2012年1月31日 (火)

改正減価償却制度の経過措置による計算方法

平成23年度の税制改正により、減価償却制度の見直しが行われ、従来の250%定率法が廃止され、平成24年4月1日以後に取得した資産については、200%定率法が適用されることになりました。

http://iwatani-c.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/23-3167.html

今回の減価償却制度の改正には、2つの経過措置が用意されています。

経過措置1(改正法令附則第3条2項)
改正事業年度中の取得資産については従来の方法を適用する特例
 
経過措置2(改正法令附則第3条3項)
従来250%定率法を適用していた既存資産に対して改正後200%定率法の償却率を適用し、かつ当初の耐用年数で償却が完了する特例(ただし、確定申告書の提出期限までに届出が必要)

この経過措置2の扱いは、従来の償却計算ロジックでは対応できない(というか想像もできない)処理ですので、その詳細について改正された耐用年数省令をもとに解説していきます。

改正耐用年数省令の附則第2条に規定されている経過措置2の減価償却方法をまとめると、以下のようになります。

■経過措置2の適用をうける減価償却資産の耐用年数は、通常規定による耐用年数から、当該耐用年数及び未償却割合に対応する附則別表「経過年数表」に定める経過年数を控除した年数とする

■未償却割合=前事業年度末までの償却累計額÷取得価額

■「経過年数表」は、耐用年数ごとに未償却割合とそれに対応する経過年数を一覧した以下のような表です。

Photo_2
減価償却システムのロジックとしては、まず経過年数表のテーブルを作成(端数もあるので、計算式では対応できません)。既存資産の”現状”の耐用年数と未償却割合をパラメータにして経過年数を算出。経過年数を”現状”の耐用年数から控除した新しい耐用年数を用いて以降の償却計算を実施。

ということになりますが、文章にしているだけで涙が出てきました(対応される方々のご健闘をお祈りします)。

なお、特例措置2の適用に際しては、所轄税務署への届出が必要な点もご注意ください。

【追記】
会計の基本から最新の消費税改正まで、関連するサブシステムへの影響も含めて解説するセミナーを開催します。
『会計知識の基礎とシステム設計入門』
2012年 3月1、2日 
『販売・購買管理の基礎とシステム設計入門』

2012年 3月15、16日  
講師:岩谷誠治 主催:ソフト・リサーチ・センター
http://www.src-j.com/index.html (月別一覧から検索してください)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月27日 (金)

経済・ビジネス分野で圧倒的に簡単な本はなにか?

ブログ『金融日記』の藤沢数希氏が、新刊『日本がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』の発売に合わせ紀伊国屋新宿本店で推薦本のフェア―を行っています。

http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51881800.html

推薦書籍のテーマは『経済・ビジネス分野で圧倒的にスゴイ本23冊+2』なのですが、その中の1冊に、拙書『借金を返すと儲かるのか? 会計の公式』が含まれています。推薦いただきありがとうございます。

当方、寡聞のため推薦図書の半分ほどが未読であります。
したがいまして、これら書籍を論評するような立場には、まったくないのですが、この23冊の中で、どれが一番簡単な本か、つまり入門書なのか、つまり、一番最初に購入すべき本か(!)を考察してみたいと思います。

その候補に残るのは
きたみりゅうじ氏の『フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。』
拙書『借金を返すと儲かるのか?』のいずれかであることは、表紙の印象(?)からも異論のないところでしょう。
(『ハゲタカ』は小説ですがLBOやMBOなど専門用語も多いためランク外。ダニエル・ピンク氏の著作も読みやすいですが、イラストの量が上記書籍よりも少ないという理由でランク外。お許しください)。

実は、このきたみ氏の書籍は、隠れたベストセラーであります。
作者・税理士・編集者の3人が会話形式で話を進めていくのですが、個人事業主が申告時に困るポイントを見事に網羅しています。たとえば、

「ぶっちゃけどこまでが必要経費?」
「貸借対照表と事業主貸・事業主借」
「フリーランスは簡易課税でじゅうぶんだ」

など、むしろ、専門書では言いづらいことがサラっと本音で書かれており、個人事業主で初めて確定申告をされる方にお勧めの1冊です。

ここで、本題の「一番簡単な本は何か?」に戻りますと、『フリーランスを…』の第4章「ムダなく納税の青色申告」に簿記の話が出てきます、本文中でも丁寧に説明されているのですが、この章を読まれて理解しづらかった方は、拙書『借金を返せば・・』をご参照いただければよろしいと思います。
(このオチでは、拙書が一番簡単だとしても、結局、2番目に購入する本になってしまうが・・・まあいいか)

ちなみに、ちゃんと複式簿記で記帳して青色申告すれば、青色申告特別控除65万円の特典が利用できますから2冊買ってもおつりがきますよ!(23冊全部いけるかもしれない!)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月26日 (木)

やっと、出ました! 改正版耐用年数省令

昨日、1月25日付で、来年度からの減価償却制度に対応する改正版の耐用年数省令(正確には「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」)が公布されました。

http://kanpou.npb.go.jp/20120125/20120125g00016/20120125g000160088f.html

(リンクがうまくつながらない場合は、官報のトップページから、1月25日付号外第16号をご覧ください)

昨年11月に成立した平成23年度税制改正では、減価償却制度の見直しが行われ、従来の250%定率法が200%定率法に改められました。

これは、新しい償却率表にしたがって償却テーブルをセットすれば対応可能です。むしろ厄介なのは、以下の経過措置です。

「現行の償却率による定率法を採用している減価償却資産について、平成24年4月1日以後最初に終了する事業年度の申告期限までに届出をすることにより、その償却率を改正後の償却率に変更した場合においても当初の耐用年数で償却を終了することができる経過措置を講じる」

その具体的な計算は、今回改正された耐用年数省令の「附則別表 経過年数表」(官報93ページ)を用いて、耐用年数と未償却割合から経過年数を決定して行います(こんなロジック組み込むことを考えると、かなり憂鬱になります)。

【追記】当該経過措置の具体的な計算方法については、こちらのエントリーをご参照ください。

なお、官報のHPは30日分しか閲覧できませんので、ご注意ください。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2011年12月26日 (月)

IT委員会実務指針第6号の公表

12月22日付で、日本公認会計士協会からIT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」が公表されました。

http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1591.html

本指針は2012年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間監査に適用されます。
これに伴いIT委員会報告第3号「財務諸表監査における情報技術(IT)を利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」は廃止されます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月23日 (金)

先日の日経ビジネススクール受講者の皆様へ

昨日、開催された日経ビジネススクール主催の『平成23年度改正消費税法の概要とシステム対応』セミナーの受講者の皆様、年末の多忙の中、ご参加いただきありがとうございました。
大変、申し訳ございませんが、テキスト中に誤謬がありましたので、訂正をお願いいたします。
当日、使用したテキスト61ページの実効税率の算式の分子が
25.5% ×1.1+(25.5%×1.1×20.7%)+7.56%
になっておりますが、復興特別税は住民税には影響を与えないため、
25.5% ×1.1+(25.5%×20.7%)+7.56%
が、正しい式になります。
講義終了後の質疑応答時に発覚したため、訂正のタイミングを逸してしまい、ご迷惑をおかけしました。この場をお借りして、お詫び申し上げます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月20日 (火)

コンビニで売ってます

おかげ様で、昨年2月に発売した「12歳でもわかる!決算書の読み方」は、ご好評いただき累計3万冊を超えるヒット作となりました。ご購入いただいた方々には、この場をお借りしてお礼申しあげます。

この「12歳でもわかる!決算書の読み方」が、このたびコンビニエンス・ストアのファミリーマートでも取り扱われることになりました。
(大きめの店舗が中心のようですが、事務所の近所の北青山三丁目店には、既に並んでおりました)

Familymart_2

これで、決算書のお悩みは24時間対応可能です。

夜中の2時に課長から「明日の朝までクライアントの財務分析を終わらせるように!」とムチャ振りされても、近所のファミリーマートへ走っていただければ、即問題解決です(あり得ませんが)。

なお、ご購入の際は、表紙のいかがわしさから、近くに並んでいる「絶対当たる!競馬必勝法」や「本当にあった恐い話」といった書籍と間違われないよう、くれぐれもご注意ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月13日 (火)

先日のセミナー参加者の皆様へ

昨日、開催された日本ユニシス主催の商社・卸売業向けセミナー受講者の皆様、ご多忙のところご参加いただきありがとうございました。

質問の時間にお伝えしましたが、仕入税額控除額の計算方法である「個別対応方式」と「一括比例配分方式」は、会社の有利な方法を選択可能です。ただし、一括比例配分方式を採用した場合には、2年間の継続適用が求められています。
継続適用が求められているのは一括比例配分方式だけであり、個別対応方式については、そのようなしばりはありませんので、ご注意ください。
テキスト中に根拠条文を記載していませんでしたが、原文は下記の通りです。

消費税法 第30条 第5項

第2項又は前項の場合において、第2項第2号に定める方法(一括比例配分方式を指しています)により計算することとした事業者は、当該方法により計算することとした課税期間の初日から同日以後2年を経過する日までの間に開始する各課税期間において当該方法を継続して適用した後の課税期間でなければ、同項第1号に定める方法により計算することは、できないものとする。

個別対応方式と一括比例配分方式の詳細については、当ブログ中でも解説しております。
http://iwatani-c.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/1-c623.html

また、今回のセミナーは、70分という限られた時間でしたので消化不良の方も多いかと思います。平成23年度の税制改正全般と会計システムの関係については、下記セミナーも用意しておりますので、ご利用いただければ幸いです。

『平成23年度改正消費税法の概要とシステム対応』
2011年 12月22日(木) 13:00‐17:00 日経ビジネススクール主催
http://www.nikkei-nbs.com/nbs/seminar/1112030.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月10日 (土)

平成24年度税制大綱の公表

本日(12月10日)、平成24年度税制大綱が閣議決定され公表されています。

http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/24taikou_2.pdf

今回の改正では、自動車重量税の減額が焦点として報道されていますが、反対に言えば、それ以外の重要改正事項は先送りになっています。

所得税では、給与所得控除の上限設定(給与収入1500万円を超える場合、給与所得控除を245万円)、退職所得課税の見直し(勤続年数5年以内の退職所得については税優遇を廃止)、法人税については、研究開発減税の延長のように、会計実務に影響の大きい改正もありますが、一般企業の会計システムに影響を与える改正は含まれていません。

会計システムに影響の大きい消費税については、今後公表される「社会保障・税一体改革成案」に委ねられていますので、こちらの動向に注目すべきでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月 5日 (月)

 「税務弘報」に『95%ルール改正とシステムの見直し』を寄稿しました。

本日発売の税務弘報2012年1月号(中央経済社)の特別企画『消費税23年度改正対応』に、拙稿『95%ルール改正とシステムの見直し』を寄稿いたしました。
お手許にございましたら、お目通しいただければ幸いです。

また、今月号の新春座談会「税率・減価償却・欠損金等の実務」は、阿部泰久、金子裕子、藤曲武美の3氏が、先日成立した平成23年度の積み残し法案成立を前提として、その内容解説をされており、大変タイムリーな記事でお薦めであります(締切から考えてもこの企画は凄いと思います)。

(最後に余談ですが、友人の寺坂茂利氏が、今月号から新たな連載記事『税務効率化計画! 超絶エクセル・テクニック』を始めております。最近、ご無沙汰しておりますが、紙面上でご挨拶することになるとは思いませんでした!)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年12月 1日 (木)

平成23年度積み残し分の法人税法改正

昨日(11月30日)、現在開催中の第179回臨時国会において、以下の法案等が可決され、平成23年度税制改正の積み残し分が成立しました。

「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案」
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

当初の税制改正項目の中で、3月と6月の改正で積み残されていた法人税関連の改正を取込むものです。

法案の原文を読んでも内容を理解するのは困難ですので、改正の全体像については、11月15日に開催された平成23年度第17回税制調査会での資料をご参照ください。

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2011/__icsFiles/afieldfile/2011/11/15/23zen17kai3.pdf

また、KPMG税理士法人のニューズレターも参考になります(すばらしい、資料で助かります)。
http://tax.kpmg.or.jp/knowledge/japan-tax-newsletter/2011/pdf/201111_3_j.pdf

当初予定されていた減価償却方法の変更も、当法案によって改正されるようですが、改正法人税法上では、以下の記述しかありませんので、詳細については、今後公表される政省令を待たざるを得ません。

(法人税法)第三十一条第一項中「応じ」の下に「、償却費が毎年同一となる償却の方法、償却費が毎年一定の割合で逓減する償却の方法その他の」を加え、同条第六項中「取得価額」の下に「、減価償却資産について支出する金額のうち使用可能期間を延長させる部分等に対応する金額を減価償却資産の取得価額とする特例」を加える。

基本的には、平成23年度税制大綱にしたがって、従来の250%定率法を200%へ変更するとともに、改定償却率及び保証率についての整備も行われるようです。

【追記】平成24年1月25日に耐用年数省令の改正が行われました。詳細については、こちらのエントリーをご参照ください。
さらに、経過措置の扱いについては、こちらをご参照ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月22日 (火)

『勝ち残るための経営戦略に必要な視点と情報基盤』セミナー講演

2011年12月12日に開催される日本ユニシス主催の商社・卸売業向けセミナー『勝ち残るための経営戦略に必要な視点と情報基盤とは』の基調講演を担当することになりました。

基調講演
『今、激変する環境の中で生き抜くための経営指針とは何か』
    ~激変する制度会計と管理会計の関係を理解する~

https://evesys.unisys.co.jp/public/seminar/view/1512

主催 日本ユニシス株式会社 
開催時間 2010年12月12日(月) 14:00~17:30
場所 日本ユニシス株式会社 本社6階セミナールーム
参加費 無料  定員 50名

固くるしいタイトルになっていますが、最近、お問い合わせの多い消費税95%ルール改正による個別対応方式への対応を事例に、制度会計と管理会計の関係について解説していきます。

私以外にも、興味深い先進事例紹介もございますので、多くの方々のご参加をお待ちしております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月15日 (火)

IASB 収益認識の修正版公開草案の公表

先日、収益認識会計基準「顧客との契約から生じる収益」の公開草案の修正版が、IASBとFASBから共同で公表されました。

http://www.ifrs.org/News/Press+Releases/rev+rec+reexpose+14+Nov+2011.htm

修正版 公開草案のダウンロードサイト
http://www.ifrs.org/Current+Projects/IASB+Projects/Revenue+Recognition/EDNov11/ED.htm

これは、IASBとFASBの間で開催されてきた合同ミーティングにおける暫定的決定事項を取り入れたものです。

システム的に気になる、収益の認識時点の判断基準は、履行義務が連続的に移転するもの(over time)と、それ以外の一時点で移転するもの(at a point in time)に区分されて規定されました。

連続的に移転するものについては移転総量(output method)か投入総量(input method)にもとづく計算方法で収益を認識していきます。

一時点で移転するケースの例示として、以下の5つが挙げられています。

(a) 顧客に支払義務が生じる
the entity has a present right to payment for the asset
(b) 顧客が法的所有権を得る
the customer has legal title to the asset;
(c) 顧客が物理的に占有している
the entity has transferred physical possession of the asset;
(d)顧客がリスクと便益を有している
the customer has the significant risks and rewards of ownership of
the asset; and
(e) 顧客が受領している
the customer has accepted the asset.

なお、公開草案へのコメント提出期限は2012年3月13日になっています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月11日 (金)

私は罪を犯してしまったのか

今日、2011年11月11日は、ポッキーの日だそうで、二宮和也氏が出演しているCMが、テレビで頻繁にオンエアされています。
http://pocky.jp/cm/pocky/index.html

このCMで、1990年にMC HammerがヒットさせたU can’t touch this
が使われています。20年前の曲ですが、様々なところで使われているので、どなたも、「ああ、あの曲か」と思いだされたことでしょう。

しかし、このCMを見た時に、サンプリング元になっているRick James“Super Freak”を思い出された方は少ないと思います。

私自身は、1981年のSuperFreakのヒットを中学生時代のリアル体験として覚えているのですが、それでも、30年経ってみると、あのリフは、MC Hammerだよなあと思ってしまいます。
というわけで、何が「オリジナル」なのかは、時代とともに変化してしまうのだなあ、と感慨にふけっておりましたら、他人事ではありませんでした。

今日、Twitterを眺めていたら、Mac Book Air のマニュアルの1ページ目を紹介している写真が流れてきまして・・・
http://twitpic.com/7cxrh5
20111111mba

どひゃー これって、自分の本と一緒じゃない !

20111111syakkin
これは、私が2009年に著した「借金を返すと儲かるの?」の冒頭の1ページであります。
当方、MacのPCを使っていないため、マニュアルの冒頭にこんな文章が書かれていたとは知りませんでした。
しかし、Macをご利用されている方々は、「こいつはMacのマニュアルをパクったな」と思われたはずでしょう。

自分が気付かないうちにオリジナリティを害していたとは・・・。

言い訳ではありませんが、表紙を開いた冒頭に、このページを入れるアイデアは、実は、映画の「Dark Knight」からいただいたものです。

執筆当時に上映していた、この映画にはまっておりまして、映画冒頭のスピード感(銀行強盗のシーンです)を書籍に取込めないかと考えたのが、目次を飛ばして本文をスタートするこの装丁です。

いずれにしろ、これからも過去の方々のオリジナリティを尊重しつつ、創作活動を続けていくように、大いに反省した次第です。

【追記】 先日の金融日記さんの影響で、拙書「借金を返すと儲かるのか?」の在庫切れが続いており、Amazonの中古本に法外な値段がついておりますが、週明けには補充されると思いますので、安心して定価でご購入ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年10月31日 (月)

知識ゼロから圧倒的に政治・経済にくわしくなる本

先日、藤沢数希氏のブログ「金融日記」、「知識ゼロから圧倒的に政治・経済にくわしくなるための本4冊+2」という記事が掲載されました。

その4冊は、
竹中平蔵、佐藤雅彦 『経済ってそういうことだったのか会議』
岩谷誠治 『借金を返すと儲かるのか?』
池上彰 『池上彰の経済のニュースが面白いほどわかる本』
池上彰 『政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ』

竹中平蔵氏、池上彰氏の大御所に挟まれて、拙書「借金を返すと儲かるのか?」が紹介されています。

この「金融日記」のネット上の、インパクトは強烈でありまして、すでに「はてぶ」が1500超(!)。
Amazonランキングの数万位台をうろうろしていた拙書も突如100位内にランクアップしています。
20111031100
すぐ上の98位に、同ブログで紹介されていた池上氏の書籍が入っていることからも、Amazon購入者のほとんどが、当ブログから流れていることがわかります。

ここで、紹介されている他の3冊とは異なり、拙書は会計本でありますが、マクロ経済を学ぶ前にフロー(P/L)とストック(B/S)の概念を理解しておくのは有効な手法と思いますので、ご一読いただければ幸いです。
(ミクロ経済を学習する際も、微分・積分の入門書から始めた方が、遠回りのようで結局は近道。)

ちなみに、佐藤雅彦氏、竹中平蔵氏の『経済ってそういうことだったのか会議』の担当編集者は、拙書「借金を返すと儲かるのか?」の担当と同一人物です。
結局、編集のA氏が入門書に強いというのが、結論でしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年10月21日 (金)

ベストセラー作家になってしまった

おかげ様で、本日、拙書「12歳でもわかる決算書の読み方」の増刷が決まり、累計で3万冊を超えました。

その旨を伝えてくれた編集者が言うには、
「累計で3万部を超えましたから、ベストセラーと言っていただいて”いい”ですよ。」

えぇー、ベストセラーって、そんな定義があったんですか。
反対に、3万を超えないとベストセラーと”言っちゃいけない”ってことですか?

申し訳ありません、私、今まで、気楽にベストセラーとか、勝手なこと言っておりました。この場をお借りして訂正させていただく次第です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年9月12日 (月)

書評 「公認会計士の仕事」

先日、お世話になっている編集者から『本当にわかる 公認会計士の仕事』(日本実業出版社)を献本していただきました。

本作は、多くの著作を出されている武田雄治先生と、最近テレビでもご活躍されている平林亮子先生の共著です。

カバーに「受験から転職・独立まで、公認会計士のリアルがわかる!」とあるように、公認会計士試験受験生や会計士業務に興味を持たれた方々を対象に会計士業務の魅力を紹介する内容になっています。

会計士受験生が接する業界情報は、受験の専門学校や、合格したての先輩から提供されるものが多いため、ある種のバイアスがかかりがちです。

それに対して、本書では、等身大の会計士像を伝えようという配慮が、全編を通して感じられます。特に、独立開業直後のご苦労については、現在、独立を考えている会計士の方々にも参考になるでしょう。

以前、武田先生にお会いした際に、かつて、関西で業務を行っていたことはうかがっていたのですが、独立当初に、本書に書かれているようなSteve Jobs 張りの事件に遭遇していたとは知りませんでしたので、私、自身、大変、興味深く読ませていただきました。

また、本書を読んで、監査業務に興味を持たれた方には、越智克吉先生の『会計士物語 –公認会計士の仕事と生活』(白桃書房)をお勧めしておきます。

最後に、カバー写真の両先生の立ち位置ですが、営業的には、平林先生中心の方がよろしかったような?(大きなお世話で、失礼しました)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年8月29日 (月)

本日のセミナー受講者の皆様 消費税の積上法について

本日、開催されたみずほセミナー主催の「収益認識をめぐる会計実務」セミナー受講者の皆様、ご多忙のところご参加いただきありがとうございました。

セミナー終了後にご質問をいただきましたので、ここに再掲しておきます。
ご質問の内容は、講義中で解説した消費税の積上法に関する通達は、どこに記載されているのかというものでした。

この通達は、消費税法基本通達ではなく、個別通達「事業者が消費者に対して価格を表示する場合の取扱い及び課税標準額に対する消費税額の計算に関する経過措置の取扱いについてに規定されているため、基本通達のような通し番号は付されておりません。

平成16年の改正前には消費税基本通達15-2-2及び15-2-3に、同内容の基本通達がありましたが消費税法施行規則第22条の廃止にともない基本通達も削除され、当該個別通達に移されているので、ご注意ください。

また、平成23年度の消費税法改正及び個別対応方式と一括比例配分方式の内容については、当ブログ内でも解説しておりますので、こちらもご利用ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月26日 (金)

書評 『図解 IFRSのきほんがわかる本』

先日、原幹先生から、新刊『図解 IFRSのきほんがわかる本 』(自由国民社)を献本していただきました。

我が国へのIFRS導入にあたっては、自見金融相の発言以降、ドタバタが続いておりますが、この時期に、改めてIFRSの全体像をつかんでおくのもよろしいのではないでしょうか。

IFRSの入門書としては、中田清穂先生の『SE・営業担当者のための わかった気になる IFRS』 (中央経済社)や、日経文庫の『IFRSの基本』(著:飯塚隆他)あたりが好調とうかがいますが、本書も、ほぼ同レベルの読者を対象としています。

前書きにあるように「財務経理の専門家でなくてもIFRSの全体像を理解できる」ことを目標に編集されており、イラストの多用とトピックごとの個別編集によって、それを実現しています。
また、IFRS導入による現業部門への影響についても言及しているため、一般部門の方々も興味を持って読み続けられるでしょう。

ちなみに、原敬内閣の「はらけい」は通称でありますが、原幹先生の「はらかん」は御本名であります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月27日 (水)

改正消費税 個別対応方式と一括比例配分方式 その6(課税売上割合)

前回は、個別対応方式及び一括比例配分方式に対応するための仕入取引に関する留意点をご説明してきました。
もう1点、注意していただきたいのが課税売上割合の算出です。

従来、課税売上割合が95%を超える場合には、仕入税額を全額控除できるため、95%を大きく超える場合には、課税売上割合の計算に厳密さは求められませんでした。

しかし、今後、仕入税額の全額控除が認められなくなると、課税売上割合のコンマ数パーセントの違いが、納税額に影響を与えるため、課税売上割合を正確に集計しなければなりません。

課税売上割合算出時の注意点としては、以下のようなものがあります。

●非課税取引と不課税取引の区分
収益が課税取引か否かの判断については厳格に行われていても、非課税取引と不課税取引の区分については曖昧なケースが見受けられます。
例えば
非課税取引・・・土地の譲渡、受取利息、商品券等の譲渡

不課税取引・・・助成金、受取保険金、受取配当金、
          商品券等の発行(消費税基本通達6-4-5)

●有価証券の売買
課税売上割合の算出にあたっては、有価証券等の譲渡額の5%を分母に加算します(消費税法施行令第48条第5項)。
非課税になる有価証券等の範囲については、消費税基本通達6-2-1を参考にしてください。

●総額と純額
例えば、借上げ社宅の従業員負担額を社宅の賃借料と相殺処理する場合があります。しかし、消費税法上、住宅の貸付は非課税取引に該当します。

同様な事例で、実務上、厄介なのは、有償支給における消費税の扱いですが、判断基準として、下記の消費税法基本通達を参考にしてください。

消費税法基本通達
(下請先に対する原材料等の支給)

5―2―16
 事業者が外注先等に対して外注加工に係る原材料等を支給する場合において、その支給に係る対価を収受することとしているとき(以下5―2―16において「有償支給」という。)は、その原材料等の支給は、対価を得て行う資産の譲渡に該当するのであるが、有償支給の場合であっても事業者がその支給に係る原材料等を自己の資産として管理しているときは、その原材料等の支給は、資産の譲渡に該当しないことに留意する。

(注) 有償支給に係る原材料等について、その支給をした事業者が自己の資産として管理しているときには、支給を受ける外注先等では、当該原材料等の有償支給は課税仕入れに該当せず、また、当該支給をした事業者から収受すべき金銭等のうち原材料等の有償支給に係る金額を除いた金額が資産の譲渡等の対価に該当する。

課税売上割合を仕入税額に乗じるという消費税の計算ロジックは、課税売上割合の小さな変化が、最終的な納税額に大きな影響を与えます。
企業規模が大きくなると、この影響は甚大で、課税売上割合の小さな集計漏れが、納税額に予想以上の影響を与えるため、私も、たびたび肝を冷やしています。
皆様も、課税売上割合の集計手続きについて、再度、確認しておくことをお勧めします。

【追記】
消費税の基本から95%ルールの改正まで、関連するサブシステムへの影響も含めて解説するセミナーを開催します。
『販売・購買管理の基礎とシステム設計入門』

2012年 3月15、16日  ソフト・リサーチ・センター主催
http://www.src-j.com/index.html (月別一覧から検索してください)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年7月26日 (火)

改正消費税 個別対応方式と一括比例配分方式 その5(留意点)

個別対応方式及び一括比例配分方式を選択する際には、下記の消費税基本通達に注意してください。

消費税法基本通達
(個別対応方式の適用方法)
11―2―18
 
個別対応方式により仕入れに係る消費税額を計算する場合には、その課税期間中において行った個々の課税仕入れ等について、必ず、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものとに区分しなければならない。したがって、例えば、課税仕入れ等の中から課税資産の譲渡等にのみ要するものを抽出し、それ以外のものをすべて課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして区分することは認められないのであるから留意する。

つまり、個別対応方式の適用にあたっては、個々の取引ごとに対応区分をつけることが予定されています。

各区分の具体的な内容については、以下のように規定されています。

消費税法基本通達
(課税資産の譲渡等にのみ要するものの意義)
11―2―12 

法第30条第2項第1号((個別対応方式による仕入税額控除))に規定する課税資産の譲渡等にのみ要するもの(以下「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」という。)とは、課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい、例えば、次に掲げるものの課税仕入れ等がこれに該当する。
なお、当該課税仕入れ等を行った課税期間において当該課税仕入れ等に対応する課税資産の譲渡等があったかどうかは問わないことに留意する。
(1) そのまま他に譲渡される課税資産
(2) 課税資産の製造用にのみ消費し、又は使用される原材料、容器、包紙、機械及び装置、工具、器具、備品等
(3) 課税資産に係る倉庫料、運送費、広告宣伝費、支払手数料又は支払加工賃等

消費税法基本通達
(課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等にのみ要するものの意義)
11―2―15 

法第30条第2項第1号((個別対応方式による仕入税額控除))に規定する課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等にのみ要するもの(以下「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」という。)とは、法第6条第1項((非課税))の規定により非課税となる資産の譲渡等(以下「非課税資産の譲渡等」という。)を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい、例えば、販売用の土地の造成に係る課税仕入れ、賃貸用住宅の建築に係る課税仕入れがこれに該当する。

消費税法基本通達
(不課税取引のために要する課税仕入れの取扱い)
11―2―16 

法第30条第2項第1号((個別対応方式による仕入税額控除))に規定する課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの(以下「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」という。)とは、原則として課税資産の譲渡等と非課税資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ等をいうのであるが、例えば、株券の発行に当たって印刷業者へ支払う印刷費、証券会社へ支払う引受手数料等のように資産の譲渡等に該当しない取引に要する課税仕入れ等は、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして取り扱う。

上記、基本通達を読まれると、「共通」に該当する取引の範囲は、皆さんの想像よりも、かなり広いのではないでしょうか。

理論としては理解できても、実務上は、取引ごとに対応区分を決定するのが困難なケースも多く発生します。その際には、以下の通達を参考にしてください。

消費税法基本通達
(共通用の課税仕入れ等を合理的な基準により区分した場合)
11―2―19 

課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当する課税仕入れ等であっても、例えば、原材料、包装材料、倉庫料、電力料等のように生産実績その他の合理的な基準により課税資産の譲渡等にのみ要するものとその他の資産の譲渡等にのみ要するものとに区分することが可能なものについて当該合理的な基準により区分している場合には、当該区分したところにより個別対応方式を適用することとして差し支えない。

消費税法の仕入税額控除における「仕入」とは、日常用語としての「仕入」、つまり商品や原材料の仕入れだけではなく、交通費や消耗品費といった「経費」も含んだ概念です。

したがって、会計システムのモジュールで見た場合、ユーザー数が多い上に多様な勘定科目の取引を対象とする「経費管理」「旅費精算」といったシステムへの影響が大きくなります。
特に、一般ユーザーの使用を前提とした旅費精算システムでは、取引パターンを選択することによって、勘定科目や課税区分を自動仕訳するため、これらパターンの抜本的な見直しと、ユーザーへの教育が必要になる点も注意してください。

次回は、課税売上割合算出時の留意点について解説していきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«改正消費税 個別対応方式と一括比例配分方式 その4(有利不利の判断)