2017年9月14日 (木)

書評 『ワンストップ相続実務』 弁護士と税理士の間には

弁護士の長谷川裕雅先生から、新刊 『ワンストップ相続税務 弁護士と税理士 ~二つの異なる言語』
を献本いただきました。

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長谷川先生は、ベストセラーとなった 『磯野家の相続』 シリーズの他にも相続税になじみのない方々を対象にした多くの作品を著わしています。
法人税や所得税と異なり、一般の方々が相続税に関係するのは人生で1、2度しか起きませんから、相続税関連の書籍の多くが初心者向けになるのは当然です。

その一方で、実際に相続案件を進めていくと一般論とは異なる様々なトラブルが生じます。
そこで本書では
「相続の代表的な専門家である弁護士と税理士、それぞれの業務である遺産分割と相続税申告でクロスする問題に焦点をあてます。専門分野が交錯し、専門家でも誤解しがちな点をワンストップで解決するにはどうしたらよいかをわかりやすく説明し、一般の方にも理解してもらうことが本書のねらいです。」(本書「はじめに」より引用)

通常、このような専門家領域間の論点は関与する専門家の知識不足が原因で生じることが多く、それは各専門家の自助努力によって解決するしかありません。
しかし、知識不足だけが原因ではなく、各士業の制度上の違いから生じてしまう相違点も存在します。

税理士は「独立した公正な立場において」「納税義務の適正な実現」を使命としているのに対して(税理士法第1条)、弁護士は「当事者その他関係人の依頼」によって「法律事務を行うことを職務」 としています。(弁護士法 第3条)

その結果、税理士が「納税義務の適正な実現という公益的使命も同時に負っている」のに対して「弁護士のほうが依頼者のためにギリギリのところまで寄り添う場面が多い」(本書205ページ)というように、意見の相違が避けられない局面もあるのです。

本書の第2編では、この「立場の違い」だけではなく、「依頼者の違い」「求められるものの違い」「時間制限の有無の違い」といった視点から、両者の相違点を踏み込んで解説しています。
依頼者としては、「自分がわからないことなんだから専門家に頼んでいるのに!」と思われるのも当然ですが、依頼者の方が本書を一度お読みいただければ無用なトラブルを避けることができるはずです。

さらに、本書は、相続人になられた方が購入するだけではなく、税理士、弁護士の方々が読まれても依頼者の誤解を解く際に役立つ多くの知識が得られるでしょう。

<追記>
ちなみに、長谷川先生の前作は『不倫の教科書 既婚男女の危機管理術』
ですが、昨今、話題になっている政治家や芸能人の皆さんも、この書籍を事前に読んでいれば、このような悲劇は生まれなかったのではなかったのかと悔やまれます。

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【【書評】『ワンストップ相続実務』弁護士と税理士の間には

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2017年7月27日 (木)

【書評】「国際会計の実像」 は会計史のゆげ塾だ!

本日は、杉本徳栄教授が著した
『国際会計の実像 -会計基準のコンバージェンスとIFRSsアドプション-』 (同文館出版)をご紹介します。

と申しながら、私が本書を購入したのは「会計・監査ジャーナル」 8月号の山田辰巳先生の書評を拝見したからでありまして、私の駄文を読むよりも山田先生の書評をお読みいただいた方が、本書の魅力が伝わることを冒頭にお断りしておきます。

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現物が届きましたが、全1280ページ 定価13,000円(!)の大著でとにかく厚いです。

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比較用に隣に並べた『法人税法基本通達 逐条解説(八訂版)』(1664ページ)と比べると実務家の皆さんにはイメージしやすいと思います(ちなみに、こちらは7,200円)。

しかし、物理的な「厚さ」だけではなく、本書の中身の「熱さ」は、帯文の「著者渾身の一冊」 とおりの充実した内容です。

はしがきから本書の特徴を引用しますと、
「本書は、会計は言うに及ばず、外交を含む政治、経済、法律などの全方位から「制度」を捉え、会計基準のコンバージェンスとIFRSsアドプションを余すところなくまとめあげ、その実像について描き出すことを試みたものである。」

EU市場におけるIFRS義務化から始まった会計基準の統合議論は、我が国においても会計領域を越えた大テーマとなり、2010年前後に、そのピークを迎えました。
当時の米国と日本の状況を主要事項とともに簡単に時系列で追っていくと、

2008年8月 米国・SEC「ロードマップ規則案」の公表
(Roadmap for the Potential Use of Financial Statemnet Prepared in Accordance with International Financial Reporting Standards by U.S.Issuers)

このロードマップ規則案をベースに、我が国の方向を示す意見書が公表され、
2009年6月 日本・金融庁「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)」

その後、米国で
2010年2月 米国・SEC 「SEC声明」
(Commission Statement in Support of Convergence and Global Accounting Standards)
が公表されましたが、このSEC声明は、当初のロードマップ規則案よりもIFRS導入に距離を置いた内容になっていたため、この時点で日本の進行状況が米国を追い抜くような状態になってしまいました。

このころ、国内のIFRSブームがピークを迎え、強制適用時期を巡る議論も進みましたが、東日本大震災直後の2011年6月21日に、民主党政権下の自見庄三郎金融大臣の談話
「IFRS適用に関する検討について」が公表され、2015年3月期における強制適用が否定されます。
その後、IFRS任意適用企業が徐々に増加して現在に及んでいます。

我が国においては、この時の自見金融大臣の発言が大きなターニングポイントになっており、その過程について本書第14章で詳細な検証が行われています。

当時の自見氏の考えとして、本書では『日経ヴェリタス』の発言が引用されています。

「当時は内外の情勢を考えて拙速な判断を避ける狙いがあった。金融庁の事務方では方針を転換するのは難しかったので、私が悪人となって政治主導でやるしかなかった。」(本書 1147ページ)

そして、自見大臣の発言中に出てきている政治主導の流れが、我が国でどのようにして生まれてきたのかを郵政民営化問題まで遡って分析しています。

近年、ビジネス書の領域で歴史書のヒットが増えています。
その中でも、受験世界史専門の塾を主催している ゆげ塾 さんの一連の著作は、今まで学んできた世界史を異なる視点から切り取って提示してくれるので読者を飽きさせません。

本書は会計の専門書というよりも学術書の領域の書籍ですが、IFRSの歴史を多様な視点から読み解いているため、「ゆげ塾」さんのビジネスマン向け歴史書のように、そのボリュームと関係なく興味を持ち続けながら読み進められます。

最後に冒頭でご紹介した山田先生の書評からの引用でしめさせていただきます。

「著者が、本書を完成させるためにどれだけの膨大な時間を費やして資料を収集し、分析整理したかを思うと、その情熱には感動すら覚える。著者の努力に敬意を表したい。」(「会計・監査ジャーナル」2017年8月号137ページ)

P.S
当HPでのご案内が遅れてしまいましたが、丁度、今月、拙書 『この1冊ですべてわかる 会計の基本』 が12刷りとなりました。
増刷の都度、書籍内の推薦図書を見直しているのですが、今回の増刷時に本書をIFRSの推薦図書に入れることができなかったため、次回13刷の際に御紹介する予定です。(そう言いながら13刷に到達しなかった際にはご容赦ください)

【書評】「国際会計の実像」 は会計史のゆげ塾だ!

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2017年7月21日 (金)

収益認識に関する会計基準(案)の公表 

昨日、7月20日付で企業会計基準委員会から企業会計基準公開草案第61号『収益認識に関する会計基準(案)』が公表されました。

https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2017/2017-0720.html

従来、我が国では収益認識に関する包括的な会計基準が存在しませんでしたが、IFRS15号(及びFASB Topic606 )「顧客との契約から生じる収益」の公表にあわせ、新たな日本基準としての開発が進められています。

公開草案では、平成33年4月1日以後開始する連結会計年度からの適用を予定しており(78項)、平成30年4月1日以後開始する連結会計年度からの早期適用も認められています(79項)。

私は、以前から消費税改正と収益認識基準の導入時期が重なってしまうことを恐れていたのですが、税率改正の度重なる延期により軽減税率の導入が平成31年10月から、インボイス方式導入が4年間の猶予措置を経た平成35年10月となりましたので、IT部門においては、新基準の早期適用も含め、自社における最適な導入タイミングを検討する必要があるでしょう。

なお、公開草案へのコメント募集期日は平成29年10月20日です。

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2017年6月27日 (火)

遂に決算書が動き出す! e-ラーニング講座の開講

6月28日より日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が提供している法人向け社員教育ツール 『e-ラーニングライブラリ』 において、私が監修した 『決算書が読めるコース』 が開講します。

プレスリリース
https://digitalpr.jp/r/22288

この講座では、私が開発した「B/S似顔絵分析法」「P/L時計分析法」「C/F三段跳分析法」を使って決算書の読み方を学んでいきます。

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「B/S似顔絵分析法」を公開して以来、友人や編集者から、これをWebで提供できればおもしろいのにと言われておりました。
私自身もかつてはSEでしたので、Web上で動く簡単なプログラムでも作ってみようかと思ったものの、所詮、コボラー(COBOLを主言語とする老プログラマーの蔑称)のスキルで動画を扱えるわけもなく、当企画は長らくお蔵入りしていたのです。

それが、今回、JMAMさんからe-ラーニング教材作成の依頼があり、ついに現実のものとなりました。

このページから、Youtube版のデモ画像が見れますが、
http://www.jmam.co.jp/hrm/course/elearning_lib/vjv.html

一部だけ、サンプルをお見せしますと、「B/S似顔絵分析法」は、こんな感じで動きます。



さらに、「P/L時計分析法」はこんな感じ。



静止画だけでも十分インパクトのあった各分析手法が、事例とともに動画で提供されるのですから、これを見れば決算書の読み方がわかるどころか、夢の中に出てきてうなされるレベルの衝撃と言えましょう。

JMAMさんのe-ラーニングプログラムは

オンラインで1年間、いつでも、何度でも、手軽に学ぶことができる、法人向け教育ツールです。個々人の学習履歴を簡単に把握できるほか、費用についてもマネジメント系教育テーマ全125コースを一人あたり7,560円(税込み)というリーズナブルな価格で受講できます。パソコン、スマホ、タブレット端末などのインターネットを通じて手軽に取り組むことができ、現在、2,000社超、のべ110万人を超える企業・団体に導入されています。
(プレスリリースより引用)

既に当プログラムに加入済みの方だけではなく、この機会にe-ラーニングライブラリへのご登録もおすすめする次第です。

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2017年6月 9日 (金)

消費税法における仮想通貨の定義-システム運用はつらいよ-

先日のブログで仮想通貨に関する消費税法上の扱いをご紹介したのですが、読者の方から
「そもそも仮想通貨は、どのように規定されているのか?」
という質問をいただきました。

消費税法上、仮想通貨の定義は資金決済法に委ねられており、先日のブログではその箇所の引用が洩れていましたので、あらためて補足しておきます。

消費税法施行令第9条第4項において支払手段に類するものとして非課税取引となる仮想通貨は、
資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第2条第5項(定義)に規定する仮想通貨
であり、改正された資金決済法律第2条第5項では、仮想通貨を次のように規定しています。

資金決済法 第2条
 (一部略)
第5項  この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
一  物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二  不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

「不特定の者を相手方として」という要件が、Suicaなどの電子マネー(資金決済法第3条で規定する前払式支払手段)などとは異なる定義になっています。

有名なビットコイン以外にも、既に仮想通貨の種類は700以上存在するようですが、上記の規定から対象の有無を検討することになります。

ここで、突然、話が飛びますが、上記の条文は総務省が管轄する法令データ提供システム(e-Gov)から拝借しています。

資金決済法の改正根拠となる「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第62号)を読んでいたところ、次のような条文に目が止まりました。

第十一条 資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
 (一部略)
第十条第一項第九号中「禁錮」を「禁錮」に改める。

「禁錮を禁錮に改めるとは、一体、何を変えるのか?」
それとも
「e-Govの誤植か?」
と思って、金融庁のHPで新旧比較表を確認したところ。

(改正案)
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(現行)
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つまり、「禁錮(こ)」の「こ」のルビを外す改正でありました。
その理由については、参議院法制局のコラムに説明されているように、平成22年の常用漢字表の改定で、「禁錮」の「錮」が常用漢字に加えられ、ルビが不要になったことによるものだそうです。

私のようにシステムを扱う人間にとっては、既にインターネット上で表現できないルビなどという厄介な機能は、個々に法律を改正するのではなく、まとめて取ってくれればと思うのですが。

仮想通貨だブロックチェーンだと現代ITの最先端の話をしていたはずが、最後はシステム運用の難しさという古典的な課題にたどり着いてしまいました。

世の中は、このような地道な努力の積み重ねで動いているわけです。

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2017年6月 7日 (水)

ビットコインなどの仮想通貨の消費税法上の扱い(まとめと関連条文)

平成29年度の税制改正において、ビットコインなどの仮想通貨に関する消費税法上の扱いが改正されました。
4月に刊行した拙書 『消費税 軽減税率導入とシステム対応』 の中でフォローし切れなかった論点ですので、あらためて関連条文とともにまとめておきます。

20170608


今回の改正の要点
ビットコイン等の仮想通貨の譲渡を消費税法上、非課税の扱いに
適用開始は平成29年7月1日から

従来、仮想通貨の売買については、消費税法上課税取引として8%の消費税が発生していました。しかし、平成28年に改正された「資金決済に関する法律」によって、仮想通貨が支払手段に位置付けられたため、消費税上の扱いも非課税取引に整理されました。

消費税における非課税取引は、同法別表第1に記載された取引に限定されますが、今回の改正では別表第1を直接改訂するのではなく、別表第1第2号の「支払手段その他これに類するものとして政令で定めるもの」を規程している消費税法施行令第9条第4項に以下(太字部分)の文章が追加されています。

消費税法施行令 第9条
(有価証券に類するものの範囲等)
  (一部略)
4項 法別表第1第2号に規定する支払手段に類するものとして政令で定めるものは、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第2条第5項(定義)に規定する仮想通貨及び国際通貨基金協定第15条に規定する特別引出権とする。

留意点
1課税売上割合の算出に仮想通貨の非課税売上分は含まない

消費税の申告にあたっては、課税売上割合(課税期間中の総売上高に対する課税売上の割合)を算出する必要があります。この課税売上割合の分母となる総売上高には非課税売上を含んで計算するのですが、今回非課税対象となった仮想通貨による取引は計算対象に含みません。

消費税法施行令 第48条
(課税売上割合の計算方法)
  (一部略)

2項 
前項第1号に規定する資産の譲渡等(筆者補筆:課税売上割合算出に用いる総売上高)には、事業者が行う次に掲げる資産の譲渡は、含まないものとする。
一 法別表第1第2号に規定する支払手段又は第9条第4項に規定する仮想通貨若しくは特別引出権の譲渡

2 改正前の経過措置の扱い

消費税に詳しい方ならば、課税取引から非課税取引に変更されるのならば、変更の直前で大量に取得し、非課税対象になってから売却すれば、仕入税額控除の恩恵だけ受けられるとお考えになられたかたもいらっしゃるでしょう。
そのような仕入税額控除の乱用を防ぐために消費税法附則に経過措置が設けられており、
平成29年6月30日時点で税抜100万円以上の仮想通貨を保有していた場合
平成29年6月1日から6月30日までの間の各日の仮想通貨の平均保有数量に対して増加したときは、その増加分の課税仕入について仕入税額控除制度の適用は認められません。

そもそも、仮想通貨の場合、相場の変動幅の方が大きいので思い通りには行かないでしょうが、既に仮想通貨を保有されている方は経過措置適用の有無をご確認ください。
平均保有量の計算については、下記の附則に定められています。
(附則は該当条文を探すのが厄介なため、全文を掲載しておきます)

消費税法施行令 附則(平成29年3月31日政令第109号)
(施行日の前日に有する仮想通貨に係る税額控除に関する経過措置)
第8条 事業者(施行日の前日の属する課税期間において消費税法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、同日において仮想通貨(当該事業者が国内において譲り受けた課税仕入れに係るものに限る。以下この条において同じ。)を有しており、かつ、当該仮想通貨の全部又は一部の種類についてその種類ごとの数量が、当該種類ごとの平成29年6月1日から施行日の前日までの間の各日において当該事業者が有していた仮想通貨の数量の合計数を30で除して計算した数量に対して増加した場合には、その増加した部分に係る仮想通貨の課税仕入れに係る消費税額(その種類ごとの数量が増加した仮想通貨のその増加した数量に当該仮想通貨の種類別単価(同法第30条第1項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額を基礎とした種類ごとの一単位当たりの価額をいう。以下この条並びに附則第11条第2項及び第3項において同じ。)をそれぞれ乗じて計算した金額に108分の6.3を乗じて算出した金額の合計額をいう。)は、同法第30条第1項(同条第2項の規定の適用がある場合には、同項の規定を含む。)の規定の適用については、施行日の前日の属する課税期間の仕入れに係る消費税額(同法第32条第1項第1号に規定する仕入れに係る消費税額をいう。附則第11条第6項において同じ。)の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額(同法第30条第2項に規定する課税仕入れ等の税額をいう。附則第11条第6項において同じ。)に含まれないものとする。ただし、同日において有していた仮想通貨の価額(同日において有していた種類ごとの仮想通貨の数量に当該仮想通貨の種類別単価をそれぞれ乗じて計算した金額に108分の100を乗じて算出した金額の合計額をいう。)が百万円未満の場合は、この限りでない。
2 前項本文の場合に該当する事業者が、仮想通貨の種類別単価の計算につき困難な事情があるときは、施行日の前日における当該仮想通貨の種類ごとの一単位当たりの価額その他の合理的な方法により算出した価額を種類別単価とみなして、同項の規定を適用することができる。

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2017年5月 9日 (火)

東芝問題の余波 - 『2時間で丸わかり 会計の基本を学ぶ』増刷の御礼 -

拙書 『2時間で丸わかり 会計の基本を学ぶ』 が2015年6月の刊行から1年10ヶ月を経ての増刷となりました。

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この種の実務書は通常のビジネス書よりも商品寿命が長いものですが、刊行から2年近く経って増刷に到るのは稀なケースです。
読者ならびにかんき出版の皆様にあらためて御礼申し上げます。

さらに、今回の増刷に到ったのは、『2時間で丸わかり』シリーズの先達である畑中学氏 『不動産の基本を学ぶ』 や吉澤大氏 『不動産の税金の基本を学ぶ』 らの好調なセールスがあってのことであり、両氏をはじめ他のシリーズ著者の方々にも、この場をお借りして御礼申し上げます。

また、らくからちゃ氏のブログ 「簿記とは何か?10分ぐらいで分かるようにまとめてみる」(はてブが1960も付いている!)で御紹介いただいたことも増刷の後押しとなりました。

刊行から2年近く経っているため、増刷にあたって会計基準や税制の改正箇所を修正したのですが、その中に思わぬ落とし穴がありました。

セグメント情報の説明で、東芝の平成26年3月期の数値を事例として使用していたのです。

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いわゆる「不適切会計」の公表により、当該期の財務数値については訂正有価証券報告書で修正されているため、本書の図表にも大幅な修正作業が生じました。

東芝事件は我々公認会計士業界の根幹を揺るがす大事件でありますが、このようなところで自らの業務に直接影響が生じるとは思いませんでした。

それ以上に、当時の財務諸表をもとに投資判断した人々など、その影響範囲は比較にならないほど多かったはずですし、その判断から生じた結果については事後的な修正などできません。

今回の増刷は、財務諸表の適正性を担保することの重要性と責任をあらためて実感する機会となりました。

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2017年4月21日 (金)

書評 『不倫の教科書』と『損する結婚 儲かる結婚』

弁護士の長谷川裕雅先生から、新刊 『不倫の教科書 既婚男女の危機管理術』 を献本いただきました。

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長谷川先生は、ベストセラーとなった 『磯野家の相続』 シリーズをはじめとした相続に関する書籍を多く著していますが、もうひとつのシリーズとして男女間の法律関係を解説する書籍も定期的に刊行されています。

今回の新刊もセンセーショナルなタイトルになっていますが、前書きには、次のように本書の目的が書かれています。
「本書の目的は、不倫スキャンダルを興味本位で覗き見ることではありません。むしろ、不倫がいかにリスクの高いものであるかを具体的に指摘し、深い落とし穴にはまることのないよう警告することが目的の一つです。」

第1章に不倫トラブル事例、続く第2章は不倫のリスクマネジメント、最終の第3章には「それでも不倫をしてしまう人への7箇条」という構成になっており、法律の専門家として、不倫にまつわるリスクと対応策を判例とともに解説しています。

第2章「法律は不倫にきびしいのか」という節では、現行の法律だけではなく古代ギリシアなど古今東西の不倫に対する法制度の変遷が書かれているのですが、これが無茶苦茶にハードな内容になっておりまして、この部分を読まれるだけでも安易な不倫に対する抑止力を持つでしょう。

本誌と合わせて読みたい1冊が、ブログ『金融日記』で有名な藤沢数希氏の新刊 『損する結婚 儲かる離婚』です。

本書は
「結婚(そして潜在的に将来の離婚)という法的契約は、ひとつの金融商品の取引だと考えて分析すると、驚くほどその本質が理解できる」
という切り口で、離婚裁判の実際から離婚にかかる経済的コスト、さらには新しい婚姻制度の提案にまで言及しています。

離婚に係るコスト算出にあたり、両誌ともに引用している資料として家庭裁判所が公表している「養育費算定表」があります。

http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf

少し見づらい表ですが、縦軸に養育費または婚姻費用を支払う側(義務者)の年収、横軸には支払いを受ける側(権利者)の年収がとられており、この表から、離婚にともなる経済的リスクは年収の高い者、さらには両者の年収の差が大きいほど大きくなることがわかります。

両誌は、現在幸せな家庭を築かれている方であっても、転ばぬ先の杖、または軽率な行動を戒めるためにも有効な1冊です。

ただし、いずれの書籍も扇動的なタイトルになっていますので、うかつに表紙が見えるような形で家庭内(又はオフィス内)に放置しておくと、潜在的なリスクが顕在化する恐れがある点にご注意ください。

藤沢氏の著作は離婚という事象をファイナンスという視点から、長谷川氏の著作は法律という視点から解説しています。
このアプローチを拝借するならば、 「離婚の税金学」「不倫の会計学」といった企画が容易に思いつくところでありますが、この企画については私以上に適任の先生が多々(?)いらっしゃると思いますので、先達の皆様にお譲りさせていただきます。

(おまけ)
この2冊を読む時のBGMはこれしかありません。
Babyface & Tony Braxton の “Love Marriage & Divorce”

こんな甘い曲では、緊張感がでないという方は
Marvin Gaye の “Here My Dear”(邦題 『離婚伝説』)
がおすすめです。

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2017年3月14日 (火)

慶応4年3月14日に思いを馳せる -書評「西郷隆盛の明治」「大奥の女たちの明治維新」-

本日、3月14日は何の日でしょうか?

多くの方はホワイト・デー、一部の方は数学の日(円周率とアインシュタインの誕生日にちなんで)を連想されると思いますが、我が国の運命を決めた一日でもあります。

慶応4年3月14日、徳川家代表 勝海舟と新政府軍の東征大総督府参謀 西郷隆盛が江戸城開城についての条件を決定する会談が行われました。(この時代は旧暦のため、新暦では4月6日が正確な対応日になりますが、本日のネタということでご容赦ください)

両者の会談の結果、いわゆる江戸城無血開城が実現したのですが、この時の会談が決別し、翌15日に予定されていた江戸城総攻撃を決行されていたならば江戸は血の海に。さらに、欧州列強の干渉によって、我が国の独立も危うかったのではと言われています。

江戸城無血開城
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E9%96%8B%E5%9F%8E

慶応4年は西暦で1868年ですから、今年2017年は
大政奉還 150年 であり、
来年2018年(平成30年)は
明治維新 150年  の節目の年になります。

201703141


そこで、本日、御紹介させていただく書籍は
  「西郷隆盛の明治」(洋泉社)

 「大奥の女たちの明治維新」(朝日新書)
                                     の2冊です。

201703142


いずれも作者の 安藤優一郎氏から献本いただいたのですが、朝日新書、洋泉社と異なる出版社から同タイミングの出版であり、作者のご苦労が偲ばれるとともに、明治維新150年のビジネスチャンス(!)にかける歴史書編集者の鬼気迫る思いが伝わります。

私、日本史については門外漢なため(ちなみに共通一次試験の選択も世界史です)、本日は簡単に両誌のご紹介まで。

まず、 「西郷隆盛の明治」は、副題の「激動の10年を追う」にあるように、新政府樹立の立役者であった西郷が、その後、西南戦争によって自決するまでの経緯をまとめています。
教科書では征韓論による政府内の対立が原因と学びましたが、本書で詳細を追っていくと、組織を率いるリーダーのジレンマが、このような悲劇をうんでしまったことがわかります。

もう1冊の 「大奥の女たちの明治維新」 の副題は 「幕臣、豪商、大名―敗者のその後」となっています。
明治維新となると坂本、西郷、勝といった維新の英雄を取り上げる書籍が多い中、本書では明治維新によって敗者側に追い込まれた人々が、その後、明治の時代をどのように生き抜いていったかに焦点をあてています。

大奥篤姫をはじめ徳川家の子孫達の生き様や、江戸から東京にかわった庶民の生活を、様々な文献から探っています。
その中で、女性運動家 山川菊栄氏が母 青山千世氏の見聞を記録した『おんな二代の記』(平凡社東洋文庫)から、前述した西郷隆盛に関する以下の記述が引用されています。

「そのころの西郷の人気はたいしたもので、―というのが、いろいろの意味での個人的不平や社会的不安がそこに大きなはけ口を見出したからでしょうー何がなんでも西郷さんが出なくてはだめだ、どうでも西郷さんに勝たせたい、という声ばかり。」 (p197)

「御茶ノ水の寄宿舎でも、西南戦争は興奮の渦をまき起こし、毎朝の新聞は奪いあいで、「西郷さんに勝ってもらわなければ」、「西郷さんが負けたらどうしよう」という声が高かったものです。いったい西郷さんが勝ったら日本がどうなるのか、どんな政府ができて、どんな政治が行われるのか、誰もそんなことは考えていなかったらしい、と晩年の千世は笑っていました。」 (p200)

これに似た風景は、現代でも多々見受けられるのではないでしょうか。

【追記】
最後になって冒頭のネタに戻りますが、本日紹介すべき書籍は、こちらが適切だったかもしれません。

円周率1000000桁表

当著作の詳細については、このブログをご参照ください。


20120730

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2017年3月13日 (月)

消費税率の再々延期はあるのか? 新刊「消費税軽減税率導入とシステム対応」の御紹介

飲食料品を中心に消費税の軽減税率が平成31年10月1日から開始されます。

民主党政権化における「社会保障と税の一体改革法」に盛り込まれた消費税率10%への改正は、当初、平成27年10月からの実施が予定されていましたが、その後の安倍政権化において実施時期が2度延期され、最終的には平成31年10月からの実施となりました。

与党内において喧々囂々の議論がかわされた軽減税率制度も、昨年の通常国会における改正消費税法に盛り込まれ税率改正と同時に導入されます。

昨年末に新聞紙上を賑わせていた軽減税率の話題も、最近では目にすることが減りましたが、軽減税率導入まで残された期間は1年半となりました。

そこで、そろそろ税率改正対応を始めなければとお考えの経理部門及びIT部門の方々向けの新刊を、本日、中央経済社から刊行します。

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消費税軽減税率導入とシステム対応

(自分でご案内する前に武田雄治先生に紹介されてしまい、お恥ずかしい限りです)

本書は、単に軽減税率の解説をするだけではなく消費税法改正の歴史から紐解くことで、ITシステムへの修正経緯を理解できるように編集しています。

また、軽減税率導入に合わせて既存システムの見直しを検討されるケースも多いため、近年のトピックであるリバースチャージ電子帳簿保存法の改正(スマホ保存)についての章も設けて解説しています。

お近くの書店でご覧になられた際には、一度、お手にとっていただければ幸いです。
(明日になれば、書店の棚を占領していた確定申告の書籍も一掃されますので)

「既に2度延期されているんだから、3度目の延期もあるんじゃない?」

そう思われている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、当書籍、消費税法が改正された昨年4月時点でゲラまでできあがっていましたが、直後の再延期表明によってお蔵入りし、1年を経て、やっと日の目を見た原稿であります。
さらに延期となるならば、作者である私の精神の方が持ちません

したがいまして、様子をみるなどと言わずに、この機会にご購入いただくことを切にお願いする次第です。

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2017年2月28日 (火)

「マンガでやさしくわかるアサーション」のご紹介と9刷の御礼

拙書 「マンガでやさしくわかる決算書」 が、2015年1月の刊行から丁度2年で9度目の増刷となりました。

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この場をお借りして、読者ならびに日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の皆様にあらためて御礼申し上げます。

ビジネス書籍の不調が伝えられますが、ビジネスコミックのジャンルは年々成長を続けています。
類書が増えつづけるなか、本書が売上を継続できているのもJMAMさんの「マンガでやさしくわかる」シリーズが、市場で一定の評価を得ているおかげです。

そこで、今回は、JMAMさんの 「マンガでやさしくわかる」 シリーズに、どのような書籍があるかご紹介しておきましょう。

以前、JMAMの編集者に、同シリーズは基本的に他社と競合しない領域を狙って刊行しているというお話を伺いました(私の「決算書」というのは例外的なケースのようです)。

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ビジネス心理学系が好調なようで、山崎啓支氏の 「マンガでやさしくわかるNLP」 や岩井俊憲氏の 「マンガでやさしくわかるアドラー心理学」 などがヒット作になっています。

その中で、当ブログを読まれているIT、会計クラスタの皆さんにご紹介したいのが下記の一冊です。

「マンガでやさしくわかるアサーション」

「内部統制までマンガになってるの?」

「やっぱり、網羅性の確認が一番、難しいよね」

と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、この「アサーション」はJ-SOXの内部統制監査や会計監査で用いられている「アサーション(監査要点)」ではなく、コミュニケーションスキルの名称です。

かく言う私も、このマンガを見るまで「アサーション」という単語が監査以外の領域で使用されていることを知りませんでした。
(世の中全体としては監査用語としてアサーションよりも、HR用語としてのアサーションの方が一般的なのでしょう)

さらに、先月には古島昇氏の 「マンガでやさしくわかる傾聴」 も刊行されています。

ビジネスコミック領域の細分化が、このペースで進んでいけば「マンガでやさしくわかる減価償却」や「マンガでやさしくわかる税効果会計」 。
さらには「マンガでやさしくわかる税率差異注記」の刊行が実現する日も近いでしょう!!

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2017年1月30日 (月)

軽減税率制度に関するQ&Aが追加更新されました

平成28年4月に国税庁から公表された「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」が追加更新されています。

消費税の軽減税率制度に関するQ&A (制度概要編)
https://www.nta.go.jp/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/02.pdf

「消費税の軽減税率制度に関するQ&A (個別事例編)」
https://www.nta.go.jp/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/03.pdf

このQ&Aは、軽減税率導入法案が成立した平成28年4月に公表され、税率改正の延期(「平成29年4月1日」から「平成31年10月」へ)が決定した平成28年11月に導入時期を変更する改訂が行われています。

今回の改訂版には【平成29年1月改訂】と付された改訂項目と、【平成29年1月追加】と記載された新たな追加項目が含まれており、新しく追加されたQ&Aは下記の8個です。

(個別事例編)
問19 化粧品メーカーへの「添加物」の販売
問24 お菓子用の包装紙の仕入れ
問55 社内会議室への飲食料品の配達
問59 飲食料品の提供に係る委託
問80 旧税率対象が混在する請求書
問81 一括値引がある場合のレシートの記載
問82 売上げに係る対価の返還等がある場合の請求書の記載
問83 「軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨」の帳簿への記載方法

この中でも、IT担当者としては、下記の4つのQ&Aには目を通しておくべきでしょう。

問80 旧税率対象が混在する請求書
問81 一括値引がある場合のレシートの記載
問82 売上げに係る対価の返還等がある場合の請求書の記載
問83 「軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨」の帳簿への記載方法

ちなみに、このQ&A、当初公開された際には飲食料品の範囲の事例として「の販売」という項目があったのですが、さすがに読めない方が多かったのか平成28年11月の改訂時に「もみの販売」に変更されております。

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2016年12月20日 (火)

「会計の基本」11刷りの御礼

このたび、拙書 『この一冊ですべてわかる 会計の基本』が、刊行から6年で11刷りの増刷となりました。

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これも、一重に読者並びに営業部門を中心とした日本実業出版の皆様のご協力のおかげです。この場をお借りしてあらためて御礼申し上げます。

本書は会計の基本書でありますが、増刷のたびに最新の会計制度にあわせて改訂を行っています。

先日、11月28日に改正消費税法(正式名称は「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律(名称中強調部分は筆者補筆) が交付されていますので「消費税」の章で、

「なお、消費税率は2019年10月から10%に引き上げられます。」

の一文を追加しておきましたが、大丈夫なのでしょうか?
さすがに今回は予定通りの改正を願っております。

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2016年12月 7日 (水)

IT委員会研究資料「情報インテグリティ」の公表 -インテグリティとは何なのか?-

10月30日付で日本公認会計士協会IT委員会からIT委員会研究資料第8号「情報インテグリティ」が公表されました。

http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/20161031vfi.html

この資料はAICPA(米国の会計士協会)及びCICA(カナダの会計士協会」)から公表されたホワイトペーパー「Information Integrity」を日本公認会計士協会が翻訳許諾の下で翻訳したものです。

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この資料の目的は、冒頭に以下のように記されています。

本ペーパーの目的は、情報インテグリティの意味を定義し、その文脈を情報の利用者、作成者及び業務実施者に提供することである。 

実際、この「インテグリティ」という単語は我が国のシステム管理基準 等にも頻繁に用いられていますが、その意味について説明するのが難しい用語です。

当資料では、情報インテグリティを以下のように定義しています。

情報インテグリティは、当該情報の主題についての表現の忠実性及び情報の用途への適合性と定義される。

(原文)
In this paper, information integrity is defined as the representational faithfulness of the information to the underlying subject of that information and the fitness of the information for its intended use.

この定義だけでは、その意味するところを十分に表現できませんので、事例を交えた詳細な解説が行われています。

私自身、今まで頭の中で、 「インテグリティ=完全性」 といった単純な翻訳を行っておりましたが、この資料では完全性も含んだもっと広い概念として捉えられており参考になりました。
システム監査に携わる方だけではなく、会計監査に携わられている方々にとっても有益な資料でしょう。

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2016年11月 2日 (水)

旬刊経理情報に『スキャナ保存制度における監査対応のポイント』を寄稿しました

『旬刊 経理情報』 の最新号(2016年11月10日号)に、『スキャナ保存制度における監査対応のポイント』を寄稿しました。

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本稿では、上場企業にスキャン保存制度を導入する際に、内部統制監査に与える影響と留意点について解説しています。

平成28年度の税制改正によってスキャナ保存の要件が緩和され、受領した領収書をスマートフォンで読み取ることが可能になりました。
この改正については、新聞等でご覧になられた方も多いと思います。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sonota/03.pdf

ただし、実際の電子帳簿保存法の条文上でスマートフォンやスマホといった定義はありません。
条文上は使用機器の違いによって手続を区分するのではなく、「当該国税関係書類の作成又は受領をする者が当該国税関係書類をスキャナで読み取る場合」というように読み取りを行う者が領収書等を受領者した者か否かによって区分しています。

また、電子帳簿保存法で用いられている「スキャナ」という単語は、一般にイメージされるスキャナだけではなくスマートフォンやデジタルカメラ等も含む概念になっています(電子帳簿保存法取扱通達 4-19参照)。

実際の条文を読まれる際には、上記2点を理解していないと今回の改正内容が読み取れないため、ご注意ください。

(補足)
本稿の入校後、電子帳簿保存法Q&A 67-2 として、コーポレートカード使用時の取扱いが追加されています。コーポレートカードによる経費精算を行っている企業の方は、こちらもご参照ください。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/dennshichobo/jirei/ans3/03.htm#a67-2

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2016年10月19日 (水)

「12歳でもわかる! 決算書の読み方」7度目の重版と6年の風雪

拙書 「12歳でもわかる! 決算書の読み方」 が7度目の増刷となりました。

この場をお借りして、読者ならびにフォレスト出版の皆様にあらためて御礼申し上げます。

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2010年の刊行から既に6年を経ており、前回2013年5月の増刷から3年半も経っていますので連絡をいただいた作者本人も驚いています。

本書は、発売当初Amazonランキングで総合1位を獲得しました。

当時、ネットでは個人ブログの影響力が大きく、小飼弾氏「404 blog not found」 磯崎哲也氏 「Isologues」 、藤沢数希氏 「金融日記」 等のブログで紹介いただいたのがブレイクのきっかけになりました。

当時の著名ブロガーの方々も、現在はメルマガを中心に活動されており、この6年間でネット上のインパクトは、個人ブログからSNSを経て「はてぶ」などのまとめサイトへと次々と移っています。
その中で、書店の片隅で風雪に堪えながら(?)6年の月日を乗り越えてきたと思うと感慨深いものがあります。

増刷のタイミングで書店で目にされる機会も増えると思いますので、紙文化の存続を助けるためにも、ご一読いただければ幸いです。

(ちなみに、この6年間で書店の数は15,314店から13,488店と11%も減少しています。2000年の21,495店からは37%(!)減)
(参考 http://www.1book.co.jp/001166.html

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2016年10月 3日 (月)

会計人コース『会計人のターニングポイント』を執筆しました

本日、10月3日に発売される 『会計人コース』 11月号(中央経済社)の巻頭企画 『会計人のターニングポイント』 を執筆いたしました。

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「会計人コース」は税理士、会計士試験受験生を対象とした書店売りの月刊誌で、このページは税理士、公認会計士をはじめとする会計人が、今までの業務を振り返り自らのターニングポイントを語るというものです(会計人版「私の履歴書」とも言えましょう)。

日経新聞の「私の履歴書」は毎月の作者によって書き振りが異なり、読みながら
「もっと、暴露しないとつまらないだろ!」
と、よく文句をつけていたのですが、いざ自分が手記を書くとなると、なかなか大胆は話は書けないものです。
(しかし、半年ほど前に執筆していた将棋の中原誠名人が、林葉直子氏との事件について言及しないのはイライラさせられました)、

先月の9月号では同じ企画を税理士の山本守之先生が執筆されていたのですが、その中に次のような記述がありました。

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「上智大学名誉教授の渡部昇一氏は、その著書『歴史の鉄則』(PHP研究所)のなかで、「税理士くらい後ろ向きの商売はない。税理士を雇う目的は、突き詰めれば、いかに税金を逃れながら、税務署に文句を言われずにすませるか」ということだとし、「税理士になりたい人は国税庁に入って定年後になるのがいい。これ以外では、結局大した仕事ができない」と言い切っている。
ちなみに、渡部氏は消費税の導入を決めたときの政府税調の特別委員である。
おそらく、渡部氏は「税理士は税務調査で事務職員に顔をきかせる職業と考えているのであろう。世の中を甘く見過ぎている。」
(「会計人コース」中央経済社、2016年9月号)

山本先生もよほど腹に据えかねていたのでしょうが、私のような小心者には、こんな肝の据わった話はとても書けません。

しかしながら、自らの業務を振り返ってみると奇奇怪怪な出来事も多々ありまして、今回の執筆を通して、あらためて運と縁のありがたさを実感した次第です。

また、今月号には
「電卓 あなたはどっち派? カシオVSシャープ」
という記事があり、編集部が両社の担当者にインタビューするという企画が載っています。私個人としてはカシオ派であり、その理由についても過去のエントリーで説明しておりますが、開発担当者の方々のお話はさらに細部に至り興味深い内容になっており、電卓マニア(?)の方々にはたまらない記事になっています。

私の会計人生活もまだまだ先は長く、今後も多くのターニングポイント(特にダウンサイドの)が待ち受けていると思われますので、読者の皆様のより一層のご声援をお願いいたします。

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2016年9月27日 (火)

IT委員会研究報告公開草案「スキャナ保存制度への対応と監査上の留意点」の公表

昨日、日本公認会計士協会IT委員会からIT委員会研究報告「スキャナ保存制度への対応と監査上の留意点」が公表されました。

http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/20160926aub.html

平成28年度の税制改正によって大幅に要件が緩和されたスキャナ保存制度に対応するために、従来のIT委員会研究報告第30号「e-文章法への対応と監査上の留意点」を更新するものです。

平成27、28年度改正によって国税関係書類の電子保存の条件が緩和されたものの適正処理要件やタイムスタンプのコスト負担といった要因から、その効果が大きく表われるのは上場企業を中心とした大企業になると予想されます。
そこで、監査対象会社が同制度を適用した際の監査上の留意点について整理しています。

今回の公開草案は本文とは別に付録部分があります。

付録1 セキュリティ技術に関する解説
スキャナ保存制度を理解するための前提となる電子証明とタイムスタンプの機能について解説しています。

付録2 平成27年度・28年度税制改正の詳細
今回の改正は平成27年度改正と比較して理解する必要があるため、両年度の改正内容を簡潔にまとめています。

ITシステムに関係しない一般の方々にもわかりやすい資料になっていますので、本文よりも先に、まずこの付録部分から読まれるのがよろしいかと思います。

なお、当公開草案への意見募集期間は平成28年10月26日です。

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2016年8月30日 (火)

 書評『マンガできちんとわかる!遺産相続と手続き』 ―マンガ以外の部分が勝負―

弁護士の長谷川裕雅先生 から、新刊 『マンガできちんとわかる! 遺産相続と手続き』 を献本いただきました。

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長谷川先生は、ベストセラーとなった 『磯野家の相続』 シリーズをはじめ、相続に関して既に多くの書籍を著していますが、今回はビジネス書の時流にのったビジネスコミックを刊行されました。

近年、ビジネス書籍の「マンガ化」は大きな潮流となっています。
拙書 『マンガでやさしくわかる決算書』 も、発売から1年半で8刷に及んでおり、従来書籍との動きの違いを実感しているところです。

書評の前に、ビジネスコミックの分類からお話しておきましょう。
ビジネスコミックは大きく下記の3種類に分けられます。
・全マンガ … 全ページがマンガ
・マンガ半分以上 …  全ページに占めるマンガの割合が文章より多い
・マンガ半分以下 …  全ページに占める文章の割合がマンガより多い

会計ジャンルのビジネスコミックにあてはめてみると、
全マンガ…國貞克則著 『超高速 会計勉強法』
マンガ半分以上
…小宮一慶 著 『決算書速習教室』
            (マンガ110ページ/全189ページ)
マンガ半分以下…岩谷誠治 著 『マンガでやさしくわかる決算書』
             (マンガ100ページ/全227ページ)
のように対応します。

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当然、マンガの量が多いほど初心者向けの入門書になりますが、単純に書籍の難易度によってマンガの量が決まるわけではありません。
マンガは1ページの原価が高いため、企画段階でページ数が決定されます。つまり、マンガの量は各シリーズごとに所与であり著者の意向で変更できるものではないのです。
そこで、ビジネスコミックの著者(及び編集者)は、与えられたフォーマットの中でどのように表現していくかに知恵をしぼります。

このような事前知識を持ったうえで本書を見ていくと、本書は全223ページのうち純粋なマンガ部分は67ページしかありません。しかし、親しみやすいイラスを用いるとともに文書部分のほとんどに図表を入れることで初心者向けの書籍であることをアピールしています。

マンガや図表を増やすと、親しみやすくて初心者も手をとりやすいというメリットがある反面、しっかりした内容を伝えづらいという欠点も生じます。

会計書籍の場合、会計知識を導入するための1冊目の入門書として割切った編集も可能ですが、相続関係の書籍の場合は、人生に数度しかないできごとであり、複数の書籍で順番に学んでいこうという読者は稀ですから、入門書でありながら実務書の内容を伝えるという矛盾した要求にこたえなければなりません。

そこで、実務に対応できる書籍にするために、著者がとった方法のひとつが冒頭にある書き込み式の図表です。

本書の冒頭には、
「相続手続きのスケジュール表」
「財産リスト」
「相続税計算シート」
「特別従駅・寄与分リスト」

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が用意されています。この図表を冒頭に持ってきたことで、相続にまつわる概要を伝えるだけではなく実務書として利用できることがわかります。

初心者を意識して「やわらかい」マンガを用いながら、実際の相続手続きを完結させるという難問に、うまく挑戦した1冊と言えましょう。

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2016年8月 4日 (木)

「消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置」の公表 -これでIT部門は楽になるのか?―

8月2日付で、自由民主党政務調査会から『消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置』が公表されました。
https://www.jimin.jp/news/policy/132828.html

去る6月1日に、安倍首相が消費税率の引上げ時期を平成29年4月1日から平成31年10月1日に2年半延期することを表明しました。
その際には、インボイス方式(適格請求書等保存方式)の導入時期等、その他の税務措置の方針については明らかにされませんでしたが、当該資料によって改正措置の概要が示されました。
主要論点をまとめると以下のようになります。

消費税率10%の引上げ時期を平成29年4月1日から平成31年10月1日に2年半延期。

・インボイス方式(適格請求書等保存方式)の導入時期も当初の平成33年4月1日から平成35年10月1日に2年半延期

・軽減税率導入後、中小事業者に対する売上税額と仕入税額計算の特例措置の適用期間も2年半延期。

・当初、中小事業者以外の大企業等にも認められていた売上税額と仕入税額計算の特例措置は適用されない。

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売上税額計算の特例措置とは、軽減税率対象品と標準税率対象品を区分できない事業者に対して、売上税額を
① 軽減税率商品の仕入割合
② 連続する10営業日における軽減売上割合
③ 一律50%

を用いて簡便的に計算するものです。

同様に、仕入税額の特例措置は、軽減税率対象品と標準税率対象品を区分できない事業者に対して、仕入税額を
① 軽減税率商品の売上割合
② 簡易課税の事後的な適用

によって簡便的に計算します。

延期前の法令では、上記特例計算について中小事業者以外の大企業にも1年間の期限付きで適用が認められていましたが、2年半の猶予が与えられたことから大企業については適用されないことになりました。

特に、連続10営業日の軽減売上割合を用いる方法は、どの10日間を採用するかは任意であり、これを大企業に適用するならば、一番有利な10日間を選ぶことで数億単位で納税額に影響が出ます。

こんな面倒なシミュレーションを経理部やIT部門がやらされたら堪らないなあと思っていましたので、大企業への適用が中止されたのは経理やIT部門の方々にとっては、むしろ朗報と言えましょう。

10%への税率改正時期が延期されてもインボイス方式の導入時期は平成33年4月のまま延期されないという最悪のシナリオも予想していたのですが、それが杞憂に終わって何よりです。

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2016年7月21日 (木)

「マンガでやさしくわかる決算書」8度目の重版出来

日本能率協会マネジメントセンターから昨年1月に刊行した 「マンガでやさしくわかる決算書」 が、発売から1年半で8度目の増刷となりました。

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この場をお借りして、読者ならびに日本能率協会マネジメントセンターの皆様にあらためて御礼申し上げます。

テレビドラマ化された 「重版出来!」 で、高田純次演じる興都館の社長のひとことを胸に刻んで、今後も精進を続ける所存であります(しかし、これが難しい)。

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「目標は常に 重版出来です」

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2016年6月30日 (木)

【書評】「金融パーソンが押さえておくべき 相続・事業承継のツボ」

TAO税理士法人の金谷亮先生から、新刊 『金融パーソンが押さえておくべき 相続・事業承継のツボ』 (以降「承継のツボ」)を献本いただきました。

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相続税の基礎控除額引き下げを契機に、業界の内外で相続ビジネスが盛り上がっています。
その中でも、相続・事業承継といった事案にもっとも近いところで活動されているのが金融機関の営業担当者の方々でしょう。

そこで、本書は、金融機関の営業担当者を対象に、相続・事業承継対策のポイントとなる「ツボ」を解説するものです。

全体は4章で構成されています。
第1章 つぼのツボ
第2章 資産承継のツボ
第3章 提案発想のツボ
第4章 提案実践のツボ
(巻末資料) 平成28年度税制改正のツボ

まず、第1章で総論と本書の利用法、第2章で相続・事業承継に関する基本知識を解説します。
続く第3章は、顧客のニーズごとに金融機関が提案できる個別手法の解説、
最後の第4章は具体的な事例を取り上げています。

実は、金融関係者をターゲットにした相続の指南書は、既に結構な種類が刊行されています。
しかし、この手の書籍は、新しい税制改正がセールストークの肝になりますから、最新の税制改正を織り込んだ書籍を使わなければ意味がありません。
その点において本書が類書に対して決定的なアドバンテージを有しているのは明らかです。

そこで今回は、資産税を専門に活動されている税理士法人タクトコンサルティングが、税理士向けに執筆した「税理士なら知っておきたい 事業承継対策の法務・税務Q&A」 (以降「承継QA」)

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を比較対象とし、読者対象による編集手法の違いをみていきましょう。

会計・税務書籍において専門家向けと一般読者向けの最大の違いは、 
  ・根拠条文の併記
  ・仕訳の有無

の2点になります。

専門家を対象とする「承継QA」では、本文中に根拠条文が併記されているのに対して、「承継のツボ」には根拠条文は一切でてきません。
同様に、「承継QA」には、本文中のところどころで仕訳が使われていますが、「承継のツボ」には仕訳はまったく出てきません。

次に、個別論点ごとの記述内容を比較してみましょう。
事業承継の基本論点となる「非上場株式の評価方法」を見ていきます。
非上場株式の評価にあたっては、
  論点1 3種類の評価方法
  論点2  同族株主か否か
   論点3 会社規模による適用分類
という3つの論点が存在します。

当然のことながら、専門家を対象とする「承継QA」では、各項目ごとに根拠条文を織り交ぜながら詳細な説明がなされており、延べ50ページに渡って説明しています。
専門家であっても50ページの文章を読みこなすのは難しいため、主要論点を個別にQ&Aという形で抽出することで読みやすさにも配慮しています。

一方、「承継のツボ」では、論点1については各計算方式ごとの説明、論点3については評価明細書を用いた説明があるものの、論点2の同族株主については、「同族株主」という単語自体、使われておらず

「中小企業の多くは身近な親族で保有しているケースがほとんどです。オーナー経営者や後継者の保有する株式の評価は原則的な評価方法が適用される、というイメージが大切です」(「承継のツボ」p65)

という記述にとどめています。
中途半端に「同族株主」の論点に言及せずに、読者の理解度を優先した割切りが感じられます。

定義類の省略を補うために「よくある実務での勘違い」という項を設け、実務上の留意点については、別途、補足する工夫もされています。

また、「承継のツボ」では、アドバイスの対象となる資産家を「キャッシュ・リッチ」「土地持ち」「実業家」の3種類に区分し、各種法の説明ごとに適用対象となる資産家の種類をイラストを用いて表示しています。

一般読者向けの書籍においては、詳細や正確さを追うのではなく、このような「読みやすさ」への配慮が大切であり、その点において「承継のツボ」は、よく考えて編集されています。

自分も専門家のため、通常、専門書を読んでいても特段の違和感はないのですが、一般向けと専門家向けの2冊をあらためて読み比べてみると両者の違いは歴然です。
やはり、専門書を一般の方が読みこなすのは、かなり難しい作業になるため「承継のツボ」のように、一般読者と専門知識の橋渡しをする書籍の存在は貴重でありましょう。

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2016年6月22日 (水)

『無形資産の評価実務-M&A会計における評価とPPA業務―』の公表

昨日、日本公認会計士協会から、経営研究調査会 研究報告代第57号 「無形資産の評価実務-M&A会計における評価とPPA業務-」が公表されました。

http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/20160621c80.html

この無形資産の評価は、現代会計における重要課題のひとつであり、現場で作業にあたられている方々も暗中模索しているのが現状です。

なぜ、無形資産の評価が重要課題になるのかといえば、無形資産と「のれん」の区分によって損益計算書への影響が大きく異なるため、以下のような局面に遭遇し得るためです。

下記のような状況の場合、無形資産の評価に際しては注意が必要である。
① M&Aが不正の手口として利用されていると推測される。
② M&Aに際して紛争の予防・回避の配慮がされず、交渉が公正に行われず恣意的に決定されていると判断される。
③ 入手した企業価値評価報告書や合意された買収価格を見ても、その価格が極めて過大又は過少と判断される。
 (当研究報告 13ページより)

会計業務に携わられている方でも、無形資産の評価を行う場面は稀かもしれませんが、今回、新しいガイドラインが公表されたことは覚えておくとよいでしょう。
(72ページの大作ですから、読みこなすのはキツイです)

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2016年5月23日 (月)

旬刊経理情報に『消費税「軽減税率」導入への対応ポイント』を寄稿しました

『旬刊 経理情報』 の最新号(2015年6月1日号)に、『消費税「軽減税率」導入への対応ポイント』を寄稿しました。

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今国会で成立した改正消費税法により、平成29年4月1日から消費税率を10%に改正するとともに、軽減税率の導入が予定されています。

この改正に伴い「消費税の軽減税率制度に関する取扱通達」 、「消費税の軽減税率制度に関するQ&A (制度概要編) (個別事例編) 」が公表されましたので、これら通達とQ&Aの概要と、軽減税率導入によるシステム対応上の留意点についてまとめました。

その一方で、伊勢志摩サミット終了後の来週、消費税増税は延期される可能性が高いため、この記事の寿命(?)は1週間しかないかもしれません。
編集者から執筆依頼のあった時点で、既に増税延期は噂されていたため、延期の可能性も考慮しながら執筆するのに難儀しました。

記事の寿命が1週間とわかっていても、だれかが通達とQ&Aを解説しなければならないのです。
この桜の花にも似た潔よさ(?)をご理解いただければ幸いです。

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P.S 上記の目次にあるように、今号のもうひとつの特別企画として、太陽グラントソントン税理士法人の泉綾佳氏が「中国の値増税移行に伴う実務対応」を寄稿しています。このあたりの論点を手軽な分量でまとめていただけると実務家としては大変、助かります。
近年、中堅企業においても中国企業との取引は一般的なものになっていますので、こちらの記事もおすすめです。

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2016年5月 2日 (月)

新刊発売1カ月後の販売状況と増刷の御礼

3月末に刊行した新刊 『矢印を目でなぞるだけ! 一瞬でわかる決算書の読み方』 の発売開始から1ヶ月が経ちました。
発売1ヶ月間の販売状況を紀伊国屋全店のジャンル別ベストセラーで見てみますと、「経営」ジャンルの第10位につけています。

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順調な滑り出しでありますが、本書は「雑誌」扱いのため発売当初の露出は「書籍」よりもかなり有利です。その後、一気に露出が下がるためスタート時点でどれだけ売れるかが勝負になります。

ちなみに、「経営」ジャンルの売上ベスト1が中室牧子氏の大ヒット作 『「学力」の経済学』なのですが、これって「経営」ジャンルじゃなくて「経済」ジャンルじゃないんですか?
(これがなければ1桁台だったのに! しかし、この時期の会計監査小六法よりも売れていたのは誇るべきことかもしれません)

また、 「マンガでやさしくわかる決算書」 が、昨年1月の刊行から1年半で7刷となりました。

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読者の皆様には、この場をお借りして、あらためて御礼申し上げます。
この好調な売上状況を見ていると、今後もビジネス書のコミック化は益々加速するのでしょう。

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2016年4月12日 (火)

軽減税率制度に関する個別通達とQ&Aが出ました

本日、国税庁から「消費税の軽減税率制度に関する取扱通達」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/kansetsu/160412/160412.pdf

消費税の軽減税率制度に関するQ&A (制度概要編)
https://www.nta.go.jp/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/02.pdf

消費税の軽減税率制度に関するQ&A (個別事例編)
https://www.nta.go.jp/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/03.pdf

Q&A(制度概要編)が27ページ、(個別事例編)が41ページと宝島社の雑誌に負けないボリューム満点の付録付きです。

気になる論点としては、

個別通達11(持ち帰りのための飲食料品の譲渡か否かの判定)
「(一部略)標準税率の適用対象となるのか、又は持ち帰りのための容器に入れ、若しくは包装を施して行う飲食料品の譲渡に該当し軽減税率の適用対象となるのかは、当該飲食料品の提供等を行う時において、例えば、当該飲食料品について店内設備等を利用して飲食するのか又は持ち帰るのかを適宜の方法で相手方に意思確認するなどにより判定することとなる。」

(できるんでしょうか?)

個別通達21(困難な事情があるときの意義)
「(一部略)その困難の度合いを問わず、同項に規定する経過措置を適用することができることに留意する。」

(これは、潔くてすばらしい!)

この他にもQ&Aの事例では「水の販売」や「籾の販売」などディープなネタ満載の大作です。

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2016年4月11日 (月)

消費税の区分記載請求書は登録番号抜きの適格請求書になるのか?

平成28年度の消費税改正法が成立し、平成29年4月から区分記載請求書等保存方式、平成33年4月から適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)の導入が決定しました。

平成29年4月の税率改正延期は既成路線との報道もありますが、会計システムの担当者としては粛々と対応を進めるしかありません。

インボイス方式への移行期間に導入される区分記載請求書等保存方式の事例が財務省のパンフレットに掲載されています。

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しかし、現状の請求書(またはレシート)では、消費税額を区分して明記しているものがほとんどなので、この区分記載請求書等の様式例には違和感があります。

現状の請求書類に消費税額が区分記載されているのは、旧消費税法施行令第22項1項の積上げ計算の特例を適用するために;本体価格と消費税額を区分して明示することが求められているからです。

税制大綱によれば、この積上げ計算の特例は適格請求書方式導入時には廃止されるようですが、言いかえれば区分記載請求書等保存方式の期間は継続することになります。

そうなると、積上げ計算で申告するためには領収書、請求書に本体価格(または税込価格)と消費税額を区分して記載しなければいけないため、結局、登録番号抜きの適格請求書のような様式の請求書が作成されることになります。
(まさか、その前に積上げ計算の特例が廃止されるということなのでしょうか?)

条文上は「当分の間」の記載しかないので、納税者としては判断のしようがありません。



積上げ計算については平成16年の総額表示導入以来、このような曖昧な状況が続いており、システム担当者は迷惑を被っておりますので、地味な論点ではありますが積上げ計算の適用期間を政省令で明らかにすることを切に願います。

【追記】
平成28年3月31日に公布された財務省令第20号「消費税施行規則等の一部を改正する省令」、第12条において「平成29年適用日から平成33年3月31日までの間」と明記されていました(因縁つけて申し訳ありません)。

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2016年4月 1日 (金)

【書評】『決算早期化の実務マニュアル 第2版』

武田雄治先生から、新刊 『決算早期化の実務マニュアル 第2版』 (以降「第2版」)を献本いただきました。

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本書は、2009年の 『決算早期化の仕組みと実務』 をバージョンアップして2012年に刊行した 『決算早期化の実務マニュアル』 (以降「初版」)の改訂版にあたります。

したがいまして、今回の書評では第2版初版からどれだけ変わったのかに注目してみました。

何よりも変わったのは「まえがき」です。まえがきは本文と関係ないと思われる読者の方も多いと思いますが、作者の思いが吐露されるのが「まえがき」であり、「まえがき」を読めば作者の熱量がわかるのです。

第2版の「まえがき」に次のような記述があります。

「そして、筆者の決算早期化コンサルティングも、単に決算短針の発表日を前倒しするというプロジェクトの枠を超え、「真の経理部」の仕組みを構築し、経営に貢献できる経理部、企業価値の向上に貢献できる経理部を作るという内容に変わってきました。」

この一文が、第2版の特徴を表わしています。第2版では、単に決算早期化のノウハウを提供するだけではなく、経理部のあり方まで射程が広げられています。
初版では、経理部を「情報製造業」と定義していたのに対して、第2版では「情報製造業」の先の「サービス業」を目指すべきと主張しています。

単に数字を集計するだけではなく、 「各利害関係者に対する「サービス業」へと進化させなければならない」 (第2版p112)という方向性は、IFRS導入によって定性情報が増加しているという外的環境の変化ともフィットするものです。

各章の個別の手法についても、初版をベースにブラッシュアップが図られています。
その中で私が注目したのは、初版にはなかった「連結エクセル化」というアプローチです。これは、連結子会社数が少ないのならば連結専用ソフトを使うのではなく、積極的にエクセル化を勧めるものです。
子会社数やセグメントが増加した場合には連結専用ソフトを使わざるをえませんが、子会社数が少ない場合には、本書が指摘しているようにエクセルの方が効率的なケースは散見されます。
しかし、エクセルの使用を積極的に勧めるところまで踏み込んで記述するのは経験の裏付けがなければできない論点です。

本書を読んでいて、ひとつだけ気になった点があります。
150ページに資料データのファイル名を統一する手法が説明されています。
ファイル名を決算期、リファレンスナンバー、資料名といった属性ごとに決まった順序で命名することを勧めており、その例示の中でファイル名の属性の区切りに「半角スペース」が使われています。
ファイル名の検索やUnix環境でのファイルバックアップなどを考慮した場合、ファイル名に「スペース」は使わずに「_ (アンダーバー)」等を使用した方が良いでしょう(私のようなロートルSEの老婆心ではありますが)。

読者の皆さんが知りたいことは
「初版を持っているんだけど、第2版を買いなおす必要はあるのか?」
という論点かと推察します。
その結論は、
「当然、買っておきましょう」
ということです。

1冊2,500円なら、経理部員2時間分の残業代で回収できるんですから!

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2016年3月31日 (木)

IT委員会研究報告第48号、49号の公表

先日、日本公認会計士協会のIT委員会から

IT委員会研究報告第48号 「ITを利用した監査の展望 ~未来の監査へのアプローチ~」

IT委員会研究報告第49号「給与計算システムの受託業務に係る内部統制の保証報告書の記載例」 が公表されました。

いずれも、昨年末に公表された公開草案に対するコメントを反映させた最終版ですが、両報告とも大きな修正はありません。

この中でも研究報告第48号は、公開草案時に当ブログでご紹介したように、研究報告にモノローグ形式を取り入れるという革新的なアプローチがそのまま採用されており、 先日、ご紹介した「女騎士、経理になる。」に対抗できる斬新な研究報告になっています。

このまま行けば、マンガを取り入れた研究報告が公表される日も近いでしょう。

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2016年3月23日 (水)

どうして「一瞬」で決算書が読めるのかを作者自身が説明します 

本日3月23日に私の新刊 『一瞬でわかる決算書の読み方』 が発売されます。

この作品は出版20冊目の記念作でもありますが、さらに発売前の先週末時点で増刷が決定しました!
読者の皆様(今回の場合は発注していただいた書店の皆様)にあらためて御礼申し上げます。

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私は、以前に 「12歳でもわかる!決算書の読み方」  
その後 「2時間で丸わかり 会計の基本を学ぶ」  
という書籍を出版しておりますので、

おいおい「12歳」とか「2時間」の次は「一瞬」かよ!

と鼻白む読者(および友人)の顔が思い浮かびます。
さらに、景品表示法 第4条の(不当な表示の禁止)への抵触を懸念される方もいらっしゃるでしょう。

そこで、本日は、なぜこの書籍は「一瞬」で決算書が読めてしまうのか、少々お時間をいただいて説明させていただきます。

【理由 その1】 判型が違う!

今回の作品は正確には「書籍」ではなくMOOKと呼ばれる「雑誌」の一種です。さらにMOOKの判型として主流のB5よりも大きいA4判で作られています。
この判型だから、B/S、P/L、C/Fの財務3表の図表を1枚のページで解説できるのです。
本書の後半では各業界のライバル2社の決算書を比較しているのですが、2社分の財務3表、つまり6枚の図表でも1ページに収められます。
これは、通常の単行本のA5判やB6判では実現できなかった手法です。

つまり、1ページで財務3表をまとめて比較できるから、一瞬で決算書が読めるのです!

【理由 その2】 決算書を図表化する優位性

今回、宝島社さんから執筆依頼をいただいた際に、私はてっきり「別冊 宝島」シリーズで、
「決算書で読み解くプロレス団体の隆盛」とか
「山口組分裂から学ぶ組織再編手法」
といった書籍企画かと興奮していたのですが、当然、そんなもののワケがなくビジネスマン向けの真面目なムックの執筆依頼でありました。

初めての打ち合わせで見せていただいた既刊誌の判型をみたときに、
「この大きさならば財務3表の図表を1ページに収められるなあ」
と気付いたのですが、そこに、大きな問題がありました。

今までの書籍でB/SとC/Fを図表化する手法は考案していたのですが、P/Lだけは図表化していなかったのです。

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そこで、宝島の編集者の方に
「この週末にP/Lを図表化する手法を見つけられたら執筆します」
とお答えし、週末にあーだ、こーだ考えていたところ、窮鼠猫を噛むのたとえどおり、P/Lを図表化する方法が見つかりました!

その名も「P/L時計分析法」!

この時計分析法は本邦初公開の最新のメソドロジーであります!

ということで、執筆依頼をお受けして、無事に原稿もできあがったのですが初校を読んだ編集者から

「B/SとP/Lには分析法の名称があるのに、どうして、キャッシュフロー計算書には名前がないんですか?」  というツッコミが・・・・

そうなんです、キャッシュフロー計算書の図表化は、一般的なウォーターフォール(滝)チャートで済んでしまうため、特に名称を付けていませんでした。
そこで、再度、窮鼠猫を噛む状態で考えた結果、単なる図表化を新たな方法論へ昇華させました!
それが「C/F三段跳分析法」です!

遂に、財務3表に対するメソドロジーがそろったのです。
  「B/S似顔絵分析法」
  「P/L時計分析法」
  「C/F三段跳分析法」

つまり、B/S、P/L、C/Fを図表化するから一瞬で決算書が読めるのです!

【理由 その3】 部分ではなく全体を把握できる 

前作、「12歳でもわかる」も単にインパクトだけでタイトルをつけたわけではなく、その裏付けとして貸借対照表を似顔絵に置き換えるB/S似顔絵分析法という方法論があってのことです。

今までB/S似顔絵分析法について自虐的に「バカバカしい手法」と表現することがありました。しかし、今回の作品の製作過程で気付いたことは、この似顔絵分析法は幼稚な手法に見えますが、ハードカバーの財務分析の専門書で紹介されている個々の財務指標を読み解く手法よりも圧倒的に優れている という点です。

B/Sの静態的分析においては、流動資産、固定資産、流動負債、固定負債、純資産の相対的な関係を把握することが肝要であり、それを 2数間の関係しか表わせない財務指標で理解するのは無理なのです。

具体的な事例を挙げてみましょう。
・有名な財務指標に流動比率があります、これは短期的な支払い義務(流動負債)と支払原資(流動資産)の関係を表わすもので、100%以上が望ましく、数値が大きいほど安全性は高まります。
ちなみに、小宮一慶氏は、ベストセラーの『「1秒!」で財務諸表を読む方法』のなかで、「1秒」で財務諸表を判断するならば、まず流動比率をみるべきとおっしゃっています。

流動比率=流動資産÷流動負債

一方、固定長期適合率という財務指標があります。これは、固定資産分の資金を長期的債務である固定負債と自己資本でまかなえているか否かを判断する指標で100%以下が望ましく、数値が小さいほど理想的です。

固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本)

簡単な事例を見てみます。
次のA社とB社は、どちらの方が安全性が高いでしょうか?

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流動比率は数値が大きいほど安全なので流動比率でみればA社が優れています。
固定長期適合率は数値が小さいほど安全なので固定長期適合率でもA社が優れています。
両指標ともA社が勝っているのですから、A社の安全性が高いのでしょうか。

次に両者のB/S似顔絵を作ってみましょう。

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この似顔絵を見ればわかるように、自己資本の占める割合の大きさ、負債の少なさといった視点から総合的にはB社の方が安全性が高いことがわかります。

また、数字に強い人ならば、流動比率が100%以上(望ましい状態)ならば、固定長期適合率も必ず100%以下(望ましい状態)になることは中学校の数学で証明できますし、感覚的に両数値が補完的な関係にあることを見抜けたかもしれません。

しかし、この似顔絵を見れば、流動比率も長期固定適合率も左目と右眉の関係を表わしているに過ぎず、顔の上側の割合を流動比率、顔の下側の割合を長期固定適合率と呼んでいることが誰でも理解できます。

このように、B/Sの安全性分析に用いる指標は互いに関連性があるのですが、似顔絵分析法を使えば、全体的な関係が一目でわかるのです。

もしも、小宮一慶氏がおっしゃるように「1秒」で流動比率が計算できるのなら、左目と右眉の位置関係をつかむのは、まさに「一瞬」で可能なはずです。

つまり、部分ではなく全体をイメージできるから、一瞬で決算書が読めるのです!

【理由 その4】 決算書を読む手順が組み込まれている 

私が、ここで 「方法論(メソドロジー)」 という単語を使っている理由は、本書における分析法は作図過程で決算書を読む手順も示している点で、単なる図表化と異なるためです。

決算書の読み方には順序があります。各分析法は図表化にあわせて、その順序が自然にわかるように設計されています。

B/S似顔絵分析ならば、 右目⇒左目⇒右眉⇒左眉
P/L時計分析では  短針⇒長針⇒秒針
C/F三段跳分析では HOP⇒STEP⇒JUMP

この順序は 、抽象化の対象物である似顔絵や時計を日常的に利用するときの順序と合致させているため初心者でも忘れることがありません。

B/Sを百分比で表わす手法自体は、従来から様々な書籍で用いられています(私が認識している範囲では、山根節氏の「ビジネスアカウンティング」が初出かと思います)。
しかし、B/S似顔絵分析法では、作図過程においてB/Sを読む順序が組み込まれているため、主要な論点を見落とすことがありません
「ここを見ろ」「ここが重要」といった論点を列挙する手法とは次元の異なるアプローチであることを理解いただければと思います。

(書いてから気付きましたが、最後の理由は、「わかりやすさ」の理由にはなっても、「一瞬」で読める理由にはなっていませんでした。)

かなり長い前口上(ポジション・トーク)になってしまいましたが、発売初日ということでご容赦ください。
後は、皆さんに書店で実物を確認していただくだけです!

【ご注意】
今回の書籍は雑誌扱いのため書籍の会計コーナーには置いてありません。
ビジネス関係の雑誌コーナーをお探しください。

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