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2007年3月

2007年3月30日 (金)

減価償却方法の改正に係る政令

平成19年度の税制改正による減価償却方法の改正に関する政令が公布されました。

具体的には平成19年3月30日付け官報 号外 第66号に掲載されている
「政令第83号 法人税法施行令の一部を改正する政令」です。

内容は、国立印刷局の官報ホームページで確認することができます。
1ページづつしか表示されないため、見づらいのですが、減価償却関係は号外66号の209ページ(現行政令第48条の改正)あたりからが該当箇所になります。

定率法から定額法へ切り換える時点については、新たに「償却保証額」という概念を用いて整理しています(政令第48条の2 第5項参照)

【追記 2015/9/16】
減価償却制度の全体像については、下記エントリーにまとめてあります。
 『減価償却計算の歴史 改定償却率や償却保証額は、どこから生まれてきたのか』

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2007年3月29日 (木)

法人税基本通達の改正

平成18年度の税制改正にあわせ、法人税基本通達が改正されています。
18年度改正の中心課題である役員給与関係の通達が出揃っていますので、経理・税務担当の方々はご参照ください。

一方、IT関連部署の方々に関係のある通達としては、平成18年度に導入された情報基盤強化税制に関するものがあります。
情報基盤強化税制とは、平成18年4月1日から平成20年3月31日の間に、取得又は賃貸した、特定要件を満たす情報システムについて、税額控除と特別償却を認めるものです。(租税特別措置法第42条の11)。

今回の通達「措通42-11-2」において、ソフトウエアの改良費についても、一定の条件のもとに制度の適用対象になることが明らかにされています。

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2007年3月28日 (水)

3月期決算確認事項 評価方法の変更

3月決算の期末日が近づいてきました。下記の税務上の届出書は、「変更しようとする事業年度開始の日の前日」が提出期限になっています。

・棚卸資産の評価方法の変更 (法人税法施行令第30条第2項他)
・有価証券の評価方法の変更 (法人税法施行令第119条の6第2項他)
・減価償却方法の変更 (法人税法施行令第52条第2項他)

上記業務に関連するシステムの開発を行なっている方々は、経理部門又はクライアントのご担当者に、一度、確認されることをお勧めします。

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2007年3月26日 (月)

少額減価償却資産特例の注意事項

3月決算会社にお勤めの方々は、決算期末の多忙な日々が続いていると思われます。
決算期末になりますと、予算消化のために固定資産の購入を検討されている方々も多いのではないでしょうか。
その際に、中小企業等においては、取得価額30万円未満の少額減価償却資産を取得時に全額損金算入できる特例が設けられています。(ノートPCを買うのに丁度いい金額なんですよね。)

ただし、この特例は、平成18年度の税制改正によって、年度の取得価額の合計額が300万円までしか適用できないという上限規定(措法67の5①9)が設けられていますので、ご注意ください。

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2007年3月22日 (木)

償却可能限度額誕生秘話 補足

先日(3月19日)の償却可能限度額のエントリーに、説明が足りない部分がありましたので、補足しておきます。(このブログは、”補足”が多くてすみません。私の力不足が主因ではありますが、会計制度の複雑性にも起因するものですのでご容赦ください。)

私の説明が不足していたと思われるのは
「残存価額を下げると、定率法の償却率にも影響が生じてしまいます。」
の箇所です。
この部分を理解していただくために、税法における定率法の償却率の算出式を説明する必要がありました。

耐用年数n年の定率法の償却率=1-n√(残存価額/取得価額)
               
つまり、残存価額の取得価額に対する割合(現状0.1)のn乗根を1から引いた数が耐用年数n年の定率法の償却率になるように定めています。耐用年数到達時に残存価額分だけ簿価が残るようにするには、このような複雑な計算が必要になるわけです。

この計算式が存在するため、固定資産の償却額を増やすために、単純に残存価額を変更してしまうと、その影響が定率法の償却率全体に及んでしまい、税収に与える影響が大きくなってしまいます。そこで、昭和39年の改正では、この償却率へ影響を与えないために、残存価額に手を付けず、償却可能限度額という概念を新たに導入したということです。
(これで、皆さん、ご理解いただけたでしょうか。)

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2007年3月19日 (月)

償却可能限度額誕生秘話

今年の税制改正で一躍注目をあびた「償却可能限度額(5%)」ですが、私は以前から、昭和39年の導入時に、どうして残存価額の10%と泣き別れになったのか、その理由をはかりかねていました。

税務弘報最新号(2007年4月号)「実務家から見た減価償却制度のあり方」という座談会の中で、税理士の山本守之先生が、償却可能限度額が導入された経緯について、吉牟田先生の書籍を引用して説明しています。

その説明によれば、当初の経済界の要請は、残存価額の引下げでしたが、残存価額を下げると、定率法の償却率にも影響が生じてしまいます。
例えば、残存価額を5%にした場合
「当時(昭和39年)で4,000億円程度、税率3%引下げと同じ減収が生ずることが試算された。そこで、残存価額が高すぎるという批判に応え、しかも税減収を小さいものにするため、残存価額(10%)と償却可能限度額(95%)の二重の制度が設けられたものである。」(吉牟田勲 『法人税法詳説』中央経済社)

私は、償却可能限度額を引き下げる話が先にあって、実務への影響等を考慮して償却率の改正が見送られたものと思っていたのですが、事実は、その反対で、償却率へ影響を与えないために、償却可能限度額という新しい概念が導入されたのが実情のようです。
しかし、一時的な税収調整の施策が、その後40年間も継続していたというのも、いかがなものでしょうか。

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2007年3月16日 (金)

SOX法対策の参考資料リンク集

本日、大阪北浜フォーラムで開催したSOX法セミナーの受講者の皆さん、ご多忙のところご参加いただき、ありがとうございました。

セミナー内でご紹介したSOX法参考資料の入手につきましては、下記のリンクをご利用ください。
http://iwatani-c.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/sox_369a.html
http://iwatani-c.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/sox_2beb.html

また、当セミナーは、おかげ様でご好評いただき、再々度、東京で追加開催されることになりました。
5月10日 「日本版SOX法とIT・情報システム部門の対応」
(主催:みずほ総合研究所   会場: 東京 新橋 航空会館)
SOX法対策でお悩みの方々には、ひとつの方向性をご提示できると思います。皆様のご参加をお待ちしております。

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2007年3月15日 (木)

「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の読み方

先日、ご紹介した、「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」(以降「取扱い」と記す)を読んでみたものの「言っている意味がわからない」といったご意見をいただきました。それも、ごもっともですので、今回は、若干の補足をしておきます。

この「取扱い」を読みこなすためには、会計の全体構造を理解しておく必要があります。会計は「会社法」「金融商品取引法」「税法」という3つの法律から成っており、特に税法にもとづく「税務会計」は、「会社法」と「金融商品取引法」の定める通常の会計(ここでは、これを「企業会計」と呼びます)とは異なるものと考えられています。

したがって、「取扱い」における議論の前提として、「企業会計」と「税務会計」における減価償却は、本来、まったく別物という考えかたあるわけです。
その、本来別物である「税務会計」による減価償却を、「企業会計」における減価償却として「監査上容認する」というのが「取扱い」の主旨になります。

従来、日本における会計慣行では、「税務会計」にしたがって計算した減価償却費を、「企業会計」上のものとみなして処理するのが通常ですから、実務に携わっている方でも、この2つの会計領域の違いを認識しづらいのです。

反対に、両会計の違いが顕在化する例としては、減損会計があります。「企業会計」上、必須の処理である減損会計は、「税務会計」上は認められていません。

少し、専門的な話になってしまいました。会計の全体構造をご理解していただくためには、拙書「SEが知っておきたい会計の落し穴」(中央経済社)9-21ページ(特に16ページの図)又は「ビジネスプロセスと会計の接点 増補改訂版」(中央経済社)18-26ページなどもご参照いただければ幸いです。

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2007年3月14日 (水)

減価償却制度変更の監査上の扱い

平成19年度税制改正による減価償却制度の変更を、監査上どのように扱うかについて、平成19年3月8日付けで、日本公認会計士協会 監査・保証実務委員会が、
「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」(公開草案)
として公表しています。
http://db.jicpa.or.jp/visitor/general/show_detail2.php?id=1067

この公開草案の基本的な主旨は、平成19年度の改正税法にしたがって行なわれる減価償却は、監査上、容認しうるということです(ただし、定額法・定率法間の償却方法の変更を伴う場合は除く)。
また、今回の税制改正に伴う会計処理の変更は「正当な理由にもとづく会計方針の変更」として取り扱われます。

公開草案の前文にも記載されているように、現時点では具体的な政令等が公表されていないため、その内容によって公開草案の内容も変更される可能性があります。
なお、政令は本法国会通過後の3月末に公表されるのが通例です。

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2007年3月13日 (火)

償却方法の変更 その5

減価償却方法の変更を行なう際に、実務上注意すべき点として、税務上の申請期限があります。
法人が償却方法を変更する場合には、新しい償却方法を採用する事業年度開始の日の前日までに所轄税務署長に申請書を提出しなければなりません。(法人税法施行令52条)。
この期限を超えた場合には、提出した事業年度における償却方法の変更は、税務上認められず、従来の償却計算方法にもとづいて所得計算することになります。

なお、個人の所得税の場合には、変更しようとする年の3月15日までに変更の申請書を所轄税務署長に提出しなければなりません(所得税法施行令124条)。
今年の期限日が近づいていますので、該当する方々はご注意ください。

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2007年3月 9日 (金)

SOX法対策の参考資料リンク集 再々掲

本日のセミナーを受講いただいた皆さん、ご参加、ありがとうございました。

当ブログ内では、再々掲になってしまいますが、SOX法参考資料のリンクについては、下記のアドレスをご参照ください。

http://iwatani-c.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/sox_369a.html
http://iwatani-c.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/sox_2beb.html

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2007年3月 8日 (木)

関西在住でSOX法対策にお困りの方々へ

来る、3月16日(金)に、みずほ総合研究所主催のセミナー
「日本版SOX法とIT・情報システム部門の対応」
を大阪の北浜フォーラム(大阪証券取引所のあるところです)で開催します。
http://www.mizuhosemi.com/html/shousai/18-2116.html

当セミナーは、おかげ様でご好評いただき、東京での追加開催に続き関西地域での開催となりました。

システム・ITに携わる方々を対象に、日本版SOX法による影響と、具体的な対応策について解説します。先日、確定した実施基準のポイント、経産省のIT統制ガイダンスの利用法等最新情報を含めて説明していきますので、お時間のあるかたは是非、ご参加ください。

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2007年3月 7日 (水)

減価償却方法の変更 その4

(先日から続く)
法人税基本通達 7-4-4にしたがって減価償却方法の変更を行う際の2つ目の問題点は耐用年数の扱いです。

法人税基本通達7-4-4
(定率法を定額法に変更した場合の償却限度額の計算)
              (中略)
(2)耐用年数は、減価償却資産の種類の異なるごとに、法人の選択により、次のイ又はロに定める年数による。
イ 当該減価償却資産について定められている耐用年数
ロ 当該減価償却資産について定められている耐用年数から経過年数(その変更をした事業年度開始の日における帳簿価額を実際の取得価額をもつて除して得た割合に応ずる当該耐用年数に係る未償却残額割合に対応する経過年数)を控除した年数(その年数が2年に満たない場合には、2年)

(イ)に定められているように、税法上は、通常の耐用年数をそのまま用いてもよいのですが、そうすると、減価償却費の計上ペースが遅れるため、税務上不利になります。また、償却方法の変更によって資産の耐用年数が延長されてしまうのは、会計理論上も不合理ですので、(ロ)の経過年数を差し引いた耐用年数を用いるのが一般的です。

この、(ロ)の年数は、個々の資産の経過年数を考慮する必要があるため、資産の用途・構造で定められている法定の耐用年数表を自動的に適用することができなくなります。

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2007年3月 6日 (火)

減価償却方法の変更 その3

減価償却方法の変更にあたって、参照すべき法人税基本通達 7-4-4の原文から、主要部分を引用します。

法人税基本通達7-4-4
(定率法を定額法に変更した場合の償却限度額の計算)
減価償却資産の償却方法を定率法から定額法に変更した場合には、その後の償却限度額は、次の(1)に定める取得価額及びu残存価額を基礎とし、次の(2)に定める年数に応ずる償却率により計算するものとする。
(1)その変更した事業年度開始の日における帳簿価額を取得価額とみなし実際の取得価額の10%相当額を残存価額とする
(2)耐用年数は、減価償却資産の種類の異なるごとに、法人の選択により、次のイ又はロに定める年数による。
イ 当該減価償却資産について定められている耐用年数
ロ 当該減価償却資産について定められている耐用年数から経過年数(中略)を控除した年数(その年数が2年に満たない場合には、2年)

この通達にしたがって、償却計算を行なおうとすると、通常の減価償却システムではフィットしない部分が2箇所でてきます。

1つ目は、取得価額と残存価額の扱いです。
現行税法における定額法の減価償却費は
減価償却費=(取得価額 – 残存価額)×定額法の償却率

で計算します。本来、取得価額は、各資産にひとつづつ決定されるものですが、この規定にしたがって計算を行なうには、「当初の取得価額」と「変更時の取得価額=変更時の帳簿価額」の2種類が必要です。
変更後の減価償却費を計算するために、「当初の取得価額」を「変更時の取得価額」に単純に置き換えてしまうと、残存価額(当初の取得価額の10%)の算出が出来なくなってしまいます。
この問題を解決するためには、従来の減価償却計算とは異なるロジックが必要になるのです。
(以降、次回に続く)

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2007年3月 5日 (月)

減価償却方法の変更 その2

先日に引き続き、償却方法の変更について、もう少し詳細までご説明しておきます。
と申しますのも、本年度の税制改正で、減価償却制度の大幅改正が行なわれると、現行制度の減価償却をお伝えする機会が失われてしまうと思われるからです。
プログラムの中に残された、過去のロジックを解読するためにも、現行制度における償却方法の変更における留意点を、備忘録としてまとめておきます。

現行の法人税法における償却方法の変更に関する詳細は、
法人税基本通達 7-4-3 (定額法から定率法へ)
法人税基本通達7-4-4 (定率法から定額法へ)
に定められています。

平成10年の税制改正において建物の償却方法が限定された際には、上記通達7-4-4にしたがって償却計算が行なわれるようにシステムの修正が行なわれました。
(次回へ続く)

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2007年3月 1日 (木)

平成10年の税制改正 償却方法の変更

先日のブログに書いた、平成10年の税制改正と固定資産管理システム(又は減価償却システム)との関係について補足しておきます。
平成10年度の税制改正では、減価償却制度の大幅な見直しが行なわれました。
まず、実情との乖離が指摘されていた建物の法定耐用年数が、最長で50年までに(従来は最長65年)短縮されました。
ただし、税収減への影響を考慮し、耐用年数短縮の効果を相殺するような施策も合わせて導入され、新規取得建物の償却方法は定額法に限定されることになりました。
税法上は、新規取得建物(平成10年4月1日以降取得分)のみに適用される規定ですが、企業会計上は、同一条件の資産について異なる耐用年数が適用されることは不適切であるため(監査第一委員会報告第32号参照)、上場企業の多くが、従来から所有していた建物についても償却方法を定額法に変更したのです。
この償却方法の変更という手続は、税法上も会計上も認められているものですが、この機能を有していない固定資産管理システムも多いため、特殊なロジックを組み込むことによってシステム対応するケースが生じました。

したがって、固定資産管理システムを修正又は移行する際には、平成10年度における対応方法を確認しておかないと、正しい減価償却計算を継続できない恐れがあるので注意してください。
(しかし、当時の担当者が、残っているとは限りませんので、その際は、ソースプログラムにあたりましょう。)

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