« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »

2014年3月

2014年3月28日 (金)

消費税率改正3日前にシステム部門がすべきこと

3日後の平成26年4月1日から消費税率が5%から8%に改正されます。

システム部門の皆様におかれましては、既に対応を終えられていると思いますが、
残された3日間で、もう一度、確認しておくべきポイントを挙げておきましょう。

・販売実績データの保存

現在、小売店では、税率改正に伴う駆け込み需要によって在庫切れの商品も増えています。
同様の需要変動は、1年半後に予定されている10%への改訂時にも発生します。

そこで、次回の税率改正時の需要予測の参考になるように、今年3月と4月の販売実績は、できるだけ詳細なデータで保存しておきます。

通常月においては、月別や店舗別レベルでしか管理していない企業であっても、今月と来月だけは、日別や商品別といった明細レベルで加工できるデータを保管しておくべきです。

1年半後に、 「前回の改正時は、どうだったんだ?」 という声が経営者や営業部門から出てくる前に、先手を打っておきましょう。

・振込手数料の修正

4月1日から、銀行の振込手数料にかかる消費税額も引き上げられます。
企業内の会計システムには、この振込手数料を事前に登録しているものがあります。
一番身近なものとしては振替伝票の伝票登録機能、他にも債権管理における売掛金の消込プログラムなどです。

社内の会計システムで、振込手数料が登録されているプログラムを見つけ出し、4月1日以降は8%ベースの手数料が適用されるように修正しておきましょう。

・経費精算システムの入力

今回の税率改正にあたり、JR東日本東京メトロ では現金とICカードで異なる運賃が適用されます。

これに合わせて交通費精算時の社内ルールを決定するとともに、社員に周知する必要があります。
また、旅費交通費については経過措置によって4月以降も5%と8%の取引が発生しますので適用税率にも注意しなければなりません。

小売業では、消費税転嫁特別措置法の特例規定によって税抜価格表示への移行が進んでいます。その結果、4月以降のレシート類は税抜ベースと税込ベースが混在しますので入力時に誤りのないように指導も必要でしょう。
20140328

税率改正を乗り越えて、無事に月次決算が終わることを祈願(?)しております。

このエントリーをはてなブッ

クマークに追加

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月18日 (火)

【書評】『無意識に買わせる心理戦略』

イーストプレス社 からサイモン・スキャメル=カッツ氏の 『無意識に買わせる心理戦略』 (以降「評書」)を献本していただきました。

これは、2012年に刊行された”The Art of Shoppong  How we shop and Why we buy の邦訳版であり、著者のサイモン・スキャメル=カッツ氏は、消費者行動調査のコンサルティング会社のディレクターです。

丁度、昨日の土井英司氏のメルマガ 「ビジネスブックマラソン」 で本書が取り上げられており、そのメルマガで、パコ・アンダーヒル氏のベストセラー、『なぜこの店で買ってしまうのか』(原題“Why We Buy  The Science of shopping”、以降「比較書」)が文庫化されたことが紹介されていました。

(近年、単行本の文庫化にあたって改題するケースが多いため、同じ書籍を2度買わされてしまうという罠に陥いることがあるのですが、早川書房さんは良心的です。)

消費者行動に科学的なアプローチを導入した先駆者であるパコ氏の書籍は、今回の評書の比較対象に最適でしょう。
(なお、評書本文中にも、著者自身がパコ氏の動向を気にしている一節がありますし、そもそも、副題もカブってます)。

比較書は1999年の刊行のため、その調査ツールの中心は追跡者が消費者の行動を記録した紙(トラックシート)です。
一方、評書では視線追跡装置やfMRI(機能的核磁気共鳴断層画像法)など、最新の技術から得られた情報が加味されています。

使用するテクノロジーに違いはあるものの、「消費者行動を科学的に分析することで、従来のピントはずれなマーケティング手法の間違い指摘する」という趣旨は同じです。

比較書は米国ベストセラーの典型どおり、事例が豊富で読み物としてもおもしろいのですが、なにぶんボリュームが多く冗長に感じます。また、米国の小売業の事例が多いため、我々にはなじみのないチェーン店が多く、その店の規模やレイアウトを連想しづらい部分があります。

しかし、マーケティングにおける定本の1冊が文庫価格で入手できるのは魅力的です。

一方、評書は、255ページというボリュームにまとめられているので、読みやすさではこちらに軍配が上がります。
評書における様々な事例からわかることは、 「消費者は商品の利点と値段を天秤にかけて、合理的に損得を計算」 して商品を選んでいるのではなく、実際は 「できるだけ労力をかけず、最低限の判断」 (p228)、つまり習慣によって行われているという点です。

著者は、商品選択に影響を与える要素としてブランドに対する 「情動の蓄積」 の存在を指摘し、「情動の蓄積」を「その人が過去にさまざまな場面でブランドに接したときの記憶や、感情や、感覚がひとまとめにされたもの」 (p193 )と規定しています。

しかし、現在のブランド論では「消費者の体験」などもブランド概念に含まれるのが通例ですので、最終的な結論部分は他誌との差別化が不十分な印象を持ちました。(その部分を知りたければ、弊社のコンサルティングをお受けくださいということでしょうか)

「なぜこの店で買ってしまうのか」の文庫版はマーケティングの定本として、「無意識に買わせる心理戦略」は、小売業にお勤めで販促手法に行き詰っている方々に最適でしょう。

■■■ 会計セミナー開催のお知らせ ■■■
数字嫌いの経営者の方々向けに下記セミナーを開催いたします。
主催 日本経営合理化協会 
日時 2014年5月27日 10時30分~16時30分
「社長が知っておきたい 決算書の読み方」

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月14日 (金)

【書評】『決算早期化が実現する 7つの原則』

武田雄治先生から、新刊 『決算早期化が実現する 7つの原則』を献本いただきました。

1月に当ブログでご紹介した 『1年で売上が急上昇する「黒字シート」』 に引き続きの刊行です。

20140314_2

東に売上のあがらない会社があれば行って助け、西に決算が遅い会社があれば行ってそれを改善するという。
会計界の宮沢賢治ともいえる活躍ぶりです。

本書は、2009年に刊行した 『決算早期化の仕組みと実務』 (以降「初期作」)、2012年にそのバージョンアップ版である 『決算早期化の実務マニュアル』 に続く第3弾になります。

当方、1冊目の『決算早期化の仕組みと実務』(以降「初期作」)は拝読しているものの2冊目を未読のため、 「初期作から何が変わったのか?」 という視点から解説していきます。

決算早期化が求められるのは上場企業が中心のため、連結財務諸表の作成と監査対応のウエィトが高まります。
それらの業務を初期作では「アウトプット業務」と「分析業務」と再定義し、この部分の強化によって決算早期化を目指していました。

初期作を公認会計士の方が読まれた際には、「これって、監査の手続きそのものじゃん」と思われたかもしれません。
連結決算や開示資料を、正確かつ効率的に確認する手続こそ会計監査であり、そこには過去の多くの経験から積上げられた知見が凝縮しています。
これを企業側(被監査側)と共有できれば決算作業はよりスムーズに進むという著者のアプローチは合理的なものです。
そのため、初期作には著者の会計監査人としての経験が強く反映されていました。

一方、今作では、個々の対応策を「7つの原則」に抽象化し、新たに括り直しています。
初期作から今作に至るまでに、著者の視点が変化していることが、原則2「属人化をやめる!」 に顕著に表れています。

これは、決算作業を個人のスキルに頼るのではなく、だれでもできるように標準化することを意味し、文中では「決算業務のマクドナルド化」と表現されています。

カリスマ的な経理部員のスキルによって決算業務が担われているのは、ほぼすべての上場企業に当てはまる現象です。
会計監査人の立場としては、正確な決算をしてもらうことが第一義になるため、カリスマ部員が業務を担当している方が安心です。

しかし、決算早期化という視点にたった場合、個人のスキルに頼っている限り、その部分が律速段階となって早期化を妨げます。
この論点が原則のひとつとして抽出され、その重要性に多くのページが割かれている点に、著者の経験の昇華が表れています。

また、本書と同じ会計棚には、最近、刊行された同ジャンルの一冊、金子彰良氏、笠原浩一氏による  『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』 が並んでいることが多いでしょう。

そこで、本書についてもご紹介しておきましょう。

こちらの書籍では、決算作業をPERT図(又はアローダイヤグラム)を用いて改善することを提唱しています。
PERT図はプロジェクト管理に用いられる図表で、情報処理技術者試験を受験されていた方にとっては、「この作業のクリティカルパスを求めよ」「作業Xの最早開始日と最遅開始日はいつか」といった定番の問題で出てくるあの図といえば思い出すはずです。

(私事ですが、当方、大学では、生産管理やQCが盛んな時代に経営工学を専攻していたため、このPERT図はテンプレート(現在使われている「ひな形」という意味ではなく、型抜きしたプラスチック板のことです)で、よく書かされました。)

そもそも、決算作業自体、ひとつのプロジェクトですからPERT図による分析にもフィットします。

このPERT図によるアプローチが、特に有効なのは、単体決算における販売や購買といった個々の業務プロセス部分になります。
一方、武田氏の著作は単体決算終了後に行われる連結決算と開示に重心を置いていますので、決算早期化を進めるにあたって、両誌はうまく補完し合う関係にあると言えましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月12日 (水)

【書評】『相続で泣きたくなければ 不動産のしくみを知りなさい!』

「磯野家の相続」 シリーズで有名な弁護士の長谷川裕雅先生 から、新刊 『相続で泣きたくなければ 不動産のしくみを知りなさい!』を献本いただきました。

長谷川先生の磯野家シリーズ最新刊 「磯野家の相続リターンズ」 は、奇遇にも 拙書の新刊 「仕事で会社の数字の大切さに気付いたら読む本」と同出版社かつ同時期の刊行です。

20140312

(出版社の期待度が、広告面積に如実に表れていて切ないです)

不動産関連の書籍としては、先日、当ブログで吉澤大先生の『2時間で丸わかり 不動産の税金の基本を学ぶ』をご紹介しました。

吉澤先生の著作は、不動産業や金融業などのプロを対象とした不動産税制の入門書でしたが、本書は一般の方々を対象に不動産のしくみを解説するものです。

相続の悩みで一番多いのは
「両親の住んでいる自宅が一軒あるのだが、相続税はかかるのか?」
という疑問です。

本書は、そのような悩みを抱えている方を想定読者に設定し、それら読者の立場から構成されています。
したがって、相続税だけに限らず、遺産分割から不動産取引の実態まで、不動産に関わるテーマを網羅的に扱っており、税務に強い弁護士という作者の特徴が発揮されています。

文庫ながら書き下ろしのため、タワーマンション節税などのトピックスにも言及されており、先ほどの疑問が頭をよぎられた際には、まず最初に買う一冊としてお勧めです。

ちなみに長谷川先生ご自身としては、過去の作品の中で 『なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか?』 が一番の自信作とのことです。

こちらの書籍は、軽率な行動が身の破滅を招くという、男女間の恐ろしい事例を集めたもので、大人のための啓蒙書(?)として価値が高い一冊です。
ただし、刺激的な内容も含まれるためご購入は18歳以上の方に限ります。

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月 5日 (水)

4周年となりました(合わせて重版の御礼)

本日、3月5日は「珊瑚の日」であり、さらに「巫女の日」でもありますが、当事務所にとりましても記念日であります。

と申しますのも、4年前の2010年3月5日、著作 『12歳でもわかる決算書の読みかた』 Amazonランキングの総合1位になった日だからです。

20140305

この歳になりますと、「あの時が人生のピークだったのか 」とさびしい思いも脳裏をよぎります。

しかし、感傷に浸っている場合ではありません、国民年金の世界で生きている我々は、倒れるまで前に進み続けるしかないのです!

そんな折、最新作の 『仕事で「会社の数字」の大切さに気付いたら読む本』増刷となりました

201403052

実は、以前 「会社の数字」というテーマの執筆依頼を、他の出版社からいただいたことがあります。
その際に、同ジャンルの類書と販売数をかなり調べたのですが、条件的に厳しいという結論が出たため、その企画はお引き受けしませんでした。

したがいまして、本書も販売的には厳しいと考えていたのですが、お陰様で何とか重版までたどり着くことができました。

特に今回は出版社の営業の方々のお力添えによる部分が大きく、積極的な販促が部数拡大につながったようです。
(↓ BOOK EXPRESS 横浜南口店での展開)
201403053

ご購読いただいた皆さん並びに、すばる舎の皆様にも、この場をお借りしてお礼申し上げます。

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »