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2008年11月

2008年11月27日 (木)

法人税法における工事進行基準 その3

先日の法人税法第64条第1項に続いて、第2項には、以下のような定めがあります。

法人税法第64条第2項
 内国法人が、工事(その着手の日の属する事業年度(以下この項において「着工事業年度」という。)中にその目的物の引渡しが行われないものに限るものとし、長期大規模工事に該当するものを除く。以下この条において同じ。)の請負をした場合において、その工事の請負に係る収益の額及び費用の額につき、着工事業年度からその工事の目的物の引渡しの日の属する事業年度の前事業年度までの各事業年度の確定した決算において政令で定める工事進行基準の方法により経理したときは、その経理した収益の額及び費用の額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。ただし、その工事の請負に係る収益の額及び費用の額につき、着工事業年度後のいずれかの事業年度の確定した決算において当該工事進行基準の方法により経理しなかつた場合には、その経理しなかつた決算に係る事業年度の翌事業年度以後の事業年度については、この限りでない。

この第2項だけ抜き出して読んでみても、よく意味がわからないと思います。

第1項とあわせ法人税法における工事進行基準の扱いをまとめると「長期大規模工事に該当する工事については進行基準を強制適用、それ以外の工事について進行基準を適用するかは会社の任意」ということです。
したがって、法人税法においては、「長期大規模工事」がどのようなものを意味するのかがポイントになります。

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2008年11月26日 (水)

法人税法における工事進行基準 その2

リース取引の話題で中断してしまいましたが、11月20日のブログからの続きで、法人税法における工事進行基準について説明していきしょう。
前回、法人税法においては、工事進行基準の適用について会計基準とは異なる「別段の定め」があると書きました。それは、法人税法第64条に定められています。まず、第1項から見ていきます。

法人税法第64条第1項
(工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度)

第64条  内国法人が、長期大規模工事(工事(製造及びソフトウエアの開発を含む。以下この条において同じ。)のうち、その着手の日から当該工事に係る契約において定められている目的物の引渡しの期日までの期間が1年以上であること、政令で定める大規模な工事であることその他政令で定める要件に該当するものをいう。以下この条において同じ。)の請負をしたときは、その着手の日の属する事業年度からその目的物の引渡しの日の属する事業年度の前事業年度までの各事業年度の所得の金額の計算上、その長期大規模工事の請負に係る収益の額及び費用の額のうち、当該各事業年度の収益の額及び費用の額として政令で定める工事進行基準の方法により計算した金額を、益金の額及び損金の額に算入する。

第1項をまとめると、長期大規模工事(ソフトウェアの開発を含む)については、工事進行基準によって収益認識することが強制されるということです。
会計基準においては、個々の請負工事について「成果の確実性」の有無を判断基準にして進行基準と完成基準を適用しますが、法人税法の世界においては「長期大規模工事」に該当した場合には進行基準を適用しなければならないのです。

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2008年11月24日 (月)

【緊急】リース取引おける消費税、これが「最後の」結論です

平成21年11月21日付けで国税庁から新しい消費税質疑応答事例が公表されました。

「所有権移転外ファイナンス・リース取引について賃借人が賃貸借処理した場合の取扱い」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/16/23.htm

この質疑応答の要旨をまとめると、所有権移転外ファイナンス・リース取引につき、賃借人が賃貸借処理をしている場合、そのリース料を支払うべき期の課税仕入れ等とすること(つまり、従来からの会計処理)を容認すということです。

本年3月の消費税基本通達改正時に、この扱いを明らかにしていただけたならば、リース関連のシステム修正を思いとどまった企業も多いのではないでしょうか。

(リース取引における消費税法上の問題点の詳細については、当blog「リース取引と消費税の悲劇」を御参照ください。)

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2008年11月20日 (木)

法人税法における工事進行基準 その1 

先日、連載が終了した日経新聞BizPlus「適用直前! 工事進行基準で経営はこう変わる」の第5回「もうひとつの工事進行基準」において、法人税法における工事進行基準の扱いについて解説しました。

セミナー等における質問をうかがっていても、この法人税法における工事進行基準の扱いについて混乱されている方が多いようですので、再度、整理しておきます。

まず最初に確認しておきたいのは、今回導入される「工事契約に関する会計基準」と法人税の関係です。法人税法第22条に以下の記述があります。

法人税法第22条(各事業年度の所得の金額の計算)
第2項 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
   (中略)
第4項 第2
項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。

新しい「工事契約に関する会計基準」は、第4項でいう「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に該当しますので、法人税法上もこの基準にしたがって計算をすればよいのですが、その前に「別段の定めがあるものを除き」という限定があります。

法人税法上、工事契約にかかる工事進行基準については、この「別段の定め」が存在しますので、会計基準よりも法人税法特有の「別段の定め」が優先して適用されることになるのです。

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リース取引における消費税、これが本当の結論?

リース会計基準の改正に伴い、混乱していた消費税の扱いについて、以前、「リース取引の消費税これが結論です」というエントリーを上げました。しかし、この通達が結論ではなくなるようです。

日本税理士会連合会のHPによれば、賃貸借処理したリース取引について、賃借料を支払いの都度、仕入税額控除すること(簡単に言えば、従来からの処理)も認められるようです。

近日中に国税庁のからの案内があると思いますので、詳細については、再度、ご案内いたします。

《追記》平成20年11月21日に公表された消費税質疑応答事例により、従来どおり賃貸借処理時に仕入税額控除することも認めらることが明らかになりました

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2008年11月11日 (火)

東京近郊以外で工事進行でお悩みの方々へ 

先日、長野県信州大学で開催された「組込みシステムコンソーシアム」ご参加の皆様、ご多忙のところご受講いただきありがとうございました。また、当会を企画・運営していただいた長野県テクノ財団の皆様のご協力に感謝いたします。

セミナー後の交流会において、多くの方々と、楽しい時間を過ごすとともに、開発現場の実情とお悩みを伺う事ができ、大変、参考になりました。(なお、帰りの新幹線には中尾彬夫妻が乗っていなかったことを、交流会ご参加の方々に、ご報告しておきます)

また、上田市のヨーカドーには、置かれていないと思いますので、拙書「国語 算数 理科 しごと」購入ご希望の方は、こちらからお願いいたします。

今後も、東京以外での工事進行基準セミナーを積極的に開催する予定です。
11月25日(火)には、大阪にて、みずほセミナー主催のセミナーを開催しますので、関西地方の方々のご参加をお待ちしております。

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2008年11月 5日 (水)

工事損失引当金の税務上の扱い

先日、連載が終了した日経新聞BizPlusの「適用直前! 工事進行基準で経営はこう変わる」について継続して質問をいただいておりますので、この場をお借りしてご回答いたします。

第6回「工事損失引当金という落とし穴」について、「工事損失引当金は税法上の損金になるのか」という質問を複数の方からいただきました。

この工事損失引当金の計上は財務会計上のものであり、法人税法上の損金には該当しません。税法上の扱いについては、先日改正された法人税基本通達2-4-19もご参照ください。

連載本文中に説明がなかったため、混乱された方々が多かったようです。言葉足らずで申し訳ありませんでした。

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