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2017年4月21日 (金)

書評 『不倫の教科書』と『損する結婚 儲かる結婚』

弁護士の長谷川裕雅先生から、新刊 『不倫の教科書 既婚男女の危機管理術』 を献本いただきました。

201704212

長谷川先生は、ベストセラーとなった 『磯野家の相続』 シリーズをはじめとした相続に関する書籍を多く著していますが、もうひとつのシリーズとして男女間の法律関係を解説する書籍も定期的に刊行されています。

今回の新刊もセンセーショナルなタイトルになっていますが、前書きには、以下のように本書の目的が書かれています。
「本書の目的は、不倫スキャンダルを興味本位で覗き見ることではありません。むしろ、不倫がいかにリスクの高いものであるかを具体的に指摘し、深い落とし穴にはまることのないよう警告することが目的の一つです。」

第1章に不倫トラブル事例、続く第2章は不倫のリスクマネジメント、最終の第3章には「それでも不倫をしてしまう人への7箇条」という構成になっており、法律の専門家として、不倫にまつわるリスクと対応策を判例とともに解説しています。

第2章「法律は不倫にきびしいのか」という節では、現行の法律だけではなく古代ギリシアなど古今東西の不倫に対する法制度の変遷が書かれているのですが、これが無茶苦茶にハードな内容になっておりまして、この部分を読まれるだけでも安易な不倫に対する抑止力を持つでしょう。

本誌と合わせて読みたい1冊が、ブログ『金融日記』で有名な藤沢数希氏の新刊 『損する結婚 儲かる離婚』です。

本書は
「結婚(そして潜在的に将来の離婚)という法的契約は、ひとつの金融商品の取引だと考えて分析すると、驚くほどその本質が理解できる」
という切り口で、離婚裁判の実際から離婚にかかる経済的コスト、さらには新しい婚姻制度の提案にまで言及しています。

離婚に係るコスト算出にあたり、両誌ともに引用している資料として家庭裁判所が公表している「養育費算定表」があります。

http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf

少し見づらい表ですが、縦軸に養育費または婚姻費用を支払う側(義務者)の年収、横軸には支払いを受ける側(権利者)の年収がとられており、この表から、離婚にともなる経済的リスクは年収の高い者、さらには両者の年収の差が大きいほど大きくなることがわかります。

両誌は、現在幸せな家庭を築かれている方であっても、転ばぬ先の杖、または軽率な行動を戒めるためにも有効な1冊です。

ただし、いずれの書籍も扇動的なタイトルになっていますので、うかつに表紙が見えるような形で家庭内(又はオフィス内)に放置しておくと、潜在的なリスクが顕在化する恐れがある点にご注意ください。

藤澤氏の著作は離婚という事象をファイナンスという視点から、長谷川氏の著作は法律という視点から解説しています。
このアプローチを拝借するならば、 「離婚の税金学」「不倫の会計学」といった企画が容易に思いつくところでありますが、この企画については私以上に適任の先生が多々(?)いらっしゃると思いますので、先達の皆様にお譲りさせていただきます。

(おまけ)
この2冊を読む時のBGMはこれしかありません。
Babyface & Tony Braxton の “Love Marriage & Divorce”

こんな甘い曲では、緊張感がでないという方は
Marvin Gaye の “Here My Dear”(邦題 『離婚伝説』)
がおすすめです。

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