« 2017年5月 | トップページ | 2017年7月 »

2017年6月

2017年6月27日 (火)

遂に決算書が動き出す! e-ラーニング講座の開講

6月28日より日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が提供している法人向け社員教育ツール 『e-ラーニングライブラリ』 において、私が監修した 『決算書が読めるコース』 が開講します。

プレスリリース
https://digitalpr.jp/r/22288

この講座では、私が開発した「B/S似顔絵分析法」「P/L時計分析法」「C/F三段跳分析法」を使って決算書の読み方を学んでいきます。

20170628

「B/S似顔絵分析法」を公開して以来、友人や編集者から、これをWebで提供できればおもしろいのにと言われておりました。
私自身もかつてはSEでしたので、Web上で動く簡単なプログラムでも作ってみようかと思ったものの、所詮、コボラー(COBOLを主言語とする老プログラマーの蔑称)のスキルで動画を扱えるわけもなく、当企画は長らくお蔵入りしていたのです。

それが、今回、JMAMさんからe-ラーニング教材作成の依頼があり、ついに現実のものとなりました。

このページから、Youtube版のデモ画像が見れますが、
http://www.jmam.co.jp/hrm/course/elearning_lib/vjv.html

一部だけ、サンプルをお見せしますと、「B/S似顔絵分析法」は、こんな感じで動きます。



さらに、「P/L時計分析法」はこんな感じ。



静止画だけでも十分インパクトのあった各分析手法が、事例とともに動画で提供されるのですから、これを見れば決算書の読み方がわかるどころか、夢の中に出てきてうなされるレベルの衝撃と言えましょう。

JMAMさんのe-ラーニングプログラムは

オンラインで1年間、いつでも、何度でも、手軽に学ぶことができる、法人向け教育ツールです。個々人の学習履歴を簡単に把握できるほか、費用についてもマネジメント系教育テーマ全125コースを一人あたり7,560円(税込み)というリーズナブルな価格で受講できます。パソコン、スマホ、タブレット端末などのインターネットを通じて手軽に取り組むことができ、現在、2,000社超、のべ110万人を超える企業・団体に導入されています。
(プレスリリースより引用)

既に当プログラムに加入済みの方だけではなく、この機会にe-ラーニングライブラリへのご登録もおすすめする次第です。

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月 9日 (金)

消費税法における仮想通貨の定義-システム運用はつらいよ-

先日のブログで仮想通貨に関する消費税法上の扱いをご紹介したのですが、読者の方から
「そもそも仮想通貨は、どのように規定されているのか?」
という質問をいただきました。

消費税法上、仮想通貨の定義は資金決済法に委ねられており、先日のブログではその箇所の引用が洩れていましたので、あらためて補足しておきます。

消費税法施行令第9条第4項において支払手段に類するものとして非課税取引となる仮想通貨は、
資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第2条第5項(定義)に規定する仮想通貨
であり、改正された資金決済法律第2条第5項では、仮想通貨を次のように規定しています。

資金決済法 第2条
 (一部略)
第5項  この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
一  物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二  不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

「不特定の者を相手方として」という要件が、Suicaなどの電子マネー(資金決済法第3条で規定する前払式支払手段)などとは異なる定義になっています。

有名なビットコイン以外にも、既に仮想通貨の種類は700以上存在するようですが、上記の規定から対象の有無を検討することになります。

ここで、突然、話が飛びますが、上記の条文は総務省が管轄する法令データ提供システム(e-Gov)から拝借しています。

資金決済法の改正根拠となる「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第62号)を読んでいたところ、次のような条文に目が止まりました。

第十一条 資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
 (一部略)
第十条第一項第九号中「禁錮」を「禁錮」に改める。

「禁錮を禁錮に改めるとは、一体、何を変えるのか?」
それとも
「e-Govの誤植か?」
と思って、金融庁のHPで新旧比較表を確認したところ。

(改正案)
201706091


(現行)
201706092

つまり、「禁錮(こ)」の「こ」のルビを外す改正でありました。
その理由については、参議院法制局のコラムに説明されているように、平成22年の常用漢字表の改定で、「禁錮」の「錮」が常用漢字に加えられ、ルビが不要になったことによるものだそうです。

私のようにシステムを扱う人間にとっては、既にインターネット上で表現できないルビなどという厄介な機能は、個々に法律を改正するのではなく、まとめて取ってくれればと思うのですが。

仮想通貨だブロックチェーンだと現代ITの最先端の話をしていたはずが、最後はシステム運用の難しさという古典的な課題にたどり着いてしまいました。

世の中は、このような地道な努力の積み重ねで動いているわけです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月 7日 (水)

ビットコインなどの仮想通貨の消費税法上の扱い(まとめと関連条文)

平成29年度の税制改正において、ビットコインなどの仮想通貨に関する消費税法上の扱いが改正されました。
4月に刊行した拙書 『消費税 軽減税率導入とシステム対応』 の中でフォローし切れなかった論点ですので、あらためて関連条文とともにまとめておきます。

20170608


今回の改正の要点
ビットコイン等の仮想通貨の譲渡を消費税法上、非課税の扱いに
適用開始は平成29年7月1日から

従来、仮想通貨の売買については、消費税法上課税取引として8%の消費税が発生していました。しかし、平成28年に改正された「資金決済に関する法律」によって、仮想通貨が支払手段に位置付けられたため、消費税上の扱いも非課税取引に整理されました。

消費税における非課税取引は、同法別表第1に記載された取引に限定されますが、今回の改正では別表第1を直接改訂するのではなく、別表第1第2号の「支払手段その他これに類するものとして政令で定めるもの」を規程している消費税法施行令第9条第4項に以下(太字部分)の文章が追加されています。

消費税法施行令 第9条
(有価証券に類するものの範囲等)
  (一部略)
4項 法別表第1第2号に規定する支払手段に類するものとして政令で定めるものは、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第2条第5項(定義)に規定する仮想通貨及び国際通貨基金協定第15条に規定する特別引出権とする。

留意点
1課税売上割合の算出に仮想通貨の非課税売上分は含まない

消費税の申告にあたっては、課税売上割合(課税期間中の総売上高に対する課税売上の割合)を算出する必要があります。この課税売上割合の分母となる総売上高には非課税売上を含んで計算するのですが、今回非課税対象となった仮想通貨による取引は計算対象に含みません。

消費税法施行令 第48条
(課税売上割合の計算方法)
  (一部略)

2項 
前項第1号に規定する資産の譲渡等(筆者補筆:課税売上割合算出に用いる総売上高)には、事業者が行う次に掲げる資産の譲渡は、含まないものとする。
一 法別表第1第2号に規定する支払手段又は第9条第4項に規定する仮想通貨若しくは特別引出権の譲渡

2 改正前の経過措置の扱い

消費税に詳しい方ならば、課税取引から非課税取引に変更されるのならば、変更の直前で大量に取得し、非課税対象になってから売却すれば、仕入税額控除の恩恵だけ受けられるとお考えになられたかたもいらっしゃるでしょう。
そのような仕入税額控除の乱用を防ぐために消費税法附則に経過措置が設けられており、
平成29年6月30日時点で税抜100万円以上の仮想通貨を保有していた場合
平成29年6月1日から6月30日までの間の各日の仮想通貨の平均保有数量に対して増加したときは、その増加分の課税仕入について仕入税額控除制度の適用は認められません。

そもそも、仮想通貨の場合、相場の変動幅の方が大きいので思い通りには行かないでしょうが、既に仮想通貨を保有されている方は経過措置適用の有無をご確認ください。
平均保有量の計算については、下記の附則に定められています。
(附則は該当条文を探すのが厄介なため、全文を掲載しておきます)

消費税法施行令 附則(平成29年3月31日政令第109号)
(施行日の前日に有する仮想通貨に係る税額控除に関する経過措置)
第8条 事業者(施行日の前日の属する課税期間において消費税法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、同日において仮想通貨(当該事業者が国内において譲り受けた課税仕入れに係るものに限る。以下この条において同じ。)を有しており、かつ、当該仮想通貨の全部又は一部の種類についてその種類ごとの数量が、当該種類ごとの平成29年6月1日から施行日の前日までの間の各日において当該事業者が有していた仮想通貨の数量の合計数を30で除して計算した数量に対して増加した場合には、その増加した部分に係る仮想通貨の課税仕入れに係る消費税額(その種類ごとの数量が増加した仮想通貨のその増加した数量に当該仮想通貨の種類別単価(同法第30条第1項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額を基礎とした種類ごとの一単位当たりの価額をいう。以下この条並びに附則第11条第2項及び第3項において同じ。)をそれぞれ乗じて計算した金額に108分の6.3を乗じて算出した金額の合計額をいう。)は、同法第30条第1項(同条第2項の規定の適用がある場合には、同項の規定を含む。)の規定の適用については、施行日の前日の属する課税期間の仕入れに係る消費税額(同法第32条第1項第1号に規定する仕入れに係る消費税額をいう。附則第11条第6項において同じ。)の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額(同法第30条第2項に規定する課税仕入れ等の税額をいう。附則第11条第6項において同じ。)に含まれないものとする。ただし、同日において有していた仮想通貨の価額(同日において有していた種類ごとの仮想通貨の数量に当該仮想通貨の種類別単価をそれぞれ乗じて計算した金額に108分の100を乗じて算出した金額の合計額をいう。)が百万円未満の場合は、この限りでない。
2 前項本文の場合に該当する事業者が、仮想通貨の種類別単価の計算につき困難な事情があるときは、施行日の前日における当該仮想通貨の種類ごとの一単位当たりの価額その他の合理的な方法により算出した価額を種類別単価とみなして、同項の規定を適用することができる。

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年5月 | トップページ | 2017年7月 »