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2014年5月

2014年5月30日 (金)

『仕事で「会社の数字」の大切さに気付いたら読む本』増刷のお知らせ

 
昨年 12月に刊行した拙書 「仕事で「会社の数字」の大切さに気付いたら読む本」 が増刷となり、刊行から半年で3刷りとなりました。

20140530

業界的には「2刷りは勢い、3刷りからが実力」とも言われますので、作者として喜びもひとしおです。

これも皆、ご購読いただいた読者、並びにすばる舎(特に、この地味なジャンルの書籍に尽力いただいた営業部門)の方々のご協力のおかげです。
この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。

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2014年5月29日 (木)

IFRS15 Revenue from Contracts with Customers の矛盾

 
2014年5月28日、IASBとFASBが合同で開発していた、収益認識の新しい会計基準 IFRS15 Revenue from Contracts with Customers が公表されました。

IASBのHP
http://www.ifrs.org/Alerts/ProjectUpdate/Pages/IASB-and-FASB-issue-converged-Standard-on-revenue-recognition-May-2014.aspx

FASBのHP
http://www.fasb.org/cs/ContentServer?c=FASBContent_C&pagename=FASB%2FFASBContent_C%2FNewsPage&cid=1176164075286

2002年9月のプロジェクト開始から足掛け12年。延期に延期を重ねたプロジェクトが遂にゴールに到達しました。
(このプロジェクト、システム開発ならば遅延による損害賠償を請求されてもおかしくないレベルです)

しかし、正直申しまして、12年かけた割には、残念な内容の基準です。
この基準で、私が最も気になっているのは、収益の認識時点を定義する以下の部分です。

Step 5: Recognize Revenue When (or As) the Entity Satisfies a Performance Obligation

An entity should recognize revenue when (or as) it satisfies a performance obligation by transferring a promised good or service to a customer. A good or service is transferred when (or as) the customer obtains control of that good or service. 

履行義務(Performance Obligation)を充足した時に収益を認識しろと定めているのですが、後段の説明で、「履行義務は財やサービスを移転することで充足する」さらに、「財やサービスが移転する時とは顧客が財やサービスの支配を獲得した時」と定義しています。

この定義の構造を単純な数式で表せば、A=B、B=C という形になります

 A(履行義務を充足する時) = B (財やサービスが移転する時)
 B (財やサービスが移転する時) = C (顧客が財やサービスの支配を獲得した時)

ならば、A=B=C が成立する必要があるわけですが、B(財やサービスが移転する時)とC(顧客が財やサービスの支配を獲得した時)は、一致するとは限らないため、この基本的な定義部分に論理的な弱さを抱えています。

さらに、基準修正の過程で、収益の認識を「一時点」(at a point in time)で認識するものと「連続的に」(over time)認識するものに分けたため、上記定義とのつながりが、さらにわかりづらくなっています。

(おまえは、会計士なんだから、「文句があるなら出来上がる前に提言しろ!」という突っ込みもあろうかと思いますが、微力ならがASBJの方には過去に意見を提出しております。「日本語で出してもダメだ!」と言われれば、おっしゃる通りでございます m(_ _)m

なお、新基準は、IFRS適用企業に対しては2017年1月1日以降開始する事業年度、US-GAAP適用企業には2016年12月15日以降よりも後に開始する事業年度から適用されます。

ちなみに、当初は2011年に完成を予定されていたので、公開草案が公表された2010年の時点で、こんな本を執筆したのですが
『システム開発のための 収益認識プロセスと会計の接点 IFRS対応版』

タイミングが早すぎました。(ただし、当初案から最終版までの改正過程を理解するには役立ちます!)

【追記】
読者の方から、『「支配の獲得」は履行義務の充足を示す必要条件なので「=(等号)」で表すのは不適切ではないか』
というご意見をいただきました。
ご指摘の通りでありまして、『=(等号)』の使用は、構造を単純化しすぎている部分があります。

「=」を使用してお伝えしたかったのは、以下の論点です。

現行の基準は A  (履行義務の充足)=B(財・サービスの移転)=C(支配の獲得)という構造で、C(支配の獲得)とは、どのような概念かを説明しています。
それならば、敢えてCを加えずに、最低限の構造である A =B (又は A=Cでも可)とし、B  (又は C) を定義した方が望ましいのではないか。

それと、もう一点不適切な箇所がありました。

「US-GAAP適用企業には2016年12月15日以降に開始する事業年度」
原文は
”annual  reporting periods beginning after December 15,  2016”
ですので、「2016年12月15日よりも後に開始する事業年度」が
適切です。失礼いたしました。

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2014年5月23日 (金)

『会計数字の馬鹿』 台湾にて発売開始! 

昨年 4月に発売 した、
『早い話、会計なんてこれだけですよ!』
の台湾語版(中国語版が正しいのかな?)が完成しまして、今月末から販売が開始されます。

http://www.books.com.tw/products/0010637025?loc=006_020

20140523

翻訳のオファーが来たのが、発売直後の昨年5月でしたので、ちょうど1年で翻訳版刊行となりました。

3年前に刊行した、 『借金を返すと儲かるのか?』の韓国語版 に続く海外進出(?)であります。

前回の韓国語版では、原題の「借金を返すと儲かるのか?」が 「世界で最も簡単な会計学入門」 に改題されていました。

ハングル文字とは違い、今回の台湾語版は漢字なので、もう少し意味がわかると思ったのですが、見たことのない漢字ばかりです。
そこで、Google翻訳をかけた結果がこちら。

2014052303

『レポートを理解していないときの頭部、あなたも思わないだろう!
偶数 会計数学の馬鹿を得ることは簡単に始めることができます』

「馬鹿でもわかる」といった意味なんでしょうか?

とりあえず、台湾のグループ会社への経理指導、はたまた台湾旅行のお土産に、機会がございましたら、是非、ご購入ください。

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2014年5月12日 (月)

ポール・マッカートニーから歴史を学ぶ ~30年目のFrozen Jap~

(本日のネタは会計に関係ない与太話ですので、ご多忙の方は飛ばしてください)

先日の朝刊に、ポール・マッカートニー武道館公演の全面広告が掲載されました。皆さんもご覧になられたでしょう。

「1966年以来 48年ぶりに あの舞台に立つ」

20140513

しかし、私は、このキャッチコピーに強い違和感を覚えました。

もう30年以上前の自分が中学生時代の昔話になりますが、少々、お付き合いください。
当時のポールは、ウイングスというバンド名義で活動しており、ヒット作を連発していました。そして、1980年1月に7日間の武道館公演が決まります。

http://blogs.yahoo.co.jp/layhishead1980/12417821.html

しかし、来日時の成田空港税関で大麻が発見されポールは即逮捕、コンサートはキャンセルとなり、このマッカートニーの大麻事件は、当時の大ニュースとなりました。

https://www.youtube.com/watch?v=bTAfTdgl3CY

(この事件をネタにしたスネークマンショーの傑作「はい、菊地です」)

私自身、結構ポールのファンでしたので、この時には、大麻程度で逮捕は厳し過ぎるのと思っていたのですが、その後に起きた事件でポールへの印象は一変しました。

大麻事件を起こした同年5月にマッカートニーは “McCartney II” という新譜を出すのですが、そのアルバムの8曲目が ”Frozen Jap” という曲だったのです。

歌詞のないインストですが、このタイミングで日本人を揶揄するような仕打ちはないでしょう。
日本のアルバムでは「フローズン・ジャパニーズ」に改題されましたが、音楽雑誌では大きく取り上げられましたので、この事件以来、私の中では、この人は「どーしようもないオッサン」と位置付けられました。

このような経験がありましたので、自らの責任で武道館ツアーをキャンセルしておきながら、 「48年振りの武道館」 を煽るのはおかしいだろうというのが、私の感じた違和感の理由です。

当然ながら、この広告のコピーを考えたのはポール自身ではなく、日本のコピーライターの方ですが、その方が大麻事件をご存じだったのかは興味のあるところです。

大麻事件以降にポールを聞きだした人々にとっては、伝説のバンド、ビートルズのメンバーである偉大なアーティスト。

一方、ウイングス時代からポールを聞きだして大麻事件を体験した我々世代にとっては、「日本をナメている、とんでもないオッサン」。

さらに、時代を遡って、48年前のビートルズ初来日時代からファンだった人にとっては、また違った印象になります。
当時はロックを聴くこと自体御法度、長髪にエレキギターなどとんでもないという時代です。
http://www.yunioshi.com/beatlesinjapan.html

先ほどの大麻事件よりも前の1975年には、麻薬不法所持の前科のためにポールの来日ビザが取り消され、ファンの方々は来日のための嘆願活動まで行っています。

この時代からポールを応援しているファンからみれば大麻事件程度で騒いでいるのは「ド素人。その偉大さがまったくわかっていない!」 ということになるはずです。

話が長くなりましたが、ポール・マッカートニーという現役アーティストの評価でさえも、時代によってこれだけ変わるのですから、いわんや、他国と歴史認識を合わせるのは、大変、難しい作業なのだと、あらためて実感したのが、ポールから学んだ教訓です。

ちなみに、今回の武道館ライブのチケット代は、アリーナ10万円(!)、一番安いB席でも4万円(!)です。この値段でビビった自分こそ、真の”FROZEN JAP”でありました。

(25歳以下限定で、1,500円のC席が用意されていますが、その数は100席のみ。プロモータの方も、この値付けに罪の意識を感じ、免罪符が必要だったようです)

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2014年5月 8日 (木)

好きなことを仕事にしなければいけないのか?

今朝、Facebookを眺めていたら、田端信太郎氏が、下記のブログを紹介していました。

ベンチャー役員三界に家なし
「なぜ職業人のマーケットでの実力順位と年収相関を職業毎に明らかにしないのか?」

「僕が何が言いたいかというと、エリートの視点で「仕事」を捉えると、必ず、「何がやりたいのか?」ということが中心に仕事選びを組み立てはじめる。
これを多くの非エリートがなぞることが苦しみの元になっているのではないかということだ。」

私も、この意見に強く同意します。

実は、私自身も同様の問題意識を以前から持っており、その解決案を提示するために、
「国語 算数 理科 しごと」 
 -子供と話そう「働くことの意味と価値」-

という本を著しました。

執筆過程で編集者とも意気投合し「これはイケる!」ということで、イラストを存分に使った上に、全面カラーというビジネス書としては例外的なコストをかけて製作しました。
しかし、フタを開けてみると、当初の自信とは反対にまったく売れず、天国から地獄へ・・・・

藁をもすがる思いで著名な書評ブロガーに献本を始めたところ、小飼弾氏の 404 Blog Not Found で取り上げていただき、一気に売上を回復することができました。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51006713.html

この本が、当初の販売推移のままならば、以降の書籍の出版機会もありませんでしたから、まさに「地獄で仏」としか言いようがありません。

本書は、会計の入門書としての機能も有していますが、本質的なテーマは「仕事とは何か」という疑問に対して、私なりの回答を提示するものです。

そもそも、仕事の種類は時代によって変化していきます。現在は存在しない職種や業界が増加していくことが経済全体の発展にも貢献します。
しかし、「好きなことを仕事にする」という職業観は、既存の職業を前提にするため「職業の拡張性」という視点が欠落しています。

「好きなことを仕事にする」のが理想であるのは確かです。
しかし、「好きなこと」に出会った幸運な人は、人に言われなくても、その道に進むのですからアドバイスは不要です。
問題は「好きなこと」を見つけられない圧倒的大多数の人々に、どのような職業観を身に付けさせるかです。

「すべての職業に 深みと広がり があり、それを知った上で研鑚を続けて行けば、新しい境地に達することができる」 というのが職業の実際であり、仕事の充足感に占める「好き嫌い」の割合は思ったほど高くないのではないでしょうか。

結局、自著の宣伝になってしまいましたが、本書を一人でも多くの方に読んでもらいたいという思いが、現在も、私が執筆を続けているモチベーションになっています。(編集者とは、すべての学校の図書館に1冊置かれることを目指していました)

書店で見かけられたら、是非、一度、お手にとってみてください。

ただし、現在では紀伊国屋等の大手書店にしか置かれていませんし、棚の場所も「会計」ではなく、「学習参考書」や「教育指導」(!)といった棚に紛れ込んでいますのご注意ください。

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