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2006年10月

2006年10月31日 (火)

棚卸資産の評価に関する会計基準 その2

一昨日からの続きで、「棚卸資産の評価に関する会計基準」についての解説の第2回です。

棚卸資産の評価基準には、従来から原価法と低価法の選択適用が可能でした。

原価法---取得時の単価を据え置く

低価法--期末時の時価と、取得時の価格のいずれか低い方に単価を付け替える

新基準が適用されると、いわゆる低価法の適用が強制されます。新基準では、会計処理について以下のように表現しています。

「通常の販売目的で保有する棚卸資産の評価基準

7.通常の販売目的(販売するための製造目的を含む。)で保有する棚卸資産は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とする。(以降略)」

低価法自体は、従来も認められていた会計処理ですから、通常の在庫管理システムのパッケージにおいては対応可能な機能と思われます。原価法を採用していた企業で、作りこみの在庫管理システムを使用している場合には、システムの見直しが必要になるでしょう。

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2006年10月30日 (月)

日経BizPlus連載 第8回 補足

本日、日経BizPlusに連載している「これならわかる日本版SOX法と内部統制」の第8回分が掲載されました。

字数の制限によって、コラムで表現し切れなかった部分について、このブログで補足しておきます。

今回のテーマは「内部統制監査~『監査』とは何か~」となっていますが、今回のコラムで一番、お伝えしたかったことは、最後の

「単なる「不備」の有無が論点ではないことに注意してください」

の一文です。

そもそも、内部統制という仕組み自体が限界を有するものですから(それは、基準案でも明言されています)、制度構築も、その前提のもとで行われます。

しかし、そこに「監査」や「公認会計士」という単語が表れると、なぜか「完全」、「完璧」、「漏れなく」といった単語が頭をよぎります。

確かに、監査人は監査の過程において、子細な事象にも着目しますが、それが、最終的な監査意見の形成に影響を与えるのかは、別次元のことです。この監査の過程における我々(会計士)の言動と、監査意見との関係が、一般の方々には伝わらないため、「会計士は細かいことばかり見ている」という印象を与えてしまうのでしょう。

あくまでも、監査意見は、監査基準に基づいて述べられ、内部統制監査の基準においては、「重要な欠陥」の有無が論点であり、単なる「不備」の有無が問題ではないことは、実務を進める上で、知っておいていただきたい視点です。

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2006年10月29日 (日)

棚卸資産の評価に関する会計基準 その1

当、Blog開設のきっかけにもなった、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号)が平成18年7月5日付けで企業会計基準委員会から公表されています(このサイトから原文をダウンロードするためには、会員登録が必要です。なお、「JICPAジャーナル」2006年9月号に全文が掲載されています)。

この会計基準が、システムに影響を与える論点としては、以下のものがあります。

  • 棚卸資産の評価基準として、いわゆる低価法の強制適用
  • 簿価切り下げ額の戻し入れ方法の選択(洗替法と切放し法)

なお、この会計基準の適用時期は平成20年4月1日以後開始する事業年度からになっています(ただし、早期適用も可能)。なお、この適用時期は、金融商品取引法の内部統制規制の開始時期と一緒の点も注意してください。

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2006年10月28日 (土)

はじめまして

はじめまして。新しくブログをはじめることになりました、公認会計士の岩谷誠治です。

このブログは、以下の2点を目的としています。

ひとつ目の目的は、読者の方々の質問に答えることです。

私は現在、日経SYSTEMS誌(日経BP社)に「財務会計丸分かり」、日経新聞のWebサイトに「これならわかる! 日本版SOX法と内部統制」を連載しています。その関係から、読者の方々からいただいた質問やご指摘には、個別にメールで回答していました。しかし、ご質問の多くは、私自身が見落としていた部分を指摘していただくものが多く、一般の読者の方々にとっても有益なものが多いため、それらご質問事項にお答えする場として、このBlogを活用していきたいと考えています。

ふたつめは、システム開発に携わっている方々に、会計法規の最新情報をお伝えすることです。

先日、定例で開催しているSE及びITコンサルタント向けの会計セミナーの受講者に「棚卸資産の評価に関する会計基準」が変更されたことを知っているかを尋ねたところ、ご存知のかたは、ひとりもいらっしゃいませんでした。

棚卸資産の評価基準として低価法の適用を強制する、この会計基準変更の影響は、我々システム開発に携わるものにとっては、かなり大きいと思うのですが、このような会計情報が提供される機会が少ないことを再認識させられました。

また、同主旨の書籍として「ビジネスプロセスと会計の接点」(中央経済社)を上梓していますが、何分、書籍という性質から、タイムリーな情報提供が難しいところがあります。

そこで、当Blogで、「システム開発に関係する」会計情報をタイムリーに提供していきたいと思っています。

これからも、お付き合いのほど、よろしくお願いします。(どうも、固い文章になってしまいました。これから、徐々に、こ慣れてくると思います。)

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