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2011年7月

2011年7月27日 (水)

改正消費税 個別対応方式と一括比例配分方式 その6(課税売上割合)

前回は、個別対応方式及び一括比例配分方式に対応するための仕入取引に関する留意点をご説明してきました。
もう1点、注意していただきたいのが課税売上割合の算出です。

従来、課税売上割合が95%を超える場合には、仕入税額を全額控除できるため、95%を大きく超える場合には、課税売上割合の計算に厳密さは求められませんでした。

しかし、今後、仕入税額の全額控除が認められなくなると、課税売上割合のコンマ数パーセントの違いが、納税額に影響を与えるため、課税売上割合を正確に集計しなければなりません。

課税売上割合算出時の注意点としては、以下のようなものがあります。

●非課税取引と不課税取引の区分
収益が課税取引か否かの判断については厳格に行われていても、非課税取引と不課税取引の区分については曖昧なケースが見受けられます。
例えば
非課税取引・・・土地の譲渡、受取利息、商品券等の譲渡

不課税取引・・・助成金、受取保険金、受取配当金、
          商品券等の発行(消費税基本通達6-4-5)

●有価証券の売買
課税売上割合の算出にあたっては、有価証券等の譲渡額の5%を分母に加算します(消費税法施行令第48条第5項)。
非課税になる有価証券等の範囲については、消費税基本通達6-2-1を参考にしてください。

●総額と純額
例えば、借上げ社宅の従業員負担額を社宅の賃借料と相殺処理する場合があります。しかし、消費税法上、住宅の貸付は非課税取引に該当します。

同様な事例で、実務上、厄介なのは、有償支給における消費税の扱いですが、判断基準として、下記の消費税法基本通達を参考にしてください。

消費税法基本通達
(下請先に対する原材料等の支給)

5―2―16
 事業者が外注先等に対して外注加工に係る原材料等を支給する場合において、その支給に係る対価を収受することとしているとき(以下5―2―16において「有償支給」という。)は、その原材料等の支給は、対価を得て行う資産の譲渡に該当するのであるが、有償支給の場合であっても事業者がその支給に係る原材料等を自己の資産として管理しているときは、その原材料等の支給は、資産の譲渡に該当しないことに留意する。

(注) 有償支給に係る原材料等について、その支給をした事業者が自己の資産として管理しているときには、支給を受ける外注先等では、当該原材料等の有償支給は課税仕入れに該当せず、また、当該支給をした事業者から収受すべき金銭等のうち原材料等の有償支給に係る金額を除いた金額が資産の譲渡等の対価に該当する。

課税売上割合を仕入税額に乗じるという消費税の計算ロジックは、課税売上割合の小さな変化が、最終的な納税額に大きな影響を与えます。
企業規模が大きくなると、この影響は甚大で、課税売上割合の小さな集計漏れが、納税額に予想以上の影響を与えるため、私も、たびたび肝を冷やしています。
皆様も、課税売上割合の集計手続きについて、再度、確認しておくことをお勧めします。

【追記】
会計の基礎から最新の税制改正までを解説するセミナーを開催します。
まず、入門編はこちらの講座
『会計知識の基礎とシステム設計入門』 
2012年 3月1、2


最新の消費税改正から、新しいIFRS収益認識基準まで 
『販売・購買管理の基礎とシステム設計入門』

2012年 3月15、16日  
講師:岩谷誠治 主催:ソフト・リサーチ・センター
http://www.src-j.com/index.html (月別一覧から検索してください)

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2011年7月26日 (火)

改正消費税 個別対応方式と一括比例配分方式 その5(留意点)

個別対応方式及び一括比例配分方式を選択する際には、下記の消費税基本通達に注意してください。

消費税法基本通達
(個別対応方式の適用方法)
11―2―18
 
個別対応方式により仕入れに係る消費税額を計算する場合には、その課税期間中において行った個々の課税仕入れ等について、必ず、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものとに区分しなければならない。したがって、例えば、課税仕入れ等の中から課税資産の譲渡等にのみ要するものを抽出し、それ以外のものをすべて課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして区分することは認められないのであるから留意する。

つまり、個別対応方式の適用にあたっては、個々の取引ごとに対応区分をつけることが予定されています。

各区分の具体的な内容については、以下のように規定されています。

消費税法基本通達
(課税資産の譲渡等にのみ要するものの意義)
11―2―12 

法第30条第2項第1号((個別対応方式による仕入税額控除))に規定する課税資産の譲渡等にのみ要するもの(以下「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」という。)とは、課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい、例えば、次に掲げるものの課税仕入れ等がこれに該当する。
なお、当該課税仕入れ等を行った課税期間において当該課税仕入れ等に対応する課税資産の譲渡等があったかどうかは問わないことに留意する。
(1) そのまま他に譲渡される課税資産
(2) 課税資産の製造用にのみ消費し、又は使用される原材料、容器、包紙、機械及び装置、工具、器具、備品等
(3) 課税資産に係る倉庫料、運送費、広告宣伝費、支払手数料又は支払加工賃等

消費税法基本通達
(課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等にのみ要するものの意義)
11―2―15 

法第30条第2項第1号((個別対応方式による仕入税額控除))に規定する課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等にのみ要するもの(以下「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」という。)とは、法第6条第1項((非課税))の規定により非課税となる資産の譲渡等(以下「非課税資産の譲渡等」という。)を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい、例えば、販売用の土地の造成に係る課税仕入れ、賃貸用住宅の建築に係る課税仕入れがこれに該当する。

消費税法基本通達
(不課税取引のために要する課税仕入れの取扱い)
11―2―16 

法第30条第2項第1号((個別対応方式による仕入税額控除))に規定する課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの(以下「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」という。)とは、原則として課税資産の譲渡等と非課税資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ等をいうのであるが、例えば、株券の発行に当たって印刷業者へ支払う印刷費、証券会社へ支払う引受手数料等のように資産の譲渡等に該当しない取引に要する課税仕入れ等は、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして取り扱う。

上記、基本通達を読まれると、「共通」に該当する取引の範囲は、皆さんの想像よりも、かなり広いのではないでしょうか。

理論としては理解できても、実務上は、取引ごとに対応区分を決定するのが困難なケースも多く発生します。その際には、以下の通達を参考にしてください。

消費税法基本通達
(共通用の課税仕入れ等を合理的な基準により区分した場合)
11―2―19 

課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当する課税仕入れ等であっても、例えば、原材料、包装材料、倉庫料、電力料等のように生産実績その他の合理的な基準により課税資産の譲渡等にのみ要するものとその他の資産の譲渡等にのみ要するものとに区分することが可能なものについて当該合理的な基準により区分している場合には、当該区分したところにより個別対応方式を適用することとして差し支えない。

消費税法の仕入税額控除における「仕入」とは、日常用語としての「仕入」、つまり商品や原材料の仕入れだけではなく、交通費や消耗品費といった「経費」も含んだ概念です。

したがって、会計システムのモジュールで見た場合、ユーザー数が多い上に多様な勘定科目の取引を対象とする「経費管理」「旅費精算」といったシステムへの影響が大きくなります。
特に、一般ユーザーの使用を前提とした旅費精算システムでは、取引パターンを選択することによって、勘定科目や課税区分を自動仕訳するため、これらパターンの抜本的な見直しと、ユーザーへの教育が必要になる点も注意してください。

次回は、課税売上割合算出時の留意点について解説していきます。

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2011年7月25日 (月)

改正消費税 個別対応方式と一括比例配分方式 その4(有利不利の判断)

消費税の申告にあたり、個別対応方式と一括比例配分方式どちらが有利なのでしょうか。
それは、各社の取引内容によって異なるため、一概に決めることはできません。
そこで、両方式の違いが表れる典型的な事例をご説明することで、方式ごとの特徴を理解していきましょう。

●個別対応方式が有利な場合

例えば、土地の売却は非課税売上になりますが、それに対応する仕入が土地(非課税仕入)しかなかったとします。
この事例では、課税仕入は全て課税売上に対応しますので、個別対応方式を採用した場合には、仕入税額の全額が控除できます。
注意:現実にはあり得ませんが、この事例では課税売上と非課税売上に共通して発生する仕入はなかったと仮定しています。)

しかし、このケースで一括比例配分方式を適用すると、仕入税額のうち非課税売上に対応する割合分が、仕入税額控除の対象から外れてしまいます。
つまり、個別対応方式を選択した方が、納税額が減少し、有利になるのです。

600_3
●一括比例配分方式が有利な場合

非課税売上に対応する課税仕入が多い場合には、一括比例配分方式を採用した方が有利になるケースがあります。

例えば、マンション等の賃貸不動産を購入し、住宅として貸付けた場合を考えてみましょう。
まず、住宅貸付に係る収入は非課税売上です。物件購入年度などは賃貸収入よりも対応する課税仕入が大きい場合があります。
このような状態で、一括比例配分方式を適用すると、本来、非課税売上に対応する仕入額の一部を仕入税額控除の対象に含めることが可能になります。

ただし、一括比例配分方式を採用した場合には、2年間の継続適用が求められる点に注意してください(消費税法第30条第5項)。

600_4

今回の事例は、いずれも極端なケースですが、実際の会社において両方式のどちらが有利になるかは、今回の事例の複合的な影響によるものです。まずは、極端なパターンにおける計算方式の影響を理解しておくことが大切です。

次回は、個別対応方式と一括比例配分方式を適用する際の留意点について解説していきます。

【追記】
下記スケジュールにて、消費税改正に係るシステム対応について解説するセミナーを開催予定です。多くの方々の参加をお待ちしております。

『消費税法改正の概要と会計システム対応』
日時 2013年6月14日 13:00~17:00
主催 SMBCビジネスセミナー

『消費税改正の概要とシステム対応』
日時 2013年6月20日 13:00~17:00
主催 みずほセミナー

『消費税改正の要点とシステム対応』
日時 2013年6月25日 10:00~17:00
主催 日経ビジネススクール

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2011年7月22日 (金)

改正消費税 個別対応方式と一括比例配分方式 その3(取引区分)

今回の消費税法改正で、課税売上高5億円以上の事業者については、仕入税額の一括控除が認められなくなりました。

この場合、個別対応方式と一括比例配分方式のどちらかを選択適用することになります。

一括比例配分方式の場合、課税仕入税額の総額に課税売上割合を乗じて、仕入税額控除の金額を算出します。

一方、個別対応方式に対応するためには、課税仕入の金額を

 ・課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ(課税取引対応)
 ・課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ(共通対応)
 ・その他の資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ(非課税取引対応)

  の3区分に分類します。

この個別対応方式における分類は、文章だけでは、誤解される方もいらっしゃるかもしれませんので、図表を用いて整理しておきます。

600_5

従来から行われていた分類は、その取引自体が課税取引か非課税取引かによる区分でした。
例えば、賃借料の中でオフィス分を課税取引、社宅分を非課税取引に区分するようなケースです。

個別対応方式では、課税取引に区分されたものを、さらに売上との対応関係から
・課税取引対応  ・共通対応  ・非課税取引対応
の3種類に分類します。
この、売上との対応関係という視点は、従来、考慮されていなかったものです。

個別対応方式と一括比例配分方式は、企業の判断によって、有利な方法を選択適用できます。

一括比例配分方式を採用する場合には、既存の数値を用いて納税額を算出できますので、会計システム等の変更は不要です。
一方、個別対応方式を採用するためには、3分類の消費税集計ができるように、会計システムの見直しが必要になります。

一般事業会社では、課税売上割合が100%に近い会社が多いため、仕入税額控除から除かれる割合は数%分にすぎませんが、乗じる金額(仮払消費税の総額)が大きい場合、両方式の差額は数千万から数億円に上ります。
まずは、自社における両方式の差額を、概算計算で把握しておきましょう。

次回は、個別対応方式と一括比例配分方式の有利不利の判断方法について解説していきます。

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2011年7月14日 (木)

改正消費税 個別対応方式と一括比例配分方式 その2

平成23年度の消費税改正を学ぶ前に、消費税の基本的な仕組みについて、おさらいしておきましょう。

単純な事例として、ある事業者が、100円の商品を仕入れ、得意先へ180円で販売したケースを考えます。
事業者は、本体価格とは別に仕入先に対して5円の消費税を支払い、得意先からは9円の消費税を受取ります。

この時、事業者の最終的な納税額は、得意先から預かった9円ではなく、仕入先へ支払った5円を控除した後の4円になります。
このように、預かった消費税から支払った消費税額を差引くことを「仕入税額控除」と呼びます。

この仕入税額控除の仕組みによって、消費税の最終負担者である消費者の負担額(このケースでは9円)と、消費までの前段階に係わった事業者の納税額の総合計額(仕入先の5円+事業者の4円)が合致するのです。

600_6
したがって、仕入税額控除額が増えるほど納税額は減ることになります。反対に、仕入税額控除額が減ると納税額は増加します。まずは、納税額と仕入税額控除額の関係を頭に入れておいてください。

仕入税額控除額の計算方法は、その事業者の課税売上割合によって異なります。
課税売上割合は、以下の算式で求めます。

Photo
現状の消費税法では、課税売上割合95%を境に仕入税額控除の計算方法が異なっています。
課税売上割合が95%以上の場合には、課税期間中の仕入税額の全額を控除可能、つまり仕入税額に関する調整計算は不要です。
一方、課税売上割合が95%未満の場合には、課税期間中の仕入税額の全額を控除することは認められず、個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかの方法を選択適用しなければなりません。

600_7

通常の事業会社では、毎年の課税売上割合が95%を大きく超えるため、仕入税額控除の調整計算は不要なケースが一般的でした。
しかし、今回の消費税改正によって、課税売上割合が95%以上であっても、課税売上高が5億円を越える場合には、仕入税額控除の調整計算が必須となりました。

従来から、課税売上割合が95%未満になる不動産業(土地の売却は非課税売上)や金融業(利息収入は非課税売上)の会計システムでは、仕入税額控除の調整計算を考慮してシステム構築されていますが、それ以外の業種については、会計システムへの影響を検討する必要があります。

次回は、この消費税法の改正が会計システムに与える影響について、解説していきます。

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2011年7月13日 (水)

改正消費税 個別対応方式と一括比例配分方式 その1

平成23年6月22日に、平成23年度の税制改正法案が成立しました。(国会を通過した法案の正式名称は「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」と、大変長いものです)。

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

今回の税制改正は、東日本大震災の影響を受け、震災前に国会提出されていた改正法案とは、大きく異なる内容になっています。

当初の目玉であった下記のような主要改正は見送られています。
・法人実効税率の引下げ
・減価償却制度の見直し

一方、消費税法の仕入税額控除の計算方法が変更されており、これは、既存会計システムに影響を与えるため注意が必要です。

問題になるのは、以下の条文です。

消費税法 (仕入れに係る消費税額の控除)
第30条 第2項

 前項の場合において、同項に規定する課税期間における
課税売上高が5億円を越えるとき、又は当該課税期間における課税売上割合が100分の95に満たないときは、同項の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額及び同項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき課された又は課されるべき消費税額(以下この章において「課税仕入れ等の税額」という。)の合計額は、同項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める方法により計算した金額とする。

一 当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れ及び当該課税期間における前項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等(以下この号において「その他の資産の譲渡等」という。)にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものにその区分が明らかにされている場合 イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算する方法

イ 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額

ロ 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額

二 前号に掲げる場合以外の場合 当該課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算する方法

(赤字が今回改正部分)

従来、課税売上割合が95%以上の場合には課税仕入れの全額を仕入税額控除できましたが、今回の改正により、課税期間の課税売上高が5億円(その課税期間が1年に満たない場合には年換算)については、全額控除は認められず、個別対応方式(消費税法第30条第1号)か一括比例配分方式(消費税法第30条第2号)のいずれかの方法を採用しなければなりません。

この改正は、平成24 年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。

条文中の「課税期間」は、その事業年度を指しており、消費税法における「基準期間」(その事業年度の前々年)とは異なりますから、5億円を超えた年度から即、適用対象になります。

合わせて注意していただきたいのは、消費税法第30条第5項については、改正は行われていません。

消費税法 
第30条 第5項

 第2項又は前項の場合において、第2項第2号に定める方法により計算することとした事業者は、当該方法により計算することとした課税期間の初日から同日以後2年を経過する日までの間に開始する各課税期間において当該方法を継続して適用した後の課税期間でなければ、同項第1号に定める方法により計算することは、できないものとする。

したがいまして、一括比例配分方式を採用した場合には、従来通り、2年間の継続適用が求められます。

今回は、取り急ぎ、根拠条文について確認しましたが、通常の事業会社の方々にとっては、見慣れない用語の連続だと思われますので、次回は、個別対応方式と一括比例配分方式の内容について説明していきます。

【追記】
消費税の基本から95%ルールの改正まで、関連するサブシステムへの影響も含めて解説するセミナーを開催します。
『販売・購買管理の基礎とシステム設計入門』

2012年 3月15、16日  ソフト・リサーチ・センター主催
http://www.src-j.com/index.html (月別一覧から検索してください)


P.S お急ぎの方は、拙書「収益認識プロセスと会計の接点」の41ページ。または「ビジネスプロセスと会計の接点 増補改訂版」の59ページに、個別対応方式と一括比例配分方式について説明しておりますので、ご参照ください。

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2011年7月 8日 (金)

よくわかる!「ITに対応した監査手続事例」

本日、日本公認会計士協会(IT委員会)から、IT委員会研究報告「ITに対応した監査手続事例~事例で学ぶよくわかるITに対応した監査~」の公開草案が公表されました。

http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1555.html

本研究報告の前書きに「会員の方々が容易に、一部を理解すること、あるいは読み進めてすべてを理解することのいずれも可能なように、ITに関係した重要で興味深いと思われる内容を、事例の形を借りて検討解説しています。」とあるように、従来の研究報告とは異なり、大変、読みやすい内容になっています。

研究報告の副題も、本屋でみかけるビジネス書のようであり、作成者の方々のご苦労がしのばれます。

草案中で気になった部分は、2番目の事例の、架空循環取引の発見につながる着眼点として、
「・これらを取引先の補助番号等で集計・分析する。」

という記載があります。この事例では、売上先と仕入先が同一業者のケースを想定しているようですが、通常、取引先コードは、同一の業者であっても得意先と仕入先で異なるコードを設定するため、取引先の補助番号等で集計するだけで異常性を検出するのは難しいのではないでしょうか(実務的には、循環取引は、3社間で行われるケースが多いです)。

また、本日、金融庁から金融機関における「システムリスクの総点検について」という要請文書が公表されています。

 http://www.fsa.go.jp/news/23/ginkou/20110708-4.html 

これは、先日のみずほFGにおけるシステム障害を受けてのものですが、報告書の提出期限は8月末ですので、金融関係のIT部門の方々は、夏休み時期の見直しが必要かもしれません。御注意ください。

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