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2013年11月

2013年11月26日 (火)

税抜価格表示導入時の留意点

本日の日経新聞に、ユニクロが総額表示を税抜表示へ変更する との記事が掲載されました。

消費税転嫁特別措置法の特例によって税抜価格表示を採用する会社数は、今後も増加していくと考えられます。
20131126

その際に、注意していただきたいのが、消費税転嫁特別措置法と消費税法のズレです。

消費税転嫁特別措置法による税抜表示の特例は、特別措置法が施行された平成25年10月1日から適用されます。

一方で、この消費税転嫁特別措置法にしたがって税抜表示を行った場合に、消費税の積上計算を許容する消費税施行規則 附則(平成15年9月30日財務諸表令第92号) 第2条第5項の施行日は平成26年4月1日であり、経過措置の対象となる取引も「平成26年4月1日以後に行う課税資産の譲渡等」になりますので、ご注意ください。

(関連エントリー 「消費税法施行規則の再改正」 )

【補足】
これだけの説明では、専門的すぎて、まったく意味がわからないと思いますので、消費税の積上計算については下記のエントリーもご参照ください。

2013年11月13日  セブンイレブンのレシートに税額がない本当の理由
2013年11月20日  軽減税率導入に関する今後の予想

それでも難しいという方は、下記のセミナーもご利用ください。

「消費税改正の概要とシステム対応」 (主催 みずほセミナー)
(追加開催分)日時 2013年12月19日(大阪会場) 13:00~17:00

「消費税改正の概要とシステム対応」 (主催 みずほセミナー)
(追加開催分)日時 2014年2月12日(東京会場) 13:00~17:00

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2013年11月20日 (水)

軽減税率導入に関する今後の予想

本日、みずほセミナーで開催した消費税改正セミナーに、ご多忙のところ100名近くの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。
8%改正が中心テーマだったため、今後の軽減税率導入について、十分な時間が割けませんでしたので、この場をお借りして補足しておきます。
20131120

本日も、与党の軽減税率制度調査委員会が開かれ、軽減税率対象品目などについて話し合いが行われました。http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131120/fnc13112013220008-n1.htm

軽減税率導入がどうなるかは政治判断に依りますが、現時点で明らかなことがひとつあります。それは、
軽減税率導入時のシステム対応の期間は最長で1年、最短で6カ月になる
という点です。

軽減税率の導入にあたって企業の負荷になるのは、軽減税率の対象が何になるかよりも、
・インボイス方式導入
・簡易課税制度の見直し

の2点です。

軽減税率の対象範囲がどのようになっても、それは業種ごとの話ですから対象外の業種には影響はありません。しかし、軽減税率導入にあわせてインボイス方式が導入された場合、その影響は日本のすべての事業者に及びます。
また、軽減税率が導入されると、現行の簡易課税制度も改正せざるを得ません。

その一方で、政治的には軽減税率の対象範囲決定が最大のトピックスになるため、上記、実務上の論点の決定は後回しにされることは明らかです。

軽減税率の導入が与党間で決定し、税制大綱に掲げられたとしても、平成26年の通常国会に提出される消費税改正法だけでは、実務対応はできません。
システムの修正に影響を与える関連政省令の改正が平成26年3月中に行われることは、ほぼ不可能であり、その決定は改正直前までズレ込んでいくでしょう。

昨日の 「セブンイレブンのレシートに税額がない本当の理由」 というエントリーでご紹介した、平成16年の総額表示導入時の経緯を参考事例としてご紹介しましょう。

平成16年4月1日から対消費者向け取引に総額表示が導入されたことは、皆さんもご記憶されているでしょう。

この総額表示の導入は平成14年末の税制大綱に記載され、平成15年初頭の通常国会で審議されました。つまり、導入から1年前の平成15年3月に法律は成立しています。

消費税額の端数処理については総額法と積上法があり、積上法はあくまでも特例であって、その特例適用の条件は消費税法施行規則第22条第1項に規定されていました。
これは、消費税法上は大変マイナーな論点ですが、システム開発上は重要な論点ですので、以前から当方の 著作 ではかなりのページをとって説明しており、SE向けの会計セミナーでも、常に解説していました。

平成15年の税制大綱で総額表示導入のニュースを知った時に、私が第一に考えたのは
「税抜ベースで規定されている消費税法施行規則第22条第1項はどうなるのか?」
ということです。。
なぜなら、それが決定しなければ総額表示にあわせたシステム対応はできませんし、私自身としてはセミナーで教えることができないからです。

そこで、とりあえず平成15年3月のセミナー時には「政省令は本法が国会通過後の3月末に改正されるのと思いますので、それまで詳細については待ってください」とアナウンスしていました。

そのような仕事の関係から毎日、官報をチェックしていたのですが、3月末の改正には端数処理についての言及がなく、そのまま5月を迎えました。
クライアントからの質問や、開催しているセミナーの関係もあって、困惑していたところ、平成15年5月19日付の税務通信に、以下のような記事が掲載されて、愕然としました。

消費税総額表示の端数処理で波紋
(略)ちなみに財務省では、総額表示の導入に伴い同規則22条との整合性から改善しなければならない点があるか否かの検討を現在行っている。」

「えーっ!今から検討するんですかー! 」

結局、関係者との調整を終え消費税施行令が改正されたのは、総額表示導入の半年前の平成15年9月末でありました。

このような私的な思い出を長々とご説明した理由は、そもそも消費税というのは、このように混乱しながら進んでいくものだということを、システム関係の方々に知っていただきたいからです。

その歴史は、昭和62年の売上税の時代から始まっており、今後も変わることはないでしょう。

【ご案内】
消費税改正と会計システムへの影響を解説するセミナーを開催します。
受講ご希望の方は、下記のリンクからお申込みください。

「消費税改正の概要とシステム対応」 (主催 みずほセミナー)
(追加開催分)日時 2013年12月19日(大阪会場) 13:00~17:00

「消費税改正の概要とシステム対応」 (主催 みずほセミナー)
(追加開催分)日時 2014年2月12日(東京会場) 13:00~17:00

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2013年11月13日 (水)

セブンイレブンのレシートに税額がない本当の理由

日経ビジネス のサイトに、 『セブンイレブンのレシートには税額がない』 という記事が掲載されました。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、セブン&アイグループのレシートには、消費税額の記載がありません。

20131113



その事実と、今回の消費税改正によって税抜価格表示が許容される点を解説した記事なのですが、消費税額計算と価格表示の論点が混同して書かれているため、記事を読まれた方が誤解しかねない内容になっています。

そこで、当ブログで補足させていただきます。
最初にタイトルの結論を述べれば、

「セブン&アイ グループは、お客様から代金と一緒に預かった消費税額を端数部分も含めて正確に納税するため

というのが答えです。

記事を読まれた方は、むしろ反対の印象を持ったのではないでしょうか。

まず、理解していただきたいのが、現行の消費税法における消費税額の計算方法です。

顧客から預かった消費税の計算方法は2種類あります。

ひとつは、課税期間の税込売上額の総合計に対して5/105を乗じた金額を預った消費税額とする「総額法」です。
つまり、消費税額の端数処理は課税期間末に一度だけしか発生しません。

(例)  取引 1      980円(税込)
     取引 2      980円(税込)
      (略) 
     取引10      980円(税込)
      年間取引総額  9,800円(税込) 
   預った消費税額   466円 (=9,800 ×5/105)

一方、多くの方がイメージするのは取引毎に消費税額を計算し、これを合計したものを預った消費税とする方法で、これを「積上法」と言います。

(例)  取引 1        980円(税込)  内消費税額 46円(980×5/105)
     取引 2         980円(税込)  内消費税額 46円  
     (略)
     取引10         980円(税込)   内消費税額 46円
      年間取引総額   9,800円 
   預った消費税額   460円 (46円×10取引分)

この事例でもわかるように、取引毎に端数処理できる積上法の方が、消費税の納税額が少なくなります。
しかし、現行の消費税法上は「総額法」が原則になっており、「積上法」はあくまでも特例のため、以下の2つの要件を満たした場合にしか認められません。

・端数処理を請求書や領収書の単位で行う(単品ごとの端数処理は不可)
消費税額を領収書等で相手に明示する。

つまり、多くの小売業は、納税上、自社にとって有利な「積上法」の要件を満たすために消費税額を表示しているのです。

一方、セブン&アイ グループは、端数分を自社の売上に含めてしまう「積上法」ではなく、預った消費税の端数分も含めて納税するのが適正との判断から、 「原則法」 を選択したため、敢えて消費税額を記載していないのです。

セブン&アイグループの考えている高い志が、むしろ反対にとられてしまうことを強く懸念します。

(消費税法の端数処理は、総額表示が強制される対消費者取引と、税抜表示が許容されている事業者間取引で適用される条文が異なるのでご注意ください。詳細については、拙書  『消費税改正の要点とシステム対応』 に根拠条文とともに解説しております。)

【追記】
ご質問があったので、追記しておきます。
積上法適用時の端数処理については、切り上げ、切り下げ、四捨五入のいずれも適用可能です。ただし、通常は四捨五入か切り捨てで処理されています。
下記の財務省HP「総額表示Q&A」Q7もご参照ください。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2004/sougakuhyoji/a_001.htm

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2013年11月11日 (月)

商社・卸売業向け消費税セミナーのご案内(12月5日開催)

日立ソリューションズ主催で、12月5日に開催されるセミナー

商社・卸売業様向け 消費税法改正セミナー
最終確認!消費税法改正におけるシステム対応ポイント!
~将来を見据えた環境変化に対応できる基幹システムのあり方とは~』

http://www.hitachi-solutions.co.jp/events/2013/futurestage/

の基調講演を担当することになりました。


20131111

【基調講演】
消費税改正時の留意点と今後の改正動向

~注意すべき税法規定と会計システムへの影響~

日時 2013年12月5日(木) 15:00~17:20
場所 東京都港区港南2-18-1 JR品川イーストビル20F 
定員  50人
参加費 無料

参加ご希望のかたは、上記、日立ソリューションズのHPからお申し込みください。

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2013年11月 5日 (火)

消費税法の経過措置から「雑誌」が除外されました

10月30日付で消費税法施行令が改正されました(政令第304号)。
http://kanpou.npb.go.jp/20131030/20131030h06161/20131030h061610002f.html
(上記、官報HPは一定期間後に閲覧ができなくなります)

改正の全文は以下の1行です。

附則第5条第2項中「特定新聞等」を「特定新聞」に改め「又は雑誌」を削る。

これだけでは、訳がわかりませんので、改正附則第5条第2項の全文を掲げると以下のようになります(赤字部分が削除されました)。

消費税法施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第56号)
附則第5条2項
 
事業者が,特定新聞 (不特定かつ多数の者に週,月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞 又は雑誌 で,その発行する者が発売する日を指定するもののうちその指定する日が施行日前であるものをいう。)を施行日以後に譲渡する場合には,当該特定新聞 の譲渡に係る消費税については、旧法第29条 に規定する税率による。

現在、雑誌は税抜価格でバーコード登録されており、発売日をもとに税率を判断するのは困難という書籍・出版業界の申し入れによって行われた改正のようです。

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