の値引として処理ケースが一般的です。
標準税率(10%)と軽減税率(8%)のように税率の異なる商品を同時に購入した場合、この値引額をどのように処理するかが問題になります。

消費税法の軽減税率に関する個別通達15では、次のように定めています。
軽減税率 個別通達15
「(略)一括して対価の額の値引きが行われており、当該資産の譲渡等に係る適用税率ごとの値引額又は値引額控除後の対価の額が明らかでないときは、割引券等による値引額を当該資産の譲渡等に係る価額の比率により按分し、適用税率ごとの値引額及び値引額控除後の対価の額を区分することとなることに留意する」

値引額を値引前の価額の比率で按分することを求めています。

さらに、上記通達の後段に次のような記述があります。
「なお、当該資産の譲渡等に際して顧客へ交付する領収書等の書類により適用税率ごとの値引額又は値引額控除後の対価の額が確認できるときは、当該資産の譲渡等に係る値引額又は値引額控除後の対価の額が、適用税率ごとに合理的に区分されているものに該当する。」

つまり、レシート等の記載で税率ごとの値引額が確認できれば、必ずしも按分計算によらず、標準税率分から優先的に充当するといった方法でも合理的に区分されているものとみなされます。
ただし、コンビニ3社のレシートとも値引額を税率ごとに区分して表示していません。

したがいまして、当ブログ上で公にできる結論としては
「軽減税率 個別通達15にしたがって値引分は税率ごとに按分して処理する」
という記述になってしまうのですが、実務上は難しいのではないでしょうか。

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