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2018年11月

2018年11月 9日 (金)

消費税の軽減税率制度に関するQ&Aの改正

先日の経過措置のQ&Aに続き、国税庁から 「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」の改訂版も公表されました。

「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」(平成30年11月改訂)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/03-01.pdf

このQ&Aは平成28年4月の公表以降、数度の改訂を経て現在に至っています。
今回の改訂で追加されたのは次の問です。

問10  (ウォーターサーバーのレンタル及びウォーターサーバー用の水の販売)
問32 (飲食料品のお土産付きのパック旅行)
問33 (日当等の取り扱い)
問38 (委託販売手数料の取扱い)
問46 (スーパーマーケットの休憩スペース等での飲食)
問47 (飲食可能な場所を明示した場合の意思確認の方法)
問48 (イートインスペースで飲食される物の限定)
問49 (コーヒーチケットの取扱い)
問52 (回転寿司店でパック詰めした寿司を持ち帰る場合)
問90 (税抜対価の額と消費税額を記載する場合)
問95 (軽減税率の適用対象となる商品がない場合)
問99 (一括値引がある場合のレシートの記載)
問102 (価格表示の方法

Q&Aの内容については、既に新聞等でも取り上げられていますので、ご存知の方も多いと思います。
「回転ずしの持ち帰り」とか「コーヒーチケット」の扱いなど、笑い話のような項目も含まれていますが、当ブログでは、会計システムに影響を与える問にしぼってご紹介しましょう。

(税抜対価の額と消費税額を記載する場合)
問 90 区分記載請求書等保存方式において、記載事項である「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額(税込価格)」について、「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額(税抜価格)」に加えこれに係る消費税額等を記載することとしていますが、記載事項の要件を満たしますか。【平成 30 年 11 月追加】

区分記載請求書等保存方式においては、従来の請求書等に追加記載する事項を
「軽減対象資産の譲渡等である旨」
「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額(税込価格)」

と条文に規定しています(改正法附則 34②)。

この「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額(税込価格)」については、税込価格以外にも
・税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額(税抜価格
・ 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額(税抜価格)に係る消費税額等

の両方を記載する方法も許容されることが示されています。

(一括値引がある場合のレシートの記載)
問 99
当社は、小売業(スーパーマーケット)を営む事業者です。当社では、飲食料品と飲食料品以外のものを同時に販売した際に、合計金額(税込み)から 1,000 円の値引きができる割引券を発行しています。
平成 31 年(2019 年)10 月から、顧客が割引券を使用し、値引きを行った場合、当社が
発行するレシートには、どのような記載が必要となりますか。【平成 30 年 11 月改訂】

複数の税率を含む取引に一括して値引きを行った場合、値引後の「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額」を明らかにする必要があります。

この際に、
値引前の「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額」 と
・税率ごとの値引額

を記載する方法も許容されることが示されています。

20181109

あわせて、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」についても改訂版が公表されています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-01.pdf

今回の改訂では、次の問が追加されています。

問31(複数の委託者から委託を受けた場合の媒介者交付特例の適用)
問41(販売奨励金等の請求書)
問44(複数書類で適格請求書の記載事項を満たす場合の消費税額等の端数処理)
問45(一括値引がある場合の適格簡易請求書の記載)
問 47(軽減税率の適用対象となる商品がない場合) 問58 (仕入明細書に記載する課税仕入れに係る支払対価の額)
問59 (仕入明細書において対価の返還等について記載した場合)
問60 (適格請求書と仕入明細書を一の書類で交付する場合)

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20170313

消費税の軽減税率制度に関するQ&Aの改正

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2018年11月 5日 (月)

消費税率改正時の取引に関するQ&Aの公表

昨日、国税庁から 「平成 31 年(2019 年)10 月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」が公表されました。

『基本的な考え方編』
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/02.pdf

『具体的事例編』
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/03.pdf

このQ&Aは、消費税率改正前後の取引に関する消費税法上の扱いについてまとめたもので、前回、平成26年4月に行われた税率8%への改正時にも同様のQ&Aが公表されています。

ただし、今回のQ&Aは前回の改正時よりもボリュームアップし、基本編と事例編の2部構成になっています。
この中で注目されるのが、1年間の役務提供代金を前受する場合の扱いを示した「基本的な考え方編」の問6です。

(31年施行日を含む1年間の役務提供を行う場合)
問6 平成31年9月1日に、同日から1年間の役務提供を行う契約を締結するとともに、1年分の対価を受領しています。この場合、消費税法の適用関係はどのようになりますか。

【答え】
役務の提供に係る資産の譲渡等の時期は、物の引渡しを要するものにあってはその目的物の全部を完成して引き渡した日、物の引渡しを要しないものにあってはその約した役務の全部を完了した日とされています(基通9-1-5)。
照会の役務提供契約が、その契約期間を1年間として料金を年額で定めており、その役務提供が年ごとに完了するものである場合には、その資産の譲渡等の時期は役務の全部を完了する日である平成32年8月31日となり、31年施行日(平成31年10月1日)以後に行う課税資産の譲渡等となりますから、原則として新税率(10%)が適用されます。

ただし、1年分の対価を受領することとしており、中途解約時の未経過部分について返還の定めがない契約において、事業者が継続して1年分の対価を受領した時点の収益として計上している場合は、31年施行日の前日(平成31年9月30日)までに収益として計上したものについて旧税率(8%)を適用して差し支えありません。
(太字は筆者加筆)


前段で従来からの基本的な扱いを示していますが、ただし書き以降で「中途解約時の返金なし」で「継続して1年分の対価を受領時に収益計上」している場合には、旧税率の適用を許容する扱いが示されています。

もうひとつ、今回の税率改正で頭が混乱するのが「特定新聞に関する経過措置」でして、問45に以下のような問があります。

(特定新聞の税率等に関する経過措置の概要)
問45 特定新聞の税率等に関する経過措置の概要を教えてください。
【答】
事業者が、不特定かつ多数の者に週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞で、発行者が指定する発売日が31年施行日(平成31年10月1日)前であるもの(特定新聞等)を31年施行日以後に譲渡する場合、その譲渡については旧税率(8%)が適用されます(改正令附則5②)。

なお、特定新聞の譲渡が、軽減対象資産の譲渡等である場合には、当該経過措置は適用されず(28年改正令附則4)、軽減税率が適用されます。

今回、軽減税率の対象に「新聞」が含まれているため、税率改正後も適用税率は8%と思われるかもしれませんが、軽減税率の対象となるのは「定期購読契約に基づくもの」に限定されるため、上記「特定新聞」とは対象が異なります。

また、同じ税率8%でも、経過措置によって現行税率8%が適用される取引と軽減税率対象で8%が適用される取引とは、消費税と地方消費税の内訳が異なるため、消費税申告情は区分して集計する必要があるのでご注意ください。


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20170313

消費税率改正時の取引に関するQ&Aの公表

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