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2014年6月

2014年6月23日 (月)

小売業における価格表示の現状 店員さんは泣いていた

先日、発売された 『旬刊経理情報』(中央経済社) 2014/7/1号
『8%対応を総括していまから備える
       消費税率10%への対応策と留意点』

を寄稿しました。

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今回の8%への税率改正で生じた問題点を総括するとともに、次回の10%改正と今回の改正の相違点についてまとめています。
会計の専門誌ですが、お手許にございましたら、ご一読いただければ幸いです。

この記事を書くために、税率改正後、大手の小売業が、どのような価格表示方法を採用しているかを、あらためて確認してきました。

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私の当初の予想では、ほとんどの小売業が税抜価格表示に変更すると考えていたのですが、税込価格表示を維持している企業もかなり残っています。

また、実際の値札表示も、税抜と税込価格の文字の大きさを変えるなど、様々な形態があります。

あらためて価格表示の現状をみてみると、各社とも混乱した状況にあるというのが感想です。
規模の大きいスーパーでは、食料品、雑貨等のフロアごとに価格表示が異なったままの店舗もありました。
複数店舗が共存するショピング・モールでは、チェーンごとに表示方法が決められているため、隣接する店舗ごとに価格表示が異なる状況は、今後も継続します。

先日、近所の家電量販店でクーラーを買い替えたのですが、代金精算の伝票を作るのに店員さんが悪戦苦闘しています。
伝票をのぞいてみると、工事代金の価格表が税込ベースで作られているため、税抜ベースの本体価格を、一旦、税込ベースに直してから書き込んでいます。
検算を手伝ってあげながら(これは、専門家としての善意ではなく、間違って請求されるのが怖かったからですが)、話をうかがっていると、おもしろい話をしてくれました。

現在、ほとんんどの家電量販店は税抜価格表示を採用しているので、お客さんとの値段交渉も税抜ベースで行われます。

苦労して交渉をまとめても、精算時に税金を加えた金額が、交渉前の税抜価格より高くなってしまうと怒りだすお客さんが多くて困っているとのこと。

今回の税抜価格表示は、3年間(平成29年3月31日まで)の時限措置であり、その後は、従来の税込表示に統一されます。
しかし、その前に、複数税率が導入されたらどうなるのでしょうか。

販売員の方々の苦労は、しばら続くようです。

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2014年6月20日 (金)

ドアクローザーから仕事を学ぶ

GW明けから壊れていた事務所トイレのドアクローザーが、先週、やっと直りました。

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大変、お恥ずかしい話ですが、私、物理の授業(確かモーメントのあたり)で習うまで、ドアクローザーという部品の存在を認識していませんでした。
存在自体に気付いていないのですから、それがドアをゆっくり確実に閉める機能を有していることなど、まったく知りませんでした。

ドア自体は蝶つがい部分で支えられていますから、ドアクローザーがなくても、ドアとしての機能は果たせます。
しかし、現代のオフィスでは、このドアクローザーがなければ不便極まりないのです。

ドアクローザーが壊れていたこの1ヵ月、トイレのドアが、こんなに重いものだったのかとあらためて実感し、こんなタフな仕事を、黙々とこなし続けてくれたドアクローザー君(?)に感謝の念を感じずにはいられませんでした。

顧みてみますと、我々の社会にも、このドアクローザーのような仕事がたくさんあります。
中心機能ではないが、それをサポートする部分がしっかりしていないと全体としての機能を発揮できない。

我々会計士の従事する監査業務は、ドアクローザー業務の典型であり、何もなくて当たり前、平時においてはその存在を人が知ることはありませんが、それが有効に機能しなければ資本市場は成り立ちません。

このドアクローザーのような業務のレベルが、その組織、さらには国家の最終的なレベルを決定するのではないでしょうか。

特に我が国の経済発展は、動いて当然と思われている電気、水、システムといったインフラの安定性の上に成り立っていることは論をまちません。

というわけで、黙々と働き続けるドアクローザーを見ながら、今日も仕事を頑張ろうと思った次第です。

(私自身、社会人になってからずっと、システムと会計というドアクローザー的業務に従事している関係から、結論にかなりのバイアスがかかっておりますが、ご容赦のほど)

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2014年6月17日 (火)

「会計の基本」増刷(8刷)の御礼

2010年に日本実業出版から刊行した 「この1冊ですべてわかる 会計の基本」 が、この度、8度目の増刷となりました。

この場をお借りして、読者の方々にお礼申し上げます。
(あわせて、日本実業出版の皆様にも、お礼申し上げます)

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本書は、増刷のたびに最新基準に合わせて内容を改訂していますが、特に今回は、IFRSの章を金融庁が公表した「当面の方針」にあわせて書き直しています。

(その他に、こんな表も地道に最新版に更新しております。)

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また、電子書籍版については、現在、楽天Koboでキャンペーンを行っており、今なら30%引きで購入できます!

キャンペーン期間は6月24日までですので、ご購入を検討されている方は、この機会がチャンスです!

 (というわけで、今日は、楽天的(?)な営業ブログになってしまいましたが、ご容赦のほど)

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2014年6月12日 (木)

B/S似顔絵分析法が国境を越える

先日のブログで紹介した、拙書の台湾語版が、先ほど、事務所に届きました。
あらためて手に取ってみますと、感慨深いものがあります。

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特に、 「B/S似顔絵分析法」の箇所は、中国語の表記でみてみると、バカバカしさ(?)が強調され、作者である私自身も笑ってしまいました。

ちなみに、中国語では「B/S肖像書分析法」と表現するようです。

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以前、 「借金を返すと儲かるのか?」の韓国語版 を刊行したのですが、この書籍には、まだ似顔絵分析法を載せていませんでしたので、今回の書籍が、似顔絵分析法初の海外進出になります。

この手法ならば、言語の壁を越える ことも実感できましたので、明日から始まるワールドカップ日本代表とともに、世界制覇を目指していく所存であります。

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2014年6月 6日 (金)

軽減税率導入案の公表 (来年10月導入は無茶でしょう?)

 
昨日、6月5日付で自民党と公明党の税制協議会は、軽減税率導入時の素案をまとめた「消費税の軽減税率に関する検討について」を公表しました。
https://www.jimin.jp/news/policy/pdf/pdf179_1.pdf

この資料では、軽減税率の対象品目として、すべての飲食料品を対象にするものから精米のみを対象にするものまで8つの案が示されています。
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しかし、実際に軽減税率が導入された場合に会計実務への影響が大きいのは対象品目よりも経理処理方法です。
(軽減税率導入による複数税率の影響は対象品目を扱っている業種にしか関係ありませんが、経理処理方法の変更はすべての事業者に影響を与えます)

今回の資料では、軽減税率導入時の経理処理方法として、次の4案が示されています。

A案:区分経理に対応した請求書等保存方式
B案:A案に売手の請求書交付義務等を追加した方式
C案:事業者番号及び請求書番号を付さない税額別記請求書方式
D案:EU型インボイス方式

過去からの議論の流れを見ていると、将来的にはD案のEU型インボイス方式に落ち着くような印象を持ちます。

その場合、売手は事業者番号(VAT-ID番号)と請求書番号を記載したインボイスの発行を義務付けられますが、そのためには、個別の事業者ごとに事業者番号を付与しなければなりません。

現在の税制協議会のスケジュールでは、年末の税制大綱時に軽減税率の方向を決めることを目指していますが、そうなると法案成立は平成27年3月末。次回の税率改正日(平成27年10月1日)までの6カ月間で事業者番号の付与作業を完了させるのは現実的ではないでしょう。

そうすると、軽減税率の導入は税率改正とは別の時期に行われることになり、経理部門とIT部門にとっては、平成27年10月の税率改正を乗り越えても、その次に、もっと大きなヤマが待ち受けることになります。(クワバラ、クワバラ)

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