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2016年3月

2016年3月31日 (木)

IT委員会研究報告第48号、49号の公表

先日、日本公認会計士協会のIT委員会から

IT委員会研究報告第48号 「ITを利用した監査の展望 ~未来の監査へのアプローチ~」

IT委員会研究報告第49号「給与計算システムの受託業務に係る内部統制の保証報告書の記載例」 が公表されました。

いずれも、昨年末に公表された公開草案に対するコメントを反映させた最終版ですが、両報告とも大きな修正はありません。

この中でも研究報告第48号は、公開草案時に当ブログでご紹介したように、研究報告にモノローグ形式を取り入れるという革新的なアプローチがそのまま採用されており、 先日、ご紹介した「女騎士、経理になる。」に対抗できる斬新な研究報告になっています。

このまま行けば、マンガを取り入れた研究報告が公表される日も近いでしょう。

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2016年3月23日 (水)

どうして「一瞬」で決算書が読めるのかを作者自身が説明します 

本日3月23日に私の新刊 『一瞬でわかる決算書の読み方』 が発売されます。

この作品は出版20冊目の記念作でもありますが、さらに発売前の先週末時点で増刷が決定しました!
読者の皆様(今回の場合は発注していただいた書店の皆様)にあらためて御礼申し上げます。

201603230


私は、以前に 「12歳でもわかる!決算書の読み方」  
その後 「2時間で丸わかり 会計の基本を学ぶ」  
という書籍を出版しておりますので、

おいおい「12歳」とか「2時間」の次は「一瞬」かよ!

と鼻白む読者(および友人)の顔が思い浮かびます。
さらに、景品表示法 第4条の(不当な表示の禁止)への抵触を懸念される方もいらっしゃるでしょう。

そこで、本日は、なぜこの書籍は「一瞬」で決算書が読めてしまうのか、少々お時間をいただいて説明させていただきます。

【理由 その1】 判型が違う!

今回の作品は正確には「書籍」ではなくMOOKと呼ばれる「雑誌」の一種です。さらにMOOKの判型として主流のB5よりも大きいA4判で作られています。
この判型だから、B/S、P/L、C/Fの財務3表の図表を1枚のページで解説できるのです。
本書の後半では各業界のライバル2社の決算書を比較しているのですが、2社分の財務3表、つまり6枚の図表でも1ページに収められます。
これは、通常の単行本のA5判やB6判では実現できなかった手法です。

つまり、1ページで財務3表をまとめて比較できるから、一瞬で決算書が読めるのです!

【理由 その2】 決算書を図表化する優位性

今回、宝島社さんから執筆依頼をいただいた際に、私はてっきり「別冊 宝島」シリーズで、
「決算書で読み解くプロレス団体の隆盛」とか
「山口組分裂から学ぶ組織再編手法」
といった書籍企画かと興奮していたのですが、当然、そんなもののワケがなくビジネスマン向けの真面目なムックの執筆依頼でありました。

初めての打ち合わせで見せていただいた既刊誌の判型をみたときに、
「この大きさならば財務3表の図表を1ページに収められるなあ」
と気付いたのですが、そこに、大きな問題がありました。

今までの書籍でB/SとC/Fを図表化する手法は考案していたのですが、P/Lだけは図表化していなかったのです。

201603231

そこで、宝島の編集者の方に
「この週末にP/Lを図表化する手法を見つけられたら執筆します」
とお答えし、週末にあーだ、こーだ考えていたところ、窮鼠猫を噛むのたとえどおり、P/Lを図表化する方法が見つかりました!

その名も「P/L時計分析法」!

この時計分析法は本邦初公開の最新のメソドロジーであります!

ということで、執筆依頼をお受けして、無事に原稿もできあがったのですが初校を読んだ編集者から

「B/SとP/Lには分析法の名称があるのに、どうして、キャッシュフロー計算書には名前がないんですか?」  というツッコミが・・・・

そうなんです、キャッシュフロー計算書の図表化は、一般的なウォーターフォール(滝)チャートで済んでしまうため、特に名称を付けていませんでした。
そこで、再度、窮鼠猫を噛む状態で考えた結果、単なる図表化を新たな方法論へ昇華させました!
それが「C/F三段跳分析法」です!

遂に、財務3表に対するメソドロジーがそろったのです。
  「B/S似顔絵分析法」
  「P/L時計分析法」
  「C/F三段跳分析法」

つまり、B/S、P/L、C/Fを図表化するから一瞬で決算書が読めるのです!

【理由 その3】 部分ではなく全体を把握できる 

前作、「12歳でもわかる」も単にインパクトだけでタイトルをつけたわけではなく、その裏付けとして貸借対照表を似顔絵に置き換えるB/S似顔絵分析法という方法論があってのことです。

今までB/S似顔絵分析法について自虐的に「バカバカしい手法」と表現することがありました。しかし、今回の作品の製作過程で気付いたことは、この似顔絵分析法は幼稚な手法に見えますが、ハードカバーの財務分析の専門書で紹介されている個々の財務指標を読み解く手法よりも圧倒的に優れている という点です。

B/Sの静態的分析においては、流動資産、固定資産、流動負債、固定負債、純資産の相対的な関係を把握することが肝要であり、それを 2数間の関係しか表わせない財務指標で理解するのは無理なのです。

具体的な事例を挙げてみましょう。
・有名な財務指標に流動比率があります、これは短期的な支払い義務(流動負債)と支払原資(流動資産)の関係を表わすもので、100%以上が望ましく、数値が大きいほど安全性は高まります。
ちなみに、小宮一慶氏は、ベストセラーの『「1秒!」で財務諸表を読む方法』のなかで、「1秒」で財務諸表を判断するならば、まず流動比率をみるべきとおっしゃっています。

流動比率=流動資産÷流動負債

一方、固定長期適合率という財務指標があります。これは、固定資産分の資金を長期的債務である固定負債と自己資本でまかなえているか否かを判断する指標で100%以下が望ましく、数値が小さいほど理想的です。

固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本)

簡単な事例を見てみます。
次のA社とB社は、どちらの方が安全性が高いでしょうか?

201603232

流動比率は数値が大きいほど安全なので流動比率でみればA社が優れています。
固定長期適合率は数値が小さいほど安全なので固定長期適合率でもA社が優れています。
両指標ともA社が勝っているのですから、A社の安全性が高いのでしょうか。

次に両者のB/S似顔絵を作ってみましょう。

201603233

この似顔絵を見ればわかるように、自己資本の占める割合の大きさ、負債の少なさといった視点から総合的にはB社の方が安全性が高いことがわかります。

また、数字に強い人ならば、流動比率が100%以上(望ましい状態)ならば、固定長期適合率も必ず100%以下(望ましい状態)になることは中学校の数学で証明できますし、感覚的に両数値が補完的な関係にあることを見抜けたかもしれません。

しかし、この似顔絵を見れば、流動比率も長期固定適合率も左目と右眉の関係を表わしているに過ぎず、顔の上側の割合を流動比率、顔の下側の割合を長期固定適合率と呼んでいることが誰でも理解できます。

このように、B/Sの安全性分析に用いる指標は互いに関連性があるのですが、似顔絵分析法を使えば、全体的な関係が一目でわかるのです。

もしも、小宮一慶氏がおっしゃるように「1秒」で流動比率が計算できるのなら、左目と右眉の位置関係をつかむのは、まさに「一瞬」で可能なはずです。

つまり、部分ではなく全体をイメージできるから、一瞬で決算書が読めるのです!

【理由 その4】 決算書を読む手順が組み込まれている 

私が、ここで 「方法論(メソドロジー)」 という単語を使っている理由は、本書における分析法は作図過程で決算書を読む手順も示している点で、単なる図表化と異なるためです。

決算書の読み方には順序があります。各分析法は図表化にあわせて、その順序が自然にわかるように設計されています。

B/S似顔絵分析ならば、 右目⇒左目⇒右眉⇒左眉
P/L時計分析では  短針⇒長針⇒秒針
C/F三段跳分析では HOP⇒STEP⇒JUMP

この順序は 、抽象化の対象物である似顔絵や時計を日常的に利用するときの順序と合致させているため初心者でも忘れることがありません。

B/Sを百分比で表わす手法自体は、従来から様々な書籍で用いられています(私が認識している範囲では、山根節氏の「ビジネスアカウンティング」が初出かと思います)。
しかし、B/S似顔絵分析法では、作図過程においてB/Sを読む順序が組み込まれているため、主要な論点を見落とすことがありません
「ここを見ろ」「ここが重要」といった論点を列挙する手法とは次元の異なるアプローチであることを理解いただければと思います。

(書いてから気付きましたが、最後の理由は、「わかりやすさ」の理由にはなっても、「一瞬」で読める理由にはなっていませんでした。)

かなり長い前口上(ポジション・トーク)になってしまいましたが、発売初日ということでご容赦ください。
後は、皆さんに書店で実物を確認していただくだけです!

【ご注意】
今回の書籍は雑誌扱いのため書籍の会計コーナーには置いてありません。
ビジネス関係の雑誌コーナーをお探しください。

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2016年3月11日 (金)

収益認識基準の日本導入は平成30年1月1日からを予定 

まず最初に、本日、3月11日で東日本大震災から5年を迎えるにあたり、犠牲になられた方々にあらためて哀悼の意を表します。

昨日、3月10日付で企業会計基準委員会から 『現在開発中の会計基準に関する今後の計画』 が公表されました。 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/plan/index.shtml

この中で、 「顧客との契約から生じる収益」 (IFRS 15号) に対応した、収益認識に関する日本基準の開発について言及されており、現在の計画では平成30年1月1日以後開始する事業年度に適用可能にすることが目標になっています。

「また、基準開発に向けた検討にあたっては、IFRS 第 15 号及び Topic 606 の強制適用日を踏まえ、平成 30 年 1 月 1 日以後開始する事業年度に適用が可能となるように会計基準の開発を進めることを当面の目標としている。」

この収益認識基準導入による販売管理システムの修正は、かなり広範囲に及ぶことが予想されるため、今後の開発過程を注視しましょう。

一方、平成33年4月からはじまる消費税のインボイス方式導入によっても販売管理システムの修正が必要になります。

私は、以前から消費税改正と収益認識基準の導入時期が重なってしまうことを恐れていたのですが、インボイス方式導入にあたって4年間の猶予措置(区分記載請求書保存方式の適用)がとられた結果、収益認識基準への対応後にインボイス対応をすることになりそうです。

ただし、本家のIFRS15号適用も、当初予定からズルズル遅れて2018(平成30)年1月からになっていますし、任意適用開始と強制適用開始には数年の猶予期間が設けられるでしょうから、結果としてシステム対応のタイミングは重なってしまうかもしれません。(恐怖だ・・・・)


20160311

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2016年3月10日 (木)

書評『女騎士、経理になる。』 

先日、らくからちゃ氏のブログ 「ゆとりずむ」Rootport 氏 の著作 『女騎士、経理になる。』が紹介されネット上の話題になりました。
そこで、今回は、本書『女騎士、経理になる。』を取り上げてみましょう。

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(Disclaimer)
評者である私自身も同類の会計コミックを上梓しているため、書評の中立性に問題が生じる恐れがあります。

本書は、Rootport氏のツィートを原作としてコミック化したもので、 『ファンタジー』『会計』 の融合という革新的なアプローチがとられています。

私のような中年オヤジにとっては、『ファンタジー』系のストーリーや絵柄がちょっと厳しいのですが(お恥ずかしい話ですが、文中に出てくる「オーク」や「エルフ」といった単語が固有名詞なのか一般名詞なのかがわかりません)、話のところどころに挿入された会計ネタの面白さは、ツウをうならせるものです。

『ファンタジー』と『会計』の融合という点でも破たんなくまとめられており、その切れ味はかつての名番組『カノッサの屈辱』を思い起こさせます(このネタがわかること自体、相応の年齢)。

私も、かつてビジネスコミックを製作したことがあるのですが、その経験から、本書の中で一番共感したのはあとがきに書かれている作画担当の三ツ矢彰氏への謝辞です

「最後に、最大の賛辞を作画担当の三ツ矢彰先生に送りたい。私の乏しい語彙では、この気持ちを伝えるのに十分な言葉がみつからない。」

本当に、マンガ家の方々の才能というか能力はすごいものがあります。
その製作過程を拝見すると「最初のこれが、最後には、こんな形になるのか!」と感心しきりです。
今回の作品もRootport氏の原作の面白さだけでなく、それをコミックとしてまとめあげた作画担当の三ツ矢彰氏(または途中に協力されたシナリオライターの方も含め)の尽力の賜でしょう。

ストーリーで会計を教えるというアプローチは、既に山田真哉氏の「女子大生会計士の事件簿」シリーズや林總氏の「餃子屋とフレンチ」シリーズが偉大な実績を残しておりますが、「ファンタジー」と「会計」を融合したRootport氏の革新性に、我々(勝手に一緒にするな!)会計士は立ち向かうことができるのでしょうか?

そこで(?)私も「革新性」という点においては会計史上に残るであろう新作を用意いたしました。

『矢印を目でなぞるだけ! 一瞬でわかる決算書の読み方』
(まだ、書影も作者名も入ってませんが、私の作品です)

おいおい「12歳」とか「2時間」でわかるの次は「一瞬」かよ!

「目でなぞる」んじゃなくて「目で追う」だろう!

と鼻白む読者の皆様の顔が思い浮かびますが、次回作はかけねなしに「一瞬」で決算書が読めてしまいます。
そのために、 「B/S似顔絵分析法」 に続く新しい方法論を開発しました。
Photo

その秘密の封印が解かれるのは3月23日です!
こうご期待ください!

(ということで、今回は書評から無理やり、自作のティーザー広告に持ち込んでしまいましたが、刊行2週間前ということでご勘弁)

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2016年3月 9日 (水)

書評『管理会計の理論と実務(第2版)』

中央経済社から日本大学商学部教授 川野克典氏の新刊 『管理会計の理論と実務(第2版)』 を献本いただきました。 本日は、この骨太の1冊をレビューしたいと思います。

201603091


(Disclaimer)
作者である川野氏は、私のコンサルティングファーム時代の上司でありまして、下手な書評は書けないという緊張感(?)が生じております。

本書は2012年に刊行された同名書籍の改訂版です。 前書きにあるように「理論と実務の橋渡し」となることを目的とし、管理会計の理論を説明するだけではなく、実務における適用事例や課題をまとめています。

たとえば、次のような文中の簡単な一言も、実経験の裏付けがなければ書けないものであり、読者にとって参考になります。

「(原価計算の)差異分析の中でも、製造間接費の分析は、二分法、三分法、四分法が存在するが、そのいずれの分析も無意味と考えている実務家は多い」 (45ページ)

「ABCは、誕生初期においてすべての間接費を割り付けできると誤解された。筆者もコンサルタントの時、顧客にABCによりすべての間接費を割り付けできると説明していた時期がある」(104ページ 注書)


また、作者は管理会計の理論上のベースとなる原価計算基準の現状との乖離について強い問題意識を有しており、第5章「原価計算基準の陳腐化」、第18章「会計基準に対応した日本企業の管理会計の変革」において原価計算基準の改訂を提言しています。

そこで、今回、比較対象としてとりあげるのは清水孝氏の『現場で使える原価計算』 (以降「比較書」)です。


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比較書の特徴は、2011年に上場製造業に対して行った質問票調査の結果にもとづき、原価計算実務の現状を伝える点にあります。

たとえば、地味ではあるが現場担当者を悩ませる論点として材料副費の処理があります。

それに対して以下のような調査結果が提示されるため、自社の処理方針を決める際の参考になります。

材料の購入原価に含める材料副費の範囲(複数回答あり)
①すべての外部副費  93社
②一部の外部副費   57社
③すべての内部副費  17社
④一部の内部副費   31社
⑤材料副費は材料の購入原価に算入していない 42社
 無回答 4社
(比較書 28ページ 図表2‐6より抜粋)


原価計算書籍の多くは、理論の説明を中心にしたものが多いため、実務の状況を俯瞰できる書籍は貴重です。

今回、比較書をあらためて読み直したところ、以下のような記述があることに気付きました。

「川野(2008)は、『基準』が答申された時代と比較し、手作業から機械中心の生産方式への変化、対象生産から多品種少量生産への変化、研究開発費等の間接費の増加、ITの進展、生産・販売・研究開発等の分野における日本企業のグローバル展開、非製造業やソフトウェア業の拡大などを示した上で、『基準』はこれら応えられず、『基準』にとらわれない原価計算をする必要があると指摘している」 (比較書 16ページより引用)

作者の清水氏は、川野氏の問題提起に対する回答を提示することが調査のきっかけになったと書いています。

評者である私自身は、アカデミックからほど遠く実務一辺倒で働いているため、学術上の理論を軽んじがちなのですが、アカデミック領域の方々の地道な努力が実務のバックボーンになっていることに改めて気付かされました。

今回の2冊は、合わせて読むことで、自社の原価計算の在り方について見直すきっかけが得られるでしょう。

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2016年3月 3日 (木)

「会計の基本」10刷りの御礼と書評「JTのM&A」

昨日のブログでは、芳林堂の自主廃業、ジュンク堂 千日前店の閉店と出版業界の景気の悪い話を紹介してしまいましたが、今日は景気のいい話です。

このたび、拙書 『この一冊ですべてわかる 会計の基本』 が、刊行から5年半で10刷り となりました!

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これも、一重に読者並びに営業部門を中心とした日本実業出版の皆様のご協力のおかげです。この場をお借りして御礼申し上げます。

本書は会計の基本書でありますが、増刷のたびに最新の会計制度にあわせて改訂を行っています。
「この一冊ですべてわかる」という副題の通り財務会計から税務まで広範囲を対象としているため改訂にも手間がかかるのですが、その中で最も面倒なのが章末ごとに記載したブックガイドの見直しです。

刊行当時に掲載した推薦図書から、この5年間で半分以上の書籍が入れ替えられています。これは、掲載から外した書籍の質の問題ではなく入手困難になる書籍が多いためです。
近年の出版環境では書籍の寿命は年々短くなっており、そもそも、出版社自体が倒産してしまうケースも増えています。その結果、代わりの書籍を探してこなければならないのです。

一方、新刊でお薦めの書籍についても順次追加しており、今回の改訂時に追加したのが新貝康司氏の 『JTのM&A』 です。
ということで、ここからは簡単ですが『JTのM&A』をご紹介していきましょう。

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本書は、JT代表取締役副社長の新貝康司氏が、RJRインターナショナル、ギャラハーといった海外たばこ事業買収の経験をまとめたものです。
題名は「M&A」になっていますが、本書で一番、参考になるのはJTにおける「ガバナンス」の考え方です。

実務において、「ガバナンス」のレベルをどう設定するかは、大変、難しい問題です。
上場企業の場合、「ガバナンス」の最低レベルが内部統制監査をクリアするところにあるのは明解ですが、そこを超えて「ガバナンス」の上限を語りだすと突然、神学的な理想論まで飛躍しがちです。
本書におけるJTのガバナンスの考え方は、そのような極論に対して現実的なレベルを示す基準となるでしょう。

企業買収の一連の流れを学ぶためにも有益ですし、日々、内部統制業務に携わっている方々にとっては仕事のモチベーションを上げる一冊としてもお薦めです。
拙書では「第12章 組織再編」の推薦図書に加えましたが、むしろ「第5章 内部統制」の方が適切だったかもしれません。

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2016年3月 2日 (水)

ジュンク堂 千日前店 閉店  これは地獄の一丁目か?

先日、大型書店チェーンの芳林堂の自己破産が報道されました。

早稲田大学の学生ならば、学生時代に読んだ多くの本を芳林堂高田馬場店で買われた方も多いでしょう。
特に高田馬場店はシステム系の技術書が豊富だったため、私は、大学卒業後も、よく足を運びました。

芳林道の破産から3日後の昨日、ジュンク堂の千日前店が3月21日に閉店するとのニュースが飛び込んできました。
https://www.junkudo.co.jp/mj/news/detail.php?news_id=110

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千日前のジュンク堂は、難波の吉本新喜劇の前にある超大型店です。東京ならば、紀伊国屋の新宿本店と同規模、同立地の書店と考えていただければいいでしょう。
従来から、出版業界の厳しさは様々なところで語られていますが、このジュンク堂 千日前点の閉鎖は、その中でもインパクトのある事件です。

2000年に2万店を超えていた書店数は、現在では1万3千店まで減少しています。
http://www.1book.co.jp/001166.html

主な減少理由は、郊外の中小規模店舗の廃業と言われていましたが、出版不況は都心の大型店にも及んでいることが明らかになりました。

このジュンク堂 千日前店は、以前、私の書籍が全店週間売上のトップになった思い出の書店なのですが、今、振り返れば、私ごときのビジネス書がトップになってしまう程度の売上だったということで、益々、気が滅入ります。

しかし、あの店舗が空いてしまうとNMB48劇場が全館使用することになるんでしょうか?(たこ焼きの「わなか」かもしれない)

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IT委員会研究報告第47号 「業務処理統制に関する評価手続」の公表

本日、3月1日付で日本公認会計士協会(IT委員会)から、IT委員会研究報告第47号 「業務処置統制に関する評価手続」が公表されました。

http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/20160301z5u.html

昨年の11月11日付で公表された公開草案から大きな変更はありません。

当研究報告は、平成26年9月30日付で公表されたIT委員会研究報告第46号「重要な虚偽表示リスクと全般統制の評価」と合わせて利用することが予定されています。

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