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2015年10月16日 (金)

書評 『だれも継がない困った実家のたたみ方 家・土地・お墓』

先日、弁護士の長谷川裕雅先生から、新刊 『だれも継がない困った実家のたたみ方 家・土地・お墓』 を献本いただきました。

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写真の後ろに写っているのは、長谷川先生の前作 『みのもんたにならないための危機管理マニュアル』ですが、前作から4ヶ月というハイペースでの刊行です。

長谷川先生は、ベストセラーとなった 『磯野家の相続』シリーズをはじめ、相続に関しては既に多くの書籍を著していますが、本書はタイトルにあるように「実家のたたみ方」という視点からまとめられた一冊です。

相続税法の改正によって課税対象が拡大されたものの、実際に相続税が発生するケースは被相続人(死亡者)の1割程度にも及びません(改正前の平成25年度実績では4.3%)。

つまり、相続税が発生するほど財産が多いならば、それは、むしろ幸せなケースであり、相続税の有無とは関係なく発生する「実家をどうするのか」という問題の方が、より多くの人々を悩ませているのです。

本作は、エンディングコンサルタントの佐々木悦子氏との共作になっており、実家だけではなく お墓のたたみ方について十分なページを割いて説明しているのが特徴です。

例えば、新しいお墓の選び方として
・霊園がつぶれることもある
・仮予約のつもりでサインしたら、本契約になっていた

といったように、本音ベースの実践的なポイントが多く紹介されています。

今回、比較対象とするのは、現在ベストセラーになっている自由国民社の 『身近な人が亡くなった後の手続のすべて』です。

こちらは、司法書士の児島明日美氏、税理士の福田真弓氏、社会保険労務士の酒井明日子氏の共作です。
この本は、本当に良く売れておりまして、発売から1年も絶たないうちに20万部(!)を超える大ベストセラーになっています。

共著者の顔ぶれからわかるように、ご家族が亡くなられた際の事務手続きから、税金、年金まで、関連するジャンルが漏れなく解説されています。

ただし、このような内容の書籍は実務書の定番であり、過去から多くの類書が存在しています。その中で、なぜ本書が、ここまで売れたのでしょうか。

相続税法改正が追い風になったのは確かですが、それにあわせて出版された、あまたの相続税関連書籍よりも売れています。
前述したように、実際に相続税が生じるケースは限定されるため、税金中心の構成よりも汎用的な内容の方が読者ニーズにマッチしたのでしょう。

また、ベストセラーを生むためには、本の内容だけではなく、出すタイミングが大切なことを実感させる一冊です(誤解のないように補足しておきますが、本書は内容的にも充実しています)。

ということで、ご家族の不幸に際して一般的な知識を身に付けておきたいという方には『身近な人が亡くなった後の手続のすべて』を、実家及びお墓の整理に困っている方には『だれも継がない困った実家のたたみ方 家・土地・お墓』をおすすめします。

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