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2012年3月

2012年3月29日 (木)

消費税95%ルール改正に関するQ&Aの公表

平成23年度の消費税法改正によって、仕入税額控除の「95%ルール」が改正されました。
(改正の詳細については、過去の記事をご参照ください)

この、95%ルールの運用について、国税庁から新たなQ&Aが公表されています。

仕入控除税額の計算方法等に関するQ&A【基本的な考え方編】
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/kihon.pdf

仕入控除税額の計算方法等に関するQ&A【具体的事例編】
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/gutailei.pdf

今週の税務通信(No3206号)で予告(?)されていた通り、基本編31問、事例編30問、合わせて61問のQ&Aが示されています。

基本的に現行の法令及び通達を踏襲するもので、適用にあたっての留意点を述べるにとどまります。
しかし、下記の問いなどは実務の参考になるでしょう。

【基本的な考え方編】
問14 個別対応方式における用途区分(事業部門ごとの用途区分)

事業部門ごとに業務内容が明確に区分されている場合などは、事業部門ごとの用途区分も認められる。

問19 個別対応方式における用途区分(預金利子がある場合の用途区分)
総務、経理部門等における事務費などは、共通対応分として区分される。

問20 共通対応分の合理的な基準による区分(基通 11-2-19 の適用範囲)
基本通達 11-2-19 (共通用の課税仕入れ等を合理的な基準により区分した場合)を適用する際の留意点を解説。

【具体的事例編】
問6-1 中期国債ファンドの課税関係(課税売上割合)

中国ファンド設定後30日以内の換金は有価証券の譲渡として譲渡対価の5%を課税売上割合の分母に算入。設定後30日経過後は、分配金である利子部分のみが非課税売上として課税売上割合の分母に含まれる。

(ここから先は蛇足ですので、ご多忙な方は読み飛ばしてください)

今回の改正の影響を受けるのは、売上高5億円超の中規模以上の企業です。
この規模の企業になると、相応のITシステムを利用しなければ消費税を集計・申告することはできません。

また、法人税の改正事項は期末の決算作業時までに対応すれば良いのに対して、消費税改正は施行日以降の全ての取引に影響を与えます。

今回の改正では来週の4月1日以後に生じる全ての取引に、適切な課税区分が付与されるようにシステムを改修しなければなりませんから、各社の意思決定や対応は既に完了しています。

したがいまして、3月の最終週を迎えたこの時点で新たな指針が公表されても(それが実務の負荷を緩和するものであっても)、それを会計システムに反映させることは現実的に不可能です

「直せ!」と言われても、システム開発に携わる我々は、途方に暮れるしかありません

今国会で提出される消費税法案においては、このようなシステム開発にかかる負荷と期間を、十分に考慮していただけるよう、一担当者として切に願うばかりです。

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会計を基本から学びたい方向けに、SRC様主催で下記セミナーを用意しております。


「会計システムの基礎とシステム設計入門」
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また、新しい収益認識基準、改正された消費税法との関係については、下記のセミナーでご説明します。

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多くの方の参加をお待ちしております。

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2012年3月28日 (水)

新刊 『会計の公式』ができました! (いきなりの懺悔)

本日、4月3日発売の新刊、 『儲けにつながる「会計の公式」』の見本版が届きました。

お陰さまで、前作 『借金を返すと儲かるか?』が好評なため、日経ビジネス人文庫として文庫化に至った次第です。
ご愛読いただいた皆様に、お礼申し上げます。

単行本を、そのまま文庫化するのでは能がありませんので、今回は、『12歳でもわかる!決算書の読み方』で開陳した、B/S似顔絵分析法の解説を大幅に加筆しております。

その結果、今回の表紙は、この様になりました。
Web


「何だコリャ?」

そう、思われた方も多いでしょうが、何を隠そう今回の装丁はブックデザイン界の第一人者、鈴木成一氏 の作品であります!

NHKのザ・プロフェッショナルにも登場されましたので、そちらをご覧になられた方も多いと思います。

鈴木氏は、扱う装丁が年700冊(!)、手がけた装丁は延8,000冊(!!)を超える、超売れっ子装丁家です。
(もともと日経ビジネス人文庫の多くを担当されており、私の著作も、そのうちのひとつにすぎないのですが)。

『鈴木成一 装丁を語る。』 (鈴木氏自身が代表作を選び、演出意図を解説した本です)
Photo

原稿を読まれた鈴木先生の当初の提案は、本文中の「会計ブロック」を用いたものだったのですが、私が無理やり「どうしても目を入れてください」とお願いした結果、このような表紙になりました。

あらためて、鈴木先生の作品群をながめてみますと、

Summary

この輝かしい歴史の1ページに、今回の作品を加えてしまっていいものかと、申し訳ない気持ちであります。

ちなみに、前述した『鈴木成一 装丁を語る』の帯文を、村上龍氏が書かれており、

『「内容を厳密に、かつ抑制して暗示する
それが鈴木成一の装丁だ。
ときおりそれは、作家自身を驚かせる。
そんな装丁家は他に誰もいない。
                 ― 村上龍

この様な名文を前に、益々、恐縮するしかありません。
(どうみても、今回の作品は 「抑制して暗示」ではなく、 「そのまんま明示」してます)

いずれにしろ、中身はまっとうな会計書籍ですので、書店で見かけましたら、手に取って、一読(できれば、レジまで持って行って)いただければ幸いです。

【追記】
本日、小飼弾さんの 404 Blog Not Found にて、『会計の公式』をご紹介いただきました。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51227283.html

表紙が「似顔絵」になっているので、 『12歳でもわかる!決算書の読み方』 (フォレスト出版)を連想された方もいらっしゃると思いますが、今回、文庫化された『儲けにつながる「会計の公式」』の原著は『借金を返すと儲かるのか?』(日本経済新聞出版社)です。

文庫化にあたり、B/S似顔絵分析法の解説を加筆したため、このような表紙になっています。

再掲された小飼さんのブログを読まれて、単行本の『借金を返すと儲かるのか?』(日本経済新聞社)を購入しようとしている方がいらっしゃるようですが、来週発売される文庫版の方がお得ですので、くれぐれもご注意ください。

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2012年3月23日 (金)

債務超過時の似顔絵分析

先日、拙書『12歳でもわかる!決算書の読み方』の読者から質問のメールをいただきましたので、この場をお借りして回答いたします。

質問の内容は、
「純資産合計がマイナス(たとえば、資本金1000万、利益余剰金-1200万)の場合についてどのように似顔絵をかけるのですか?」

債務超過時の作図法についての質問です。
本作中では説明しておりませんでしたが、発売時に実施したアマゾン・キャンペーンの読者特典中で使用した事例を再掲しておきます。

具体的には、米国の航空会社アメリカン航空の2009年度貸借対照表で、
この時点で、34億ドル(!)の債務超過になっています。

20120323


債務超過時には、このように右列の負債部分を伸ばして記述すれば、よろしいかと思います。

なお、アメリカン航空は、この後、2011年11月に米国破産法第11章の適用を申請し、破綻に追い込まれています。
http://www.afpbb.com/article/economy/2843238/8141959

やはり、ここまで「右下がり顔」になると復活は厳しかったようです。

そもそも、この「似顔絵」って何なんだ?
と思われた方は、 『12歳でもわかる! 決算書の読み方』をご参照ください。

また、4月3日に発売する「借金を返すと儲かるのか?」の文庫版『儲けにつながる「会計の公式」』には、新たにB/S似顔絵分析法の解説も補筆しましたので、お急ぎでない方は、こちらもお得であります(2色刷りでも800円!)。

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2012年3月21日 (水)

株主資本等変動計算書の当期首残高の日付は?

週刊経営財務の今週号(2012年3月19日版)冒頭に、「会社法上の株主資本等変動計算書 書き出しは「4月1日残高」で適当か?」という記事が載っています。

(記事の詳細については会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)さんのブログで解説されていますので、こちらをご参照ください。)http://ivory.ap.teacup.com/kaikeinews/5238.html

話をまとめますと、過年度遡及会計基準導入に伴う会社計算規則の変更によって、株主資本等変動計算書の表示項目が「前期末残高」から「当期首残高」に変更されたのですが(会社法計算規則96⑦一)、これを日付で記載する場合、どのような記述になるのかという論点です。

3月決算会社を例にすれば、 文言通りでは「平成X年4月1日残高」という記載になりますが、4月1日中の取引を考慮すると「平成X年3月31日残高」の方が適当ではないかとも考えられます。

なお、経営財務の記事では、計算書類の「ひな形」を公表している経団連の「4月1日残高と記載することになる」との意見が紹介されています。
(ちなみに、あずさ監査法人発行の『会社法決算の実務《第6版》』でも、期首日付を想定しているようです)

実は、当方、来月初に発売する「借金を返すと儲かるのか?」の文庫版 儲けにつながる「会計の公式」―借金を返すと儲かるのか? (日経ビジネス人文庫)の原稿を「4月1日残高」として入稿してしまったので、この記事を読んで青くなっております。

20120321

文庫の方は、今後の実務動向をみながら適宜改訂していきますので、その節はご容赦ください。

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2012年3月 6日 (火)

村上春樹氏との戦い 第2幕!

昨日、3月5日は何の日でしょうか?
「啓蟄」であり、「巫女の日」でもあるのですが、私にとりまして、個人的な記念日であります。

と申しますのも、2年前の2010年3月5日、著作『12歳でもわかる決算書の読みかた』Amazonランキングの総合1位になった日だからです。

(↓2010年3月5日1時のAmazon総合ランキング画像)

Amazon120100305

これは、新書発売時のAmazonキャンペーン効果による一時的なものにすぎませんが、当時、村上春樹氏の『1Q84』が長期に渡って1位を続けており、1位の壁を超えるなど想像もしていませんでしたので、感慨もひとしおでありました。

個人的には、ビートルズの『アビイ・ロード』を1位から引きずり落とした『クリムゾン・キングの宮殿』の逸話と重ね合わせ、一人で悦に入っています。(どちらも、えげつないジャケットという点も共通)

Crimson

 

それから、2年の月日が経ち、今月末に村上春樹氏の『1Q84』が、遂に文庫化されます。
http://1q84.shinchosha.co.jp/news/2012_01/05.html

実を申しますと、拙書『借金を返すと儲かるのか?』も今月末に日経ビジネス人文庫として文庫化が決定しております。

儲けにつながる「会計の公式」―借金を返すと儲かるのか? (日経ビジネス人文庫)

2年の時を経て、再度、村上春樹氏の『1Q84』に戦いを挑むことになりました!
皆様の、ご協力を切にお願いする次第です!
(そもそも、勝負になっていませんが)

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