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2008年1月

2008年1月30日 (水)

リース取引と消費税

2008年4月1日以降に開始する事業年度から、新しいリース取引の会計基準が導入されます。それにあわせて、平成19年度の税制改正で所要の手当てが行われているのですが、気になる点があります。それは、リース取引に係る消費税の扱いです。
 
新しい会計基準では、従来、賃貸借処理が認められていた所有権移転外ファイナンスリース取引についても資産の売買に準じる処理が求められます。法人税法も会計基準にあわせて売買取引とみなすリース取引の範囲を改正しました。法人税法上、資産の売買ということになれば、消費税法もそれにしたがい、仕入税額の控除はリース開始時に契約金額の全額分を一括して行うことになります。

ここまでは、問題ないのですが、気になるのは少額・短期のファイナンス・リースの扱いです。会計基準では、契約期間1年以内や契約総額300万円の重要性がないと認められるリース取引については、従来からの賃貸借処理を認めています。
これに対応して法人税では、賃借料として処理した金額は、償却費として損金経理したものに含めて扱うこととし(法令131の2)、申告調整を不要としています。この流れからいけば、消費税法上も当然に賃貸借処理が認められ、従来どおり、その期の支出金額ごとの仕入税額を控除すればよいと思われます。
しかし、消費税には、そのような特段の扱いがないため、少額・短期のファイナンスリース取引についても一律に資産の譲渡とみなし契約開始時に総額を仕入税額控除することになってしまうのです。

自分は、そのような処理は非現実的なので、今後出る消費税基本通達で整理されるだろうと高を括っていたのですが、税務通信平成20年1月7日号(No2999)によれば、そのような通達の用意はないとのこと。
その記事を一部引用しますと、
「仕入税額控除の時期について、改めて当局に取材したところ、法人税及び所得税の規程上、リースが売買となる以上、消費税について、特段の通達改正を行わなくとも、現行の取扱いで引渡しを受けた時点で一括となることが再確認された。」

「再確認」されちゃったんですか?
経済産業省が公表した「平成19年度税制改正について」には、「実務に影響が生じないよう、所要の措置を講じる」と書いてあったのに。

《追記》1 平成20年3月31日に消費税基本通達の改正がおこなわれ、最終的な会計処理は、この通達にしたがうことになります(ただし、平成20年11月21日に公表された消費税質疑応答事例により、従来どおり賃貸借処理時の仕入税額控除も認められることが明らかになりました)。

2 平成20年度のリース取引に係る消費税改正による混乱を時系列に確認するには、当blog「リース取引と消費税の悲劇」、「リース取引と消費税の再まとめ」も御参照ください。

P.S 「会計などわからないのに会計システムの担当になってしまった!」という方には、拙書「借金を返すと儲かるのか?」(内容については小飼弾氏の書評でご確認ください)および「SEのための会計の教科書」をお勧めします。

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2008年1月29日 (火)

会計思考強化セミナー

2月22日、Systemlab社主催で、会計思考強化セミナー「在庫管理と低価法 ポイント総ざらい」が開催されます。

http://www.systemlab.co.jp/seminar/seminar04_erp_gx.htm

日時 2008年2月22日 13:30~17:00
会場 明治記念館
参加費 無料(予約制) 定員 100名

当セミナーの第2部は「棚卸資産評価基準の改正とシステム対応」と題して、私が担当いたします。また、続く第3部は「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか」で著名な林總先生がご担当です。

主催のSystemlab社は、国際取引、外貨関係に強いパッケージを提供している会社ですので、外貨がらみの在庫管理でお悩みの方々にも参考になると思います。
皆様のご参加をお待ちしております。

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2008年1月24日 (木)

「ITに係る内部統制の枠組み」の公表

1月21日付けで、日本公認会計士協会からIT委員会研究報告第35号「ITに係る内部統制の枠組み~自動化された業務処理統制等と全般統制~」が公表されました。

http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/35_1.html

これは、昨年11月8日付けで公表された公開草案の確定版です。

スプレッドシート等のEUCについても、原則として全般統制が整備・運用されていることを検討すべきとの結論が書かれていますが、その一方で、下記のような現実的な対応策の記述も含まれています。

「ただし、EUCやスプレッドシートは、IT部門が直接係ることが少ないため全般統制が整備されないことも多いが、スプレッドシートについては、作成者以外の再計算等の手作業の統制で十分な場合もある。」

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2008年1月18日 (金)

マーケティングと会計の接点第11回 補足

本日、日経新聞のWebサイトBizPlusに連載中のコラム、「マーケティングと会計の接点」第11回が公開されました。

http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/eigyo/rensai/iwatani2.cfm

今回は、第11回「価格を動かす消費税」として、総額表示の導入が価格設定に与える影響について解説しています。

総額表示の導入から3年を経た現在、店頭では、本体価格を省き総額表示に一本化しているケースが増えています。次回の消費税改正への対応は、マーケティング部門のみならず、企業経営全体に影響を与えるでしょう。

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2008年1月16日 (水)

連載記事へのご質問

年末年始中にいただいた連載記事へのご質問事項にまとめてお答えしておきます。

まず、「マーケティングと会計の接点」関係です。
第6回「中古品市場の魅力」として減価償却について説明しています。税法上の減価償却制度は、平成19年度に大幅な改正が行われ、取得日が平成19年3月31日以前分とそれ以降分で償却方法が異なります(その詳細については、国税庁のHPをご参照ください)。
ただし、本文中でご紹介している中古資産の耐用年数については、特段の改正は行われておりません。

第9回「冷たい子会社 ~グループ経営という視点~」について、「連結決算の導入によって子会社の対応が変わった」という表現が用いられていますが、この意味がわからないという質問をいただきました。
この部分については、「連結決算が決算書の中心になったため、親会社の単体決算を良く見せるような処理には合理性がなくなった」と読み替えていただければ理解しやすいと思います。

また、前シリーズの「これならわかる日本版SOX法と内部統制」につきましても、引き続き多くの方々にお読みいただいているようでご愛読ありがとうございます。
ただし、当シリーズは、掲載時点から本文の改訂を行っておりません。1年以上前の執筆のため、公開草案等を引用している部分がございますが、現時点では、すべて最終版が確定していますので、ご確認の程、よろしくお願いいたします。
内部統制関係基準の最終版については当BLOGもご参考ください。

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2008年1月 7日 (月)

日経ビジネススクール セミナーのご案内

あけましておめでとうございます。本年も、会計制度の動向をタイムリーにお伝えしていきたいと思います。

年明け早々、私事で恐縮ですが、セミナーの告知をさせてください。

「経理・財務、IT部門スタッフ向け
会計制度改正の最新動向とシステム対応のポイント

http://www.nikkei-nbs.com/nbs/seminar/080219B08_4.html

主催 日経ビジネススクール 
日時 2008年2月19日 10:00~17:00
場所 日本経済新聞社 第2別館 7階 NBSセミナールーム

四半期報告制度、リース会計、棚卸資産会計、さらに国際会計基準とのコンバージェンスなど、2009年度以降には、さまざまな会計制度の改正が予定されています。
本セミナーは、これからの会計制度改正が企業経営にどのような影響を与え、経理部門として“今”どう対応していけばよいのかを示していくものです。

また実務上、最大の問題となるITシステムへの影響及び対応策についても解説していきますので、経理部門のみならず、IT部門の方々のご参加もお待ちしております。

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